42 / 103
第42話:一体何が起こっているのだ?~ゼルス視点~
しおりを挟む
ミーティングが終わり、現地に向かう前に腹ごしらえを行う。もちろん、リリアが俺の為に作ってくれた弁当だ。そっと弁当を広げた。
「ゼルス隊長は、手作り弁当ですか?そういえば、家政婦を雇ったそうですね。それも若くて可愛い女性と聞きました」
「俺の隊の隊員に、美味しいお菓子の店を以前聞いたそうですね。その子に買って行ってあげるためだったのですね。それにしても、女嫌いで有名なゼルス隊長の心を掴んだ女性とは、一体どんな子なのだろうな」
「ルーク副隊長の話では、とても美しくて優しくて料理上手な女性と聞いたぞ!ゼルス隊長、いつか会わせてくれよ」
いつの間にか集まって来た隊長たち。
「申し訳ございませんが、彼女を皆さんに会わせるつもりはありません。それよりも、早く食事を済ませて警護に当たりましょう。昼間は基本的にあいつらが動く事はありませんので、聞き込みを中心に行いましょう。昨日見つけたアジトも、もう一度見たいので、俺はこれで失礼いたします」
急いで食事を済ませ、さっさとその場を後にする。せっかくリリアが作ってくれた美味しい弁当を、こいつらのせいで味わう事が出来なかった!
どいつもこいつも、リリアに興味を持ちやがって。絶対にリリアを、騎士団員や隊長たちになんて会わせるものか。そもそも、ルークにだって会わせたくなかったのだ。それなのにあいつは図々しく尾行して来て!
思い出しただけで腹が立つ。
怒りを抱えつつ、昨日見つけたアジトへと向かった。
「皆、ご苦労だな。何か新たな発見はあったか?」
「いえ、特に何も見つかりませんでした。攫われてきた人たちは、身元の特定後、家に帰しているところです。どうやらこの場所は、一時的に使っていた様で、食べ物や飲み物以外は特に見つかっておりません」
「そうか…俺も一通りアジトを見学させてもらうよ」
もしかしたら、隠し部屋の様なものがあるかもしれない。そう思い、入念にアジトの中を見て回ったのだが、特に何も見当たらなかった。
気が付くと日が沈みかけている。そろそろあいつらが動き出すかもしれない。俺も東の街の中心部に向かうか。
でもその前に…
一度家に帰って、リリアの顔を見てから行こう。きっとうまい料理を作って、待っていてくれているはずだ。
リリアの笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ。早くリリアに会いたい、そんな思いで家に向かった。
家の近くまで来ると、いつもの様に家の灯りが目に飛び込んできた。早くリリアに会いたい、自然と俺の歩くスピードも上がる。
だが次の瞬間。
「どうなっているのだ?どうしてドアが壊されているのだ?リリア…リリア!!」
何者かによって、玄関のドアが壊されていたのだ。リリアの名前を呼びながら、急いで家に入った。
「リリア、どこだ!どこにいるのだ!リリア」
家の中は特に荒らされている様子はない。どうやら料理を作っていた様で、台所には、鍋に入った料理が残っている。ただ、家の中には何人もの足跡が付いている。
「クソ!リリア!!」
きっとリリアは、何者かに誘拐されたんだ。でも、どうしてリリアが?
馬にまたがると、猛スピードで走らせた。向った先は、昨日捕まえた主犯格の男の元だ。ちょうど尋問を受けていた様で、ルークたちも一緒にいた。
「おい!お前、リリアをどこに連れて行った!お前の仲間が、リリアを誘拐したのだろう?お前たちは、リリアの存在を知っていたのか?」
「ルーク、急にどうしたんだ!」
「どうもこうもない!今家に帰ったら、リリアがいなくなっていたんだ!どうやらドアを壊されて連れていかれた様だ。きっと俺の家を知っていて、あえてリリアを連れて行ったに違いない!それでリリアはどこにいる?お前の仲間がリリアを連れて行ったのだろう?答えろ!!!」
感情が高ぶり、男の胸ぐらをつかみ、壁にたたきつけた。
「やめろ、ゼルス。気持ちは分かるが、とにかく落ち着け」
落ち着けだと?リリアが連れていかれたのだぞ。落ち着いてなんていられる訳がないだろう。
「やっぱりあの女、お前の恋人だったのだな…少し前に、2人で楽しそうに街を歩いていたものな…そこのお前、そんなに呑気な顔をしていていいのか?お前の婚約者も、今頃その男の恋人と同じように、連れ去られているのではないか?」
ニヤリと笑った男が、恐ろしい事を言ったのだ。
「ゼルス隊長は、手作り弁当ですか?そういえば、家政婦を雇ったそうですね。それも若くて可愛い女性と聞きました」
「俺の隊の隊員に、美味しいお菓子の店を以前聞いたそうですね。その子に買って行ってあげるためだったのですね。それにしても、女嫌いで有名なゼルス隊長の心を掴んだ女性とは、一体どんな子なのだろうな」
「ルーク副隊長の話では、とても美しくて優しくて料理上手な女性と聞いたぞ!ゼルス隊長、いつか会わせてくれよ」
いつの間にか集まって来た隊長たち。
「申し訳ございませんが、彼女を皆さんに会わせるつもりはありません。それよりも、早く食事を済ませて警護に当たりましょう。昼間は基本的にあいつらが動く事はありませんので、聞き込みを中心に行いましょう。昨日見つけたアジトも、もう一度見たいので、俺はこれで失礼いたします」
急いで食事を済ませ、さっさとその場を後にする。せっかくリリアが作ってくれた美味しい弁当を、こいつらのせいで味わう事が出来なかった!
どいつもこいつも、リリアに興味を持ちやがって。絶対にリリアを、騎士団員や隊長たちになんて会わせるものか。そもそも、ルークにだって会わせたくなかったのだ。それなのにあいつは図々しく尾行して来て!
思い出しただけで腹が立つ。
怒りを抱えつつ、昨日見つけたアジトへと向かった。
「皆、ご苦労だな。何か新たな発見はあったか?」
「いえ、特に何も見つかりませんでした。攫われてきた人たちは、身元の特定後、家に帰しているところです。どうやらこの場所は、一時的に使っていた様で、食べ物や飲み物以外は特に見つかっておりません」
「そうか…俺も一通りアジトを見学させてもらうよ」
もしかしたら、隠し部屋の様なものがあるかもしれない。そう思い、入念にアジトの中を見て回ったのだが、特に何も見当たらなかった。
気が付くと日が沈みかけている。そろそろあいつらが動き出すかもしれない。俺も東の街の中心部に向かうか。
でもその前に…
一度家に帰って、リリアの顔を見てから行こう。きっとうまい料理を作って、待っていてくれているはずだ。
リリアの笑顔を見ると、疲れも吹き飛ぶ。早くリリアに会いたい、そんな思いで家に向かった。
家の近くまで来ると、いつもの様に家の灯りが目に飛び込んできた。早くリリアに会いたい、自然と俺の歩くスピードも上がる。
だが次の瞬間。
「どうなっているのだ?どうしてドアが壊されているのだ?リリア…リリア!!」
何者かによって、玄関のドアが壊されていたのだ。リリアの名前を呼びながら、急いで家に入った。
「リリア、どこだ!どこにいるのだ!リリア」
家の中は特に荒らされている様子はない。どうやら料理を作っていた様で、台所には、鍋に入った料理が残っている。ただ、家の中には何人もの足跡が付いている。
「クソ!リリア!!」
きっとリリアは、何者かに誘拐されたんだ。でも、どうしてリリアが?
馬にまたがると、猛スピードで走らせた。向った先は、昨日捕まえた主犯格の男の元だ。ちょうど尋問を受けていた様で、ルークたちも一緒にいた。
「おい!お前、リリアをどこに連れて行った!お前の仲間が、リリアを誘拐したのだろう?お前たちは、リリアの存在を知っていたのか?」
「ルーク、急にどうしたんだ!」
「どうもこうもない!今家に帰ったら、リリアがいなくなっていたんだ!どうやらドアを壊されて連れていかれた様だ。きっと俺の家を知っていて、あえてリリアを連れて行ったに違いない!それでリリアはどこにいる?お前の仲間がリリアを連れて行ったのだろう?答えろ!!!」
感情が高ぶり、男の胸ぐらをつかみ、壁にたたきつけた。
「やめろ、ゼルス。気持ちは分かるが、とにかく落ち着け」
落ち着けだと?リリアが連れていかれたのだぞ。落ち着いてなんていられる訳がないだろう。
「やっぱりあの女、お前の恋人だったのだな…少し前に、2人で楽しそうに街を歩いていたものな…そこのお前、そんなに呑気な顔をしていていいのか?お前の婚約者も、今頃その男の恋人と同じように、連れ去られているのではないか?」
ニヤリと笑った男が、恐ろしい事を言ったのだ。
719
あなたにおすすめの小説
白い結婚の末、離婚を選んだ公爵夫人は二度と戻らない』
鍛高譚
恋愛
白い結婚の末、「白い結婚」の末、私は冷遇され、夫は愛人を溺愛していた――ならば、もう要らないわ」
公爵令嬢 ジェニファー・ランカスター は、王弟 エドワード・クラレンス公爵 のもとへ政略結婚として嫁ぐ。
だが、その結婚生活は冷たく空虚なものだった。夫は愛人 ローザ・フィッツジェラルド に夢中になり、公爵夫人であるジェニファーは侮辱され、無視され続ける日々。
――それでも、貴族の娘は耐えなければならないの?
何の愛もなく、ただ飾り物として扱われる結婚に見切りをつけたジェニファーは 「離婚」 を決意する。
しかし、王弟であるエドワードとの離婚は容易ではない。実家のランカスター家は猛反対し、王宮の重臣たちも彼女の決断を 「公爵家の恥」 と揶揄する。
それでも、ジェニファーは負けない。弁護士と協力し、着々と準備を進めていく。
そんな折、彼女は北方の大国 ヴォルフ公国の大公、アレクサンダー・ヴォルフ と出会う。
温かく誠実な彼との交流を通じて、ジェニファーは 「本当に大切にされること」 を知る。
そして、彼女の決断は、王都の社交界に大きな波紋を呼ぶこととなる――。
「公爵夫人を手放したことを、いつか後悔しても遅いわ」
「私はもう、あなたたちの飾り人形じゃない」
離婚を巡る策略、愛人の凋落、元夫の後悔――。
そして、新たな地で手にした 「愛される結婚」。
『悪役令嬢は、二度目の人生で無言を貫く。~処刑回避のために黙っていただけなのに、なぜか冷徹宰相様から「君こそ運命の人だ」と溺愛さています~』
放浪人
恋愛
「もう、余計なことは喋りません(処刑されたくないので!)」
王太子の婚約者エリスは、無実の罪を着せられた際、必死に弁解しようと叫び散らした結果「見苦しい」と断罪され、処刑されてしまった。 死に戻った彼女は悟る。「口は災いの元。二度目の人生は、何があっても口を閉ざして生き延びよう」と。
しかし、断罪の場で恐怖のあまり沈黙を貫いた結果、その姿は「弁解せず耐え忍ぶ高潔な令嬢」として称賛されてしまう。 さらに、人間嫌いの冷徹宰相クラウスに「私の静寂を理解する唯一の女性」と盛大な勘違いをされ、求婚されてしまい……!?
「君の沈黙は、愛の肯定だね?」(違います、怖くて固まっているだけです!) 「この国の危機を、一目で見抜くとは」(ただ臭かったから鼻を押さえただけです!)
怯えて黙っているだけの元悪役令嬢と、彼女の沈黙を「深遠な知性」と解釈して溺愛する最強宰相。 転生ヒロインの妨害も、隣国の陰謀も、全て「無言」で解決(?)していく、すれ違いロマンティック・コメディ! 最後はちゃんと言葉で愛を伝えて、最高のハッピーエンドを迎えます。
離婚寸前で人生をやり直したら、冷徹だったはずの夫が私を溺愛し始めています
腐ったバナナ
恋愛
侯爵夫人セシルは、冷徹な夫アークライトとの愛のない契約結婚に疲れ果て、離婚を決意した矢先に孤独な死を迎えた。
「もしやり直せるなら、二度と愛のない人生は選ばない」
そう願って目覚めると、そこは結婚直前の18歳の自分だった!
今世こそ平穏な人生を歩もうとするセシルだったが、なぜか夫の「感情の色」が見えるようになった。
冷徹だと思っていた夫の無表情の下に、深い孤独と不器用で一途な愛が隠されていたことを知る。
彼の愛をすべて誤解していたと気づいたセシルは、今度こそ彼の愛を掴むと決意。積極的に寄り添い、感情をぶつけると――
【完結】愛人の子を育てろと言われた契約結婚の伯爵夫人、幼なじみに溺愛されて成り上がり、夫を追い出します
深山きらら
恋愛
政略結婚でレンフォード伯爵家に嫁いだセシリア。しかし初夜、夫のルパートから「君を愛するつもりはない」と告げられる。さらに義母から残酷な命令が。「愛人ロザリンドの子を、あなたの子として育てなさい」。屈辱に耐える日々の中、偶然再会した幼なじみの商人リオンが、セシリアの才能を信じて事業を支援してくれる。
【完結】捨てたものに用なんかないでしょう?
風見ゆうみ
恋愛
血の繋がらない姉の代わりに嫁がされたリミアリアは、伯爵の爵位を持つ夫とは一度しか顔を合わせたことがない。
戦地に赴いている彼に代わって仕事をし、使用人や領民から信頼を得た頃、夫のエマオが愛人を連れて帰ってきた。
愛人はリミアリアの姉のフラワ。
フラワは昔から妹のリミアリアに嫌がらせをして楽しんでいた。
「俺にはフラワがいる。お前などいらん」
フラワに騙されたエマオは、リミアリアの話など一切聞かず、彼女を捨てフラワとの生活を始める。
捨てられる形となったリミアリアだが、こうなることは予想しており――。
【完結】契約の花嫁だったはずなのに、無口な旦那様が逃がしてくれません
Rohdea
恋愛
──愛されない契約の花嫁だったはずなのに、何かがおかしい。
家の借金返済を肩代わりして貰った代わりに
“お飾りの妻が必要だ”
という謎の要求を受ける事になったロンディネ子爵家の姉妹。
ワガママな妹、シルヴィが泣いて嫌がった為、必然的に自分が嫁ぐ事に決まってしまった姉のミルフィ。
そんなミルフィの嫁ぎ先は、
社交界でも声を聞いた人が殆どいないと言うくらい無口と噂されるロイター侯爵家の嫡男、アドルフォ様。
……お飾りの妻という存在らしいので、愛される事は無い。
更には、用済みになったらポイ捨てされてしまうに違いない!
そんな覚悟で嫁いだのに、
旦那様となったアドルフォ様は確かに無口だったけど───……
一方、ミルフィのものを何でも欲しがる妹のシルヴィは……
婚約破棄されたので、戻らない選択をしました
ふわふわ
恋愛
王太子アルトゥールの婚約者として生きてきた
貴族令嬢ミディア・バイエルン。
だが、偽りの聖女シエナに心を奪われた王太子から、
彼女は一方的に婚約を破棄される。
「戻る場所は、もうありませんわ」
そう告げて向かった先は、
王都から遠く離れたアルツハイム辺境伯領。
権力も、評価も、比較もない土地で、
ミディアは“誰かに選ばれる人生”を静かに手放していく。
指示しない。
介入しない。
評価しない。
それでも、人は動き、街は回り、
日常は確かに続いていく。
一方、王都では――
彼女を失った王太子と王政が、
少しずつ立ち行かなくなっていき……?
派手な復讐も、涙の和解もない。
あるのは、「戻らない」という選択と、
終わらせない日常だけ。
目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです
MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。
しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。
フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。
クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。
ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。
番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。
ご感想ありがとうございます!!
誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。
小説家になろう様に掲載済みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる