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第33話:ルルさんとお友達になりました
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「まあ、ルーク様の為にですか。ルルさんはルーク様の事を、とても大切に思っているのですね」
「ええ、もちろんよ。家族を亡くし、助けてくれたおかみさんも亡くし、ずっと孤独だった私に温もりを与えてくれた人ですもの。私にとってルークは、かけがえのない大切な人よ」
「おかみさんも亡くなったのですか?」
「ええ、2年前に病気でね。第二のお母さんだと思っていたおかみさんを亡くした私を支えてくれたのが、ルークだったの。彼のお陰で今また、こうやって笑えているのよ。私はルークがいれば、何もいらない。そう思えるほど、大切な人なの」
そう言うと、嬉しそうにルルさんが笑ったのだ。
「ルーク様がいれば、何もいらないか…それほどまでにルーク様の事を愛しているルルさんは、とても素敵ですわ。私もいつか、ルルさんの様に、ここから愛する人が出来るといいのですが…」
クロードを思い、ずっと待ち続けていたあの頃。私はずっと、クロードに好意を抱いていた。クロードも私と同じ気持ちでいてくれると思っていた。でも、それは違った。私の一方通行だったのだ。
クロードに裏切られ、どん底にいた私を救ってくれたのは、ゼルス様だった。最初は怖い人だと思っていたが、一緒に過ごすうちに、彼の優しさにどんどん惹かれていった。
でも、私とゼルス様は、主と使用人の関係。決して報われる事のない思いなのだ。
「リリアちゃん、そんなに悲しそうな顔をしないで。あなた、可愛いし優しいし、とても魅力的な女性だもの。すぐに素敵な人が見つかるわよ。それにリリアちゃんが気が付いていないだけで、もう既に素敵な男性と出会っているかもしれないわよ。例えば、ゼルス隊長とか。
ゼルス隊長は、本当に女性が苦手で、基本的に女性には近づかないのよ。近づいてくる女性には、凄い形相で睨むのだから。それでもあの人、顔だけは美しいから、めげずに近づいてくる猛者もいるのだけれど。結局あしらわれるのよね」
「ルーク様も同じ様な事をおっしゃっておりましたが、ゼルス様が女性が苦手というイメージがどうしても持てなくて。いつも優しくて紳士的な方なのに」
「それはリリアちゃんだからよ。私なんて何もしていないのに、ものすごい形相で睨まれたのよ。話しかけても無視するし。こんな事を言っては失礼かもしれないけれど、本当に感じの悪い男なのよ」
ルルさんが、目を吊り上げて怒っている。ゼルス様が感じが悪い男、そう言われてもイメージがわかない。でも、確かに言われてみれば、初めて会った時凄い形相で睨まれたっけ。あの顔が怖くてたまらなかった。
「とにかくゼルス隊長にとって、リリアちゃんは特別な相手って訳。おっと、あまり私が余計な事を言うと、ルークに怒られるわね」
そう言ってぺろりと舌を出したルルさん。最初はとっつきにくい人かとも思ったが、こうやって話してみると、とてもいい人だ。
「話が随分それてしまったわね。改めて、私とお友達になってくれるかしら?」
満面の笑みで、ルルさんが手を差し伸べて来たのだ。その手をスッと握る。
「こちらこそ、ぜひお友達になってください。私、前にも話した通り、お友達がいなくて。こうやって色々な話が出来るお友達ができて、嬉しいですわ」
「ありがとう、リリアちゃん。私もお友達がいなかったから嬉しいわ。それじゃあ、私の事はルルと呼んで。私もリリアと呼んでもいいかしら?それから、敬語も無しよ。だってお友達なのだから」
「分かったわ。よろしくね、ルル」
まさかこんな風に、私にもお友達が出来るだなんて。嬉しくてつい頬が緩む。
「それじゃあ、早速お料理を一緒に作りましょう。と言いたいところだけれど、もうすぐゼルス隊長がお昼を食べに戻って来る頃よね。私がいたら、眉間にしわを寄せて、恐ろしい顔で睨んでくるだろうから、一度帰るわ。また昼から来てもいいかしら?」
「ええ、それは構わないけれど。でも、せっかく来てくれたのだから、一緒に昼食を食べていかない?既に準備も出来ているし」
わざわざ来てくれたのだ。一度帰って出直すだなんて、なんだか申し訳ない。
「私の家、この近くだから気にしないで。さっきも言ったけれど、私がいたらきっと、ゼルス隊長が不機嫌になるから。それじゃあ、また後でね」
「あっ、待って…」
引き留めようとする私を他所に、笑顔で去っていくルル。そんなに気を使ってくれなくても、いいのだけれどな。
でも、こんな風に同じ年頃の女性と話したのは、いつぶりだろう。両親が生きていた時は、私にも自由な時間があり、村の子たちとも一緒に遊んだりしていたな。でも、両親が亡くなってからは、こんな風に同世代の子たちと話す時間もなかった。
これからは新しく出来た友達、ルルとも楽しい時間が過ごせたら嬉しいな。
「ええ、もちろんよ。家族を亡くし、助けてくれたおかみさんも亡くし、ずっと孤独だった私に温もりを与えてくれた人ですもの。私にとってルークは、かけがえのない大切な人よ」
「おかみさんも亡くなったのですか?」
「ええ、2年前に病気でね。第二のお母さんだと思っていたおかみさんを亡くした私を支えてくれたのが、ルークだったの。彼のお陰で今また、こうやって笑えているのよ。私はルークがいれば、何もいらない。そう思えるほど、大切な人なの」
そう言うと、嬉しそうにルルさんが笑ったのだ。
「ルーク様がいれば、何もいらないか…それほどまでにルーク様の事を愛しているルルさんは、とても素敵ですわ。私もいつか、ルルさんの様に、ここから愛する人が出来るといいのですが…」
クロードを思い、ずっと待ち続けていたあの頃。私はずっと、クロードに好意を抱いていた。クロードも私と同じ気持ちでいてくれると思っていた。でも、それは違った。私の一方通行だったのだ。
クロードに裏切られ、どん底にいた私を救ってくれたのは、ゼルス様だった。最初は怖い人だと思っていたが、一緒に過ごすうちに、彼の優しさにどんどん惹かれていった。
でも、私とゼルス様は、主と使用人の関係。決して報われる事のない思いなのだ。
「リリアちゃん、そんなに悲しそうな顔をしないで。あなた、可愛いし優しいし、とても魅力的な女性だもの。すぐに素敵な人が見つかるわよ。それにリリアちゃんが気が付いていないだけで、もう既に素敵な男性と出会っているかもしれないわよ。例えば、ゼルス隊長とか。
ゼルス隊長は、本当に女性が苦手で、基本的に女性には近づかないのよ。近づいてくる女性には、凄い形相で睨むのだから。それでもあの人、顔だけは美しいから、めげずに近づいてくる猛者もいるのだけれど。結局あしらわれるのよね」
「ルーク様も同じ様な事をおっしゃっておりましたが、ゼルス様が女性が苦手というイメージがどうしても持てなくて。いつも優しくて紳士的な方なのに」
「それはリリアちゃんだからよ。私なんて何もしていないのに、ものすごい形相で睨まれたのよ。話しかけても無視するし。こんな事を言っては失礼かもしれないけれど、本当に感じの悪い男なのよ」
ルルさんが、目を吊り上げて怒っている。ゼルス様が感じが悪い男、そう言われてもイメージがわかない。でも、確かに言われてみれば、初めて会った時凄い形相で睨まれたっけ。あの顔が怖くてたまらなかった。
「とにかくゼルス隊長にとって、リリアちゃんは特別な相手って訳。おっと、あまり私が余計な事を言うと、ルークに怒られるわね」
そう言ってぺろりと舌を出したルルさん。最初はとっつきにくい人かとも思ったが、こうやって話してみると、とてもいい人だ。
「話が随分それてしまったわね。改めて、私とお友達になってくれるかしら?」
満面の笑みで、ルルさんが手を差し伸べて来たのだ。その手をスッと握る。
「こちらこそ、ぜひお友達になってください。私、前にも話した通り、お友達がいなくて。こうやって色々な話が出来るお友達ができて、嬉しいですわ」
「ありがとう、リリアちゃん。私もお友達がいなかったから嬉しいわ。それじゃあ、私の事はルルと呼んで。私もリリアと呼んでもいいかしら?それから、敬語も無しよ。だってお友達なのだから」
「分かったわ。よろしくね、ルル」
まさかこんな風に、私にもお友達が出来るだなんて。嬉しくてつい頬が緩む。
「それじゃあ、早速お料理を一緒に作りましょう。と言いたいところだけれど、もうすぐゼルス隊長がお昼を食べに戻って来る頃よね。私がいたら、眉間にしわを寄せて、恐ろしい顔で睨んでくるだろうから、一度帰るわ。また昼から来てもいいかしら?」
「ええ、それは構わないけれど。でも、せっかく来てくれたのだから、一緒に昼食を食べていかない?既に準備も出来ているし」
わざわざ来てくれたのだ。一度帰って出直すだなんて、なんだか申し訳ない。
「私の家、この近くだから気にしないで。さっきも言ったけれど、私がいたらきっと、ゼルス隊長が不機嫌になるから。それじゃあ、また後でね」
「あっ、待って…」
引き留めようとする私を他所に、笑顔で去っていくルル。そんなに気を使ってくれなくても、いいのだけれどな。
でも、こんな風に同じ年頃の女性と話したのは、いつぶりだろう。両親が生きていた時は、私にも自由な時間があり、村の子たちとも一緒に遊んだりしていたな。でも、両親が亡くなってからは、こんな風に同世代の子たちと話す時間もなかった。
これからは新しく出来た友達、ルルとも楽しい時間が過ごせたら嬉しいな。
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