全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第55話:食堂のお手伝いは楽しいです

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「ルル、本当に私たちが行ってもいいのかしら?逆にご迷惑にならない?」

「大丈夫よ。実はね、以前話した私を助けてくれたおかみさんの友達が、ここで働いているのよ。とてもいい人だし、何より私たちが手伝ってくれたら嬉しいと言ってくれているわ。だから安心して」

「そうだったのね。ルルったら、顔が広いのね」

「これでもずっと、お店に出ていたから。とはいえ、本当にお友達はリリア1人なのよ。私、なぜか男受けはいいのだけれど、女性には人気がないの」

「まあ、こんなに優しくて素敵なのに?この街の女性たちは、見る目がないのね」

 ルルは本当に優しくていい子だ。昨日だって、ルルがいたから落ち着いて行動できたのだ。ルルには感謝してもしきれない恩がある。

「おばさん、お待たせ。リリアも連れて来たわよ」

「ルルちゃん、よかった。今日は2人休んでいて、どうしようかと思っていたのよ。あなたがリリアさんね。昨日は大変だったのに、手伝わせてごめんなさいね」

 優しそうな女性が、話し掛けてきたのだ。見た感、私たちのお母さん世代の様だ。

「初めまして、リリアと言います。精一杯頑張りますので、よろしくお願いします」

「堅苦しい挨拶はなしにして、早速手伝ってちょうだい」

「はい、もちろんです。それで私は、何をすればよろしいですか?」


「おばさん、私とリリアで1品作ってもいいかしら?」

「ええ、もちろんよ。それじゃあ、メインを2人に作ってもらおうかしら?」

「リリア、せっかくだから今日は、リリアの得意料理、野菜とお肉の煮込み料理を作りましょう。あれなら材料がそろっているし」

「そうね、あの料理はゼルス様も好きだし、出したらきっと喜ぶわね」

 ゼルス様は牛タンのシチューが一番好きだが、野菜とお肉の煮込みも好きなのだ。昨日もろくに寝ていらっしゃらないゼルス様に、私の作ったお料理を食べて欲しい。

 早速ルルと2人で、野菜とお肉を食べやすい大きさに切っていく。騎士団にはたくさんの人が働いている為、ものすごい量を作らないといけないのだ。村にいるときも沢山のお料理を準備していたが、その頃とは比ではない程の量だ。

 大なべを何個分も使って、お料理を作っていく。これは重労働だ。でもこうやって働いているのも悪くわない。やっぱり私は、体を動かすのが好きなのだろう。

「なんとか料理は間に合ったわね。ルルちゃん、リリアちゃん、ホールの方をお願いしてもいいかしら」

「ええ、私は大丈夫よ。ただリリアは、あんなにたくさんのお料理を作ったのは初めてでしょう?さすがに疲れたのではなくって?少し休んでもいいのよ」

「あら、これでも村では1人でお店を切り盛りし、さらに家の事も全部やっていたのよ。これくらい大丈夫よ」

「リリアはたふね。それじゃあ、もうひと頑張りしましょうか」

 煮込み料理を作った後は、ルルと一緒にホールに立つ。

「お腹空いた!おっ、今日もいい匂いがするな…て、なんで美女がいるんだ?おばちゃん、この子達どうしたの?」

「本当だ、めちゃくちゃかわいい子たちがいる!ここはおばちゃんばっかりで、飯を食うというくらいしか魅力がないところだったのに」

「あんたたち!なんて失礼な事を言ってくれるの?これでも私達だって、若い頃は男を虜にしていたのよ。というのは冗談よ。今日は2人がお手伝いに来てくれたのよ。2人とも働き者で、本当に助かっているわ」

 そう言って笑ったおばさんたち。働き者だなんて、こんな風に褒められるとなんだか嬉しい。

「そうなんだ。それにしても2人とも綺麗だな…お嬢さんたち、俺たちに本日のランチ大盛をお願いします」

「はい、すぐに準備しますので、お席でお待ちください」

「俺たちにもランチを3つ、大もりで」

「はい、すぐに」

 一気に騎士様たちが入って来たのだ。これは大忙しだ。ただ、どうやらメニューは決まっている様で、皆同じものを大盛で注文している。

 一気に慌ただしくなる食堂。とにかく笑顔でお料理を届けたい、そんな思いで

「お待たせいたしました、ランチ大盛です。たくさん食べて下さいね」

 笑顔でお料理を運んでいく。すると皆嬉しそうにお礼を言ってくれるのだ。そして私に色々な話を聞かせてくれる。騎士団の事やゼルス様の事。

 どうやらゼルス様は、とても怖いらしい。

「それで君、名前はなんていうのだい?」

「はい、リリアと申します。どうぞよろしくお願いします」

「ん?リリア?どこかで聞いたことがある様な…」
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