全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第31話:ルルさんがいらっしゃいました

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「リリア、今日は俺に付き合ってくれてありがとう。とても楽しかったよ」

「私の方こそ、ありがとうございました。こんなに沢山の洋服やアクセサリーを買って頂いて。なんてお礼を申し上げたらよいか」

 私の隣には、今日買った品々が乗せられている。

「でも、君が欲しがっていた絵は、手に入らなかったね…」

「あの絵は元々売り物ではなかったので、仕方がありません。どうかお気になさらないで下さい。それにこの絵も素敵ですわ」

 絵まで買ってもらったのだ。私はこれからどうやって、ゼルス様に恩返しをすればいいのだろう。

「リリアがそう言ってくれると、俺も救われるよ。さあ、家に着いたよ。今日は疲れただろう?荷物は俺が部屋まで運ぶから、君はゆっくり休んでくれ」

 そう言うとゼルス様は、大荷物を1人で運んでくれた。相変わらずお優しい人だ。早速買ってもらった洋服をしまい、絵を飾った。

 そして、ネックレスを手に取った。貝殻で作られた可愛らしいネックレスを、そっと首に付けた。今日は本当に楽しかったな。

 この幸せが、ずっと続けばいいのに…

 ついそんな事を願ってしまう。でも、その願いはきっと叶わない。あれほどまでに魅力的なゼルス様だ。きっと女性たちが、放っておかないだろう。

 いつか素敵な女性がゼルス様の前に現れて、そして私は…

 ポロポロと涙が溢れる。

「やだ、私ったら今とても幸せなのに、どうして涙が出るのかしら?本当にダメね…どうして私は、こんなに弱いのかしら?」

 そっと涙を拭くと、顔を洗った。

「ゼルス様はこんなに私に良くしてくれているのだから、ゼルス様に素敵な女性が現れるまでは、私がしっかりお世話をしないと!」

 そうよ、泣いている訳にはいかないわ。ゼルス様の為に、明日からもっと頑張らないと!

 翌日
「おはよう、リリア。今日も早起きだね。昨日たくさん歩いて疲れているだろう?無理して起きなくてもよかったんだよ」

「おはようございます、ゼルス様。昨日はしっかり休ませていただきましたので。朝ごはんの準備が出来ておりますので、温かいうちに召し上がってください」

「朝からご馳走だな。ありがとう、早速頂くよ。リリアも一緒に食べよう」

「はい、頂きます」

 2人向かい合わせで座り、食事をする。こんな何気ない時間も、私にとっては幸せなひと時だ。

「昨日の料理もうまかったが、やっぱりリリアの料理が一番美味しいな」

「ゼルス様ったら。でも、そう言って頂けると、作り甲斐がありますわ」

 本当に美味しそうに私の作った料理を食べて下さるのだ。ゼルス様の顔を見ているだけで、私はもうお腹いっぱいになってしまうほどに。

「それじゃあ行ってくる。今日もお昼は帰って来るから」

「はい、ゼルス様のお好きなパンを焼いて、待っております。それでは行ってらっしゃいませ」

 ゼルス様を見送った後は、部屋中の掃除をし、洗濯を済ませる。そして昼ご飯の下ごしらえまで終わらせた。

 さて、ある程度準備も出来たし、夕食の買い出しに行こう。確か市場に魚が売っていた。でも今までは、どう料理していいのか分からず、買う事はなかった。

 そんな中、昨日美味しい魚料理を頂いたことで、私も魚が大好きになった。それに何よりも、ゼルス様に美味しい魚料理を食べてもらいたい。

 でも、魚料理の作り方が分からない。魚屋さんにレシピを聞いてみようかしら?

 そんな事を考えている時だった。

 誰かがドアをノックしたのだ。

 一体誰かしら?この街に来てから、買い物に行った際にお店の人と話をするくらいで、特に友人などはいない。その為、我が家を訪ねてくる人なんていないはずなのだが…

 不審に思いつつ、ゆっくりとドアを開ける。

 すると

「おはよう、リリアちゃん。どうしてもあなたと話がしたくて、ルークに家の場所を聞いて来ちゃった」

 そこに立っていたのは、ルーク様の婚約者、ルルさんだ。

「わざわざ訪ねて来てくださったのですか?どうぞ中に入ってください」

 昨日私とも仲良くしたいと言ってくれていたルルさん。早速今日、訪ねて来てくださるだなんて。ルーク様はゼルス様の大切なご友人だ。そんな方の婚約者、無礼のないようにしないと。
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