全てを失ったと思ったのですが…騎士団の隊長に拾われ溺愛されました

Karamimi

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第56話:皆いい人たちです

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「あれ?あなたはゼルス隊長の恋人のリリアさんじゃないですか?隣にいるのは、ルーク副隊長の婚約者のルルさんだ!どうしてこんなところに?」

「何だって!彼女たちが噂のリリアさんとルルさんだと…」

「いつも何を考えているか分からないような隊長が取り乱すほど、大切にしているというリリアさんだと!確かに隊長が惚れるのも無理はないな。こんな綺麗な女性、初めて見たよ」

「どうしよう…俺さっき、リリアさんに隊長の事を悪く言ってしまった…リリアさん、あの…俺はその、隊長の事が嫌いなのではなく…」

 さっき色々な話をしてくれた騎士様が、真っ青な顔をしている。

「大丈夫ですか?顔色が悪いですよ」

「こいつ、リリアさんに隊長の悪口を言った事を気にしているのですよ。本当に肝っ玉が小さい男だ」

 周りの男性たちが、ガハガハと笑っている。

「よくわからないのですが、ゼルス様の悪口?を聞いた記憶はないのですが?ゼルス様は厳しいけれど部下思いのお優しい方なのですよね。そう教えていただきましたわ」

 ゼルス様は部下たちにも好かれているのだろう。私にはそう感じたのだが…

「ありがとう、リリアさん。君は美しいだけでなく、心も綺麗なのだね。なんだか元気が出て来たよ」

 よくわからないが、男性が元気になってよかった。

「お元気になられてよかったですわ。すぐにお料理をお持ちいたしますので、沢山食べて下さいね」

 やって来た騎士様たちに、次々とお料理を運んでいく。

「今日のメイン料理、めちゃくちゃ美味いな。なんだか力がみなぎって来る」

「本当だ、リリアちゃんとルルちゃんが運んできてくれたからかな?特に美味いよ」

「その料理は、ルルちゃんとリリアちゃんが作ってくれたんだよ。若いのに料理も出来て働き者で、本当に助かっているよ」

「なんだって?この美人2人が作っただと?これはたくさん食べておかないと。お替りを」

「俺もお替り下さい」

「俺たちも」

 次々とお替りを申し出てくれる騎士様たち。私たちが作ったお料理を、沢山の人が喜んで食べてくれる。それが嬉しくてたまらない。

「リリア、よかったわね。私達の料理、皆からも好評みたいよ」

「ルルが食堂で働く事を提案してくれたから、皆が喜んでくれたのよ。こんな風に皆が喜んでくれるだなんて、嬉しいわ。これで少しは恩返しできたかしら?」

「もちろん恩返しできたと思うわ。でも、まだまだね。もっともっと騎士団の方たちに、美味しい料理を提供しましょう」

「ええ、そうね」

 その後も次々と料理を運んでいく。ゼルス様は騎士様たちの事を凶暴で危険だと言っていらしたが、皆優しくて素敵な人ばかりだ。

「あれ?君たちがどうしてここにいるのだい?」

「隊長様たち!こんにちは。せっかく騎士団でお世話になるなら、私もリリアも何かお手つだいがしたくて。それで食堂でお手伝いをしているのです」

「そうだったのですね。ですが、よくゼルス隊長とルーク副隊長が許しましたね。特にゼルス隊長は、リリアさんを俺たちに会わせる事はもちろん、部屋から出すことも嫌がっておりましたので」

 苦笑いの隊長たち。その時だった。

「リリア!」

「ルル!」

 この声は…

「ゼルス様」

「ルーク!」

 ゼルス様とルーク様が、食堂にやって来たのだ。何やら息が切れている様な気がするが…

「リリア、どういうことだい?部屋から出てはいけないと、あれほど言っただろう?俺との約束を破ってこんなところに来るだなんて!もしかして、この女にそそのかされたのかい?」

「おい、ゼルス、ルルにその様な言いがかりをつけるのはやめてくれ。それよりもルル、どうして僕に内緒で部屋から出たのだい?確かにリリアちゃんに会いに行ってもいいとは言ったが、こんなところで働いてもいいとは言っていなよ」

 ゼルス様もルーク様も怒っている様だ。どうしよう、約束を破ってここで働いたから怒っているのだわ。
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