59 / 103
第59話:これは夢でしょうか?
しおりを挟む
「リリア、初めて会ったあの日から俺は、リリアに特別な感情を抱いていた。リリアと過ごすうちに、その気持ちはどんどん大きくなっていった。いつしか俺は、リリアを愛する様になってしまったんだ。リリアが誘拐されたあの日、生きた心地がしなかった。
このままリリアを失ったら…そう思うと目の前が真っ暗になった。もう二度とリリアを失いたくない。もしリリアが無事俺の元に帰って来てくれたら、俺の気持ちを素直に伝えようと思っていたのだよ。
俺はリリアを、1人の女性として愛していると」
「私を愛している?ゼルス様が?」
ゼルス様の突然の告白に、全く思考が付いていかない。こんなに魅力的なゼルス様が、何のとりえもない、何も持っていない田舎の娘の私を愛しているですって?これは夢なのかしら?
私の願望が夢になって、現れている?
「急にこんな事を言われても、迷惑だよな。リリアが俺の事を、主として慕ってくれているのは分かっている。行く当てのない君を助けたことに、恩を感じている事も。主と使用人という立場で、この様な事を言うのは卑怯だという事も分かっている。
それでも俺は、どうしてもリリアに気持ちを伝えたかった。というよりも、これ以上自分の気持ちを隠してリリアと生活をする事は無理だと思ったんだ。俺は自分が思っている以上に嫉妬深いし、何よりもリリアが愛おしくてたまらない。
リリア、今すぐ俺の恋人になれとは言わない。ただ、少しでも希望があるのなら、どうか俺の事を男として見て欲しい。主ではなく、1人の男として」
必死にゼルス様が訴えかけてくる。本当にゼルス様は、私の事を愛していらっしゃるというの?こんな私を?
「そんな悲しそうな顔をしないでくれ。俺はリリアの笑顔が好きなんだ…でも、そんな顔をさせたのは俺だよな…やっぱり俺を受れいれる事は出来ないか。辛いが…致し方ない。リリアが俺とはもう暮せないというのなら、リリアには別に家を準備しよう。当面は困らない様に、金も渡す。働き口も…」
「待って下さい、ゼルス様。落ち着いて下さい!いえ、落ち着かないおいけないのは、私ですね。あの、本当に私の事を愛していらっしゃるのですか?」
「ああ、愛している。そもそも俺は、女が嫌いなんだ。誰が好き好んで興味のない女性を、家に置いたりするものか。俺はリリアだから、家に連れて来たのだよ。まあ、一目ぼれと言うやつかな…まさか俺が女性に一目ぼれをするだなんて思わなかったよ。
きっとリリアを逃したら、もう二度と俺は愛おしいと思える相手には巡り合えないだろう。とはいえ、俺は元々一生1人で生きていく予定でいたから、俺の気持ちに応えられなくても申し訳なく思う必要はない。だからリリアの気持ちを聞かせてほしい」
私の気持ち、そんなものは既に決まっている。
「私もゼルス様を、お慕いしておりますわ。こんな私にも優しくしてくださり、いつも寄り添って下さるゼルス様の傍に、少しでも長くいられたら。そうずっと願っておりました」
「それは本当か?だが、どうして少しでも長くいられたらなのだ?ずっと俺の傍にいればいいだろう?」
「それは…ゼルス様がまさか私に好意を抱いて下さっているだなんて、夢にも思っていなかなかったからです。いつか素敵な女性と結婚されるものとばかり。ですからそれまでは、ゼルス様のお世話をしたいと考えておりました。だから、まだ頭が混乱していて…本当に私なんかを、ゼルス様が…」
「リリアはいつもそうやって“私なんか”というけれど、リリアは誰よりも魅力的な女性だよ。現に騎士団内でも、恐ろしいほど人気が高い。美しさはもちろん、謙虚で優しくて働き者で。きっと君以上に魅力的な女性など、この世に存在しないだろう。だからこそ俺は、これ以上騎士団に置いておきたくはなかったんだ。あそこは男どもが沢山いるかなら。
もしリリアが他の男に好意を抱いたら。そう考えると、気が気ではなくて…」
「それでは騎士団を1日で出たのは…」
「恥ずかしいが、俺の醜い嫉妬心からだ…ホテルならさすがに、出歩いたりしないだろうと思って」
まさかゼルス様がそんな風に思って下さっていただなんて。
「やはり嫉妬する男は見苦しいよな…だが、リリアの事になると、どうしても自分の感情を抑えられないのだよ。こんな事、生まれて初めてで、自分でもどうしていいか分からなくて」
下を向くゼルス様の手を、そっと握った。大きくて温かい手。この手で、いつもこの街の、そして私を守ってくれている優しい手。
「ゼルス様、どうか感情を抑えないで下さい。私はどんなゼルス様でも、大好きですわ。すぐに気持ちを伝えられなくて、申し訳ございません。どうしても信じられなくて。あの、もう一度確認しますが、本当に私に好意を持ってくださっていらっしゃるのですか?」
「ああ、もちろんだよ。俺は誰よりもリリアを愛している。だからこれからも、ずっと傍にいて欲しい」
いつもの優しい眼差しで、ゼルス様が私を見つめた。
このままリリアを失ったら…そう思うと目の前が真っ暗になった。もう二度とリリアを失いたくない。もしリリアが無事俺の元に帰って来てくれたら、俺の気持ちを素直に伝えようと思っていたのだよ。
俺はリリアを、1人の女性として愛していると」
「私を愛している?ゼルス様が?」
ゼルス様の突然の告白に、全く思考が付いていかない。こんなに魅力的なゼルス様が、何のとりえもない、何も持っていない田舎の娘の私を愛しているですって?これは夢なのかしら?
私の願望が夢になって、現れている?
「急にこんな事を言われても、迷惑だよな。リリアが俺の事を、主として慕ってくれているのは分かっている。行く当てのない君を助けたことに、恩を感じている事も。主と使用人という立場で、この様な事を言うのは卑怯だという事も分かっている。
それでも俺は、どうしてもリリアに気持ちを伝えたかった。というよりも、これ以上自分の気持ちを隠してリリアと生活をする事は無理だと思ったんだ。俺は自分が思っている以上に嫉妬深いし、何よりもリリアが愛おしくてたまらない。
リリア、今すぐ俺の恋人になれとは言わない。ただ、少しでも希望があるのなら、どうか俺の事を男として見て欲しい。主ではなく、1人の男として」
必死にゼルス様が訴えかけてくる。本当にゼルス様は、私の事を愛していらっしゃるというの?こんな私を?
「そんな悲しそうな顔をしないでくれ。俺はリリアの笑顔が好きなんだ…でも、そんな顔をさせたのは俺だよな…やっぱり俺を受れいれる事は出来ないか。辛いが…致し方ない。リリアが俺とはもう暮せないというのなら、リリアには別に家を準備しよう。当面は困らない様に、金も渡す。働き口も…」
「待って下さい、ゼルス様。落ち着いて下さい!いえ、落ち着かないおいけないのは、私ですね。あの、本当に私の事を愛していらっしゃるのですか?」
「ああ、愛している。そもそも俺は、女が嫌いなんだ。誰が好き好んで興味のない女性を、家に置いたりするものか。俺はリリアだから、家に連れて来たのだよ。まあ、一目ぼれと言うやつかな…まさか俺が女性に一目ぼれをするだなんて思わなかったよ。
きっとリリアを逃したら、もう二度と俺は愛おしいと思える相手には巡り合えないだろう。とはいえ、俺は元々一生1人で生きていく予定でいたから、俺の気持ちに応えられなくても申し訳なく思う必要はない。だからリリアの気持ちを聞かせてほしい」
私の気持ち、そんなものは既に決まっている。
「私もゼルス様を、お慕いしておりますわ。こんな私にも優しくしてくださり、いつも寄り添って下さるゼルス様の傍に、少しでも長くいられたら。そうずっと願っておりました」
「それは本当か?だが、どうして少しでも長くいられたらなのだ?ずっと俺の傍にいればいいだろう?」
「それは…ゼルス様がまさか私に好意を抱いて下さっているだなんて、夢にも思っていなかなかったからです。いつか素敵な女性と結婚されるものとばかり。ですからそれまでは、ゼルス様のお世話をしたいと考えておりました。だから、まだ頭が混乱していて…本当に私なんかを、ゼルス様が…」
「リリアはいつもそうやって“私なんか”というけれど、リリアは誰よりも魅力的な女性だよ。現に騎士団内でも、恐ろしいほど人気が高い。美しさはもちろん、謙虚で優しくて働き者で。きっと君以上に魅力的な女性など、この世に存在しないだろう。だからこそ俺は、これ以上騎士団に置いておきたくはなかったんだ。あそこは男どもが沢山いるかなら。
もしリリアが他の男に好意を抱いたら。そう考えると、気が気ではなくて…」
「それでは騎士団を1日で出たのは…」
「恥ずかしいが、俺の醜い嫉妬心からだ…ホテルならさすがに、出歩いたりしないだろうと思って」
まさかゼルス様がそんな風に思って下さっていただなんて。
「やはり嫉妬する男は見苦しいよな…だが、リリアの事になると、どうしても自分の感情を抑えられないのだよ。こんな事、生まれて初めてで、自分でもどうしていいか分からなくて」
下を向くゼルス様の手を、そっと握った。大きくて温かい手。この手で、いつもこの街の、そして私を守ってくれている優しい手。
「ゼルス様、どうか感情を抑えないで下さい。私はどんなゼルス様でも、大好きですわ。すぐに気持ちを伝えられなくて、申し訳ございません。どうしても信じられなくて。あの、もう一度確認しますが、本当に私に好意を持ってくださっていらっしゃるのですか?」
「ああ、もちろんだよ。俺は誰よりもリリアを愛している。だからこれからも、ずっと傍にいて欲しい」
いつもの優しい眼差しで、ゼルス様が私を見つめた。
808
あなたにおすすめの小説
英雄の可愛い幼馴染は、彼の真っ黒な本性を知らない
百門一新
恋愛
男の子の恰好で走り回る元気な平民の少女、ティーゼには、見目麗しい完璧な幼馴染がいる。彼は幼少の頃、ティーゼが女の子だと知らず、怪我をしてしまった事で責任を感じている優しすぎる少し年上の幼馴染だ――と、ティーゼ自身はずっと思っていた。
幼馴染が半魔族の王を倒して、英雄として戻って来た。彼が旅に出て戻って来た目的も知らぬまま、ティーゼは心配症な幼馴染離れをしようと考えていたのだが、……ついでとばかりに引き受けた仕事の先で、彼女は、恋に悩む優しい魔王と、ちっとも優しくないその宰相に巻き込まれました。
※「小説家になろう」「ベリーズカフェ」「ノベマ!」「カクヨム」にも掲載しています。
余命六年の幼妻の願い~旦那様は私に興味が無い様なので自由気ままに過ごさせて頂きます。~
流雲青人
恋愛
商人と商品。そんな関係の伯爵家に生まれたアンジェは、十二歳の誕生日を迎えた日に医師から余命六年を言い渡された。
しかし、既に公爵家へと嫁ぐことが決まっていたアンジェは、公爵へは病気の存在を明かさずに嫁ぐ事を余儀なくされる。
けれど、幼いアンジェに公爵が興味を抱く訳もなく…余命だけが過ぎる毎日を過ごしていく。
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
婚約者は冷酷宰相様。地味令嬢の私が政略結婚で嫁いだら、なぜか激甘溺愛が待っていました
春夜夢
恋愛
私はずっと「誰にも注目されない地味令嬢」だった。
名門とはいえ没落しかけの伯爵家の次女。
姉は美貌と才覚に恵まれ、私はただの飾り物のような存在。
――そんな私に突然、王宮から「婚約命令」が下った。
相手は、王の右腕にして恐れられる冷酷宰相・ルシアス=ディエンツ公爵。
40を目前にしながら独身を貫き、感情を一切表に出さない男。
(……なぜ私が?)
けれど、その婚約は国を揺るがす「ある計画」の始まりだった。
【完結】想い人がいるはずの王太子殿下に求婚されまして ~不憫な王子と勘違い令嬢が幸せになるまで~
Rohdea
恋愛
──私は、私ではない“想い人”がいるはずの王太子殿下に求婚されました。
昔からどうにもこうにも男運の悪い侯爵令嬢のアンジェリカ。
縁談が流れた事は一度や二度では無い。
そんなアンジェリカ、実はずっとこの国の王太子殿下に片想いをしていた。
しかし、殿下の婚約の噂が流れ始めた事であっけなく失恋し、他国への留学を決意する。
しかし、留学期間を終えて帰国してみれば、当の王子様は未だに婚約者がいないという。
帰国後の再会により再び溢れそうになる恋心。
けれど、殿下にはとても大事に思っている“天使”がいるらしい。
更に追い打ちをかけるように、殿下と他国の王女との政略結婚の噂まで世間に流れ始める。
今度こそ諦めよう……そう決めたのに……
「私の天使は君だったらしい」
想い人の“天使”がいるくせに。婚約予定の王女様がいるくせに。
王太子殿下は何故かアンジェリカに求婚して来て───
★★★
『美人な姉と間違って求婚されまして ~望まれない花嫁が愛されて幸せになるまで~』
に、出て来た不憫な王太子殿下の話になります!
(リクエストくれた方、ありがとうございました)
未読の方は一読された方が、殿下の不憫さがより伝わるような気がしています……
【完結】戸籍ごと売られた無能令嬢ですが、子供になった冷徹魔導師の契約妻になりました
水都 ミナト
恋愛
最高峰の魔法の研究施設である魔塔。
そこでは、生活に不可欠な魔導具の生産や開発を行われている。
最愛の父と母を失い、継母に生家を乗っ取られ居場所を失ったシルファは、ついには戸籍ごと魔塔に売り飛ばされてしまった。
そんなシルファが配属されたのは、魔導具の『メンテナンス部』であった。
上層階ほど尊ばれ、難解な技術を必要とする部署が配置される魔塔において、メンテナンス部は最底辺の地下に位置している。
貴族の生まれながらも、魔法を発動することができないシルファは、唯一の取り柄である周囲の魔力を吸収して体内で中和する力を活かし、日々魔導具のメンテナンスに従事していた。
実家の後ろ盾を無くし、一人で粛々と生きていくと誓っていたシルファであったが、
上司に愛人になれと言い寄られて困り果てていたところ、突然魔塔の最高責任者ルーカスに呼びつけられる。
そこで知ったルーカスの秘密。
彼はとある事件で自分自身を守るために退行魔法で少年の姿になっていたのだ。
元の姿に戻るためには、シルファの力が必要だという。
戸惑うシルファに提案されたのは、互いの利のために結ぶ契約結婚であった。
シルファはルーカスに協力するため、そして自らの利のためにその提案に頷いた。
所詮はお飾りの妻。役目を果たすまでの仮の妻。
そう覚悟を決めようとしていたシルファに、ルーカスは「俺は、この先誰でもない、君だけを大切にすると誓う」と言う。
心が追いつかないまま始まったルーカスとの生活は温かく幸せに満ちていて、シルファは少しずつ失ったものを取り戻していく。
けれど、継母や上司の男の手が忍び寄り、シルファがようやく見つけた居場所が脅かされることになる。
シルファは自分の居場所を守り抜き、ルーカスの退行魔法を解除することができるのか――
※他サイトでも公開しています
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる