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第42話:一体何が起こっているのだ?~ゼルス視点~
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ミーティングが終わり、現地に向かう前に腹ごしらえを行う。もちろん、リリアが俺の為に作ってくれた弁当だ。そっと弁当を広げた。
「ゼルス隊長は、手作り弁当ですか?そういえば、家政婦を雇ったそうですね。それも若くて可愛い女性と聞きました」
「俺の隊の隊員に、美味しいお菓子の店を以前聞いたそうですね。その子に買って行ってあげるためだったのですね。それにしても、女嫌いで有名なゼルス隊長の心を掴んだ女性とは、一体どんな子なのだろうな」
「ルーク副隊長の話では、とても美しくて優しくて料理上手な女性と聞いたぞ!ゼルス隊長、いつか会わせてくれよ」
いつの間にか集まって来た隊長たち。
「申し訳ございませんが、彼女を皆さんに会わせるつもりはありません。それよりも、早く食事を済ませて警護に当たりましょう。昼間は基本的にあいつらが動く事はありませんので、聞き込みを中心に行いましょう。昨日見つけたアジトも、もう一度見たいので、俺はこれで失礼いたします」
急いで食事を済ませ、さっさとその場を後にする。せっかくリリアが作ってくれた美味しい弁当を、こいつらのせいで味わう事が出来なかった!
どいつもこいつも、リリアに興味を持ちやがって。絶対にリリアを、騎士団員や隊長たちになんて会わせるものか。そもそも、ルークにだって会わせたくなかったのだ。それなのにあいつは図々しく尾行して来て!
思い出しただけで腹が立つ。
怒りを抱えつつ、昨日見つけたアジトへと向かった。
「皆、ご苦労だな。何か新たな発見はあったか?」
「いえ、特に何も見つかりませんでした。攫われてきた人たちは、身元の特定後、家に帰しているところです。どうやらこの場所は、一時的に使っていた様で、食べ物や飲み物以外は特に見つかっておりません」
「そうか…俺も一通りアジトを見学させてもらうよ」
もしかしたら、隠し部屋の様なものがあるかもしれない。そう思い、入念にアジトの中を見て回ったのだが、特に何も見当たらなかった。
気が付くと日が沈みかけている。そろそろあいつらが動き出すかもしれない。俺も東の街の中心部に向かうか。
でもその前に…
一度家に帰って、リリアの顔を見てから行こう。きっとうまい料理を作って、待っていてくれているはずだ。
リリアの笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ。早くリリアに会いたい、そんな思いで家に向かった。
家の近くまで来ると、いつもの様に家の灯りが目に飛び込んできた。早くリリアに会いたい、自然と俺の歩くスピードも上がる。
だが次の瞬間。
「どうなっているのだ?どうしてドアが壊されているのだ?リリア…リリア!!」
何者かによって、玄関のドアが壊されていたのだ。リリアの名前を呼びながら、急いで家に入った。
「リリア、どこだ!どこにいるのだ!リリア」
家の中は特に荒らされている様子はない。どうやら料理を作っていた様で、台所には、鍋に入った料理が残っている。ただ、家の中には何人もの足跡が付いている。
「クソ!リリア!!」
きっとリリアは、何者かに誘拐されたんだ。でも、どうしてリリアが?
馬にまたがると、猛スピードで走らせた。向った先は、昨日捕まえた主犯格の男の元だ。ちょうど尋問を受けていた様で、ルークたちも一緒にいた。
「おい!お前、リリアをどこに連れて行った!お前の仲間が、リリアを誘拐したのだろう?お前たちは、リリアの存在を知っていたのか?」
「ルーク、急にどうしたんだ!」
「どうもこうもない!今家に帰ったら、リリアがいなくなっていたんだ!どうやらドアを壊されて連れていかれた様だ。きっと俺の家を知っていて、あえてリリアを連れて行ったに違いない!それでリリアはどこにいる?お前の仲間がリリアを連れて行ったのだろう?答えろ!!!」
感情が高ぶり、男の胸ぐらをつかみ、壁にたたきつけた。
「やめろ、ゼルス。気持ちは分かるが、とにかく落ち着け」
落ち着けだと?リリアが連れていかれたのだぞ。落ち着いてなんていられる訳がないだろう。
「やっぱりあの女、お前の恋人だったのだな…少し前に、2人で楽しそうに街を歩いていたものな…そこのお前、そんなに呑気な顔をしていていいのか?お前の婚約者も、今頃その男の恋人と同じように、連れ去られているのではないか?」
ニヤリと笑った男が、恐ろしい事を言ったのだ。
「ゼルス隊長は、手作り弁当ですか?そういえば、家政婦を雇ったそうですね。それも若くて可愛い女性と聞きました」
「俺の隊の隊員に、美味しいお菓子の店を以前聞いたそうですね。その子に買って行ってあげるためだったのですね。それにしても、女嫌いで有名なゼルス隊長の心を掴んだ女性とは、一体どんな子なのだろうな」
「ルーク副隊長の話では、とても美しくて優しくて料理上手な女性と聞いたぞ!ゼルス隊長、いつか会わせてくれよ」
いつの間にか集まって来た隊長たち。
「申し訳ございませんが、彼女を皆さんに会わせるつもりはありません。それよりも、早く食事を済ませて警護に当たりましょう。昼間は基本的にあいつらが動く事はありませんので、聞き込みを中心に行いましょう。昨日見つけたアジトも、もう一度見たいので、俺はこれで失礼いたします」
急いで食事を済ませ、さっさとその場を後にする。せっかくリリアが作ってくれた美味しい弁当を、こいつらのせいで味わう事が出来なかった!
どいつもこいつも、リリアに興味を持ちやがって。絶対にリリアを、騎士団員や隊長たちになんて会わせるものか。そもそも、ルークにだって会わせたくなかったのだ。それなのにあいつは図々しく尾行して来て!
思い出しただけで腹が立つ。
怒りを抱えつつ、昨日見つけたアジトへと向かった。
「皆、ご苦労だな。何か新たな発見はあったか?」
「いえ、特に何も見つかりませんでした。攫われてきた人たちは、身元の特定後、家に帰しているところです。どうやらこの場所は、一時的に使っていた様で、食べ物や飲み物以外は特に見つかっておりません」
「そうか…俺も一通りアジトを見学させてもらうよ」
もしかしたら、隠し部屋の様なものがあるかもしれない。そう思い、入念にアジトの中を見て回ったのだが、特に何も見当たらなかった。
気が付くと日が沈みかけている。そろそろあいつらが動き出すかもしれない。俺も東の街の中心部に向かうか。
でもその前に…
一度家に帰って、リリアの顔を見てから行こう。きっとうまい料理を作って、待っていてくれているはずだ。
リリアの笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ。早くリリアに会いたい、そんな思いで家に向かった。
家の近くまで来ると、いつもの様に家の灯りが目に飛び込んできた。早くリリアに会いたい、自然と俺の歩くスピードも上がる。
だが次の瞬間。
「どうなっているのだ?どうしてドアが壊されているのだ?リリア…リリア!!」
何者かによって、玄関のドアが壊されていたのだ。リリアの名前を呼びながら、急いで家に入った。
「リリア、どこだ!どこにいるのだ!リリア」
家の中は特に荒らされている様子はない。どうやら料理を作っていた様で、台所には、鍋に入った料理が残っている。ただ、家の中には何人もの足跡が付いている。
「クソ!リリア!!」
きっとリリアは、何者かに誘拐されたんだ。でも、どうしてリリアが?
馬にまたがると、猛スピードで走らせた。向った先は、昨日捕まえた主犯格の男の元だ。ちょうど尋問を受けていた様で、ルークたちも一緒にいた。
「おい!お前、リリアをどこに連れて行った!お前の仲間が、リリアを誘拐したのだろう?お前たちは、リリアの存在を知っていたのか?」
「ルーク、急にどうしたんだ!」
「どうもこうもない!今家に帰ったら、リリアがいなくなっていたんだ!どうやらドアを壊されて連れていかれた様だ。きっと俺の家を知っていて、あえてリリアを連れて行ったに違いない!それでリリアはどこにいる?お前の仲間がリリアを連れて行ったのだろう?答えろ!!!」
感情が高ぶり、男の胸ぐらをつかみ、壁にたたきつけた。
「やめろ、ゼルス。気持ちは分かるが、とにかく落ち着け」
落ち着けだと?リリアが連れていかれたのだぞ。落ち着いてなんていられる訳がないだろう。
「やっぱりあの女、お前の恋人だったのだな…少し前に、2人で楽しそうに街を歩いていたものな…そこのお前、そんなに呑気な顔をしていていいのか?お前の婚約者も、今頃その男の恋人と同じように、連れ去られているのではないか?」
ニヤリと笑った男が、恐ろしい事を言ったのだ。
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