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第72話:ふざけるな!~ゼルス視点~
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薄暗くなり始めた頃、家が見えてきた。いつも通り灯りが付いている。そういえば今日は、考え事をし過ぎてリリアの様子を見る事が出来かなった。
あの事件が起こった当初は、30分に1回はリリアの様子を確認しないと気がすまなかったが、父親とあの女のせいで、最近はリリアの様子を見る時間の余裕すらなくなっていた。
まあ、護衛も付けているし、部屋には監視用に映像が録画できる器具もあちこちについている。それに何よりもリリアには、通信機のほかに、緊急用のブローチも付けさせているから、大丈夫だろう。
「リリア、ただいま」
いつもの様に家に入ったのだが、何かがおかしい。この違和感は一体。
「おかえりなさい、ゼルス」
「どうして貴様が、俺の家にいるのだ?リリアは?」
俺の目の前に現れたのは、クレシレス王国の伯爵令嬢だ。なぜこの女が、俺の家に上がり込んでいるのだ?まさかリリアが、この女を入れたのか?
「リリアさんなら、出て行ってもらったわ。でも大丈夫よ、彼女は愛する幼馴染の元に送り届けたから。それにしても、小さな家ね。こんな貧乏くさい家で生活をしているだなんて、ご両親が知ったら嘆き悲しむわよ」
「うるさい!貴様、俺の家に勝手に入るだなんて。不法侵入で訴えてやる!それよりもリリアを幼馴染の元に届けたとは、一体どういうことだ!答えろ!」
「痛い!止めて!」
「うるさい!答えろ」
女の胸ぐらをつかみ、激しく迫る!俺はこれでも騎士団員だ、いくらゴミの様な女でも、手を出してはいけない事くらい分かっている。だが、この女だけは絶対に許さない!それでも殴ったりはしないが。
「お止めください!ゼルス様」
「うるさい!貴様らも同罪だ。とにかく俺の家から出て行け!お前たち、絶対に許さないからな!」
あの女の護衛たちが俺を止めようとやって来るが、こいつらごときに俺を止められる訳がない。その場でまとめてなぎ倒してやった。
「さすが私のゼルスね。私、強い男が好きなの。どのみちもう、リリアさんには会えないわ。あなたとリリアさんでは、すむ世界が違うのだから」
「うるさい!少なくとも俺は、お前なんかとは絶対に結婚しない!俺は貴族という肩書も身分も、大嫌いなんだ!もう出て行け!このまま出ていかないなら、俺は何をしでかすか分からないぞ」
ギロリと女を睨みつけた。
「レティ様、ここは一旦引き下がった方が…」
「うるさいわね。護衛の分際で、私に指図するだなんて。ゼルス、私はあなたの怒った顔も好きよ。どのみち私たちは結婚する運命なの。それが元貴族として生まれたあなたの宿命なのだから。それじゃあ、また来るわね」
「もう二度と来るな!」
笑顔で去っていく女。なんて憎たらしい女なんだ!
怒りで気が狂いそうになる。
それよりもリリアだ。あの女、リリアを誘拐するだなんて、絶対に許さない!リリアに付けた護衛は一体何をしていたのだ?どいつもこいつも役に立たない奴らだな!とにかくリリアを迎えに行かないと。
通信機は残念ながら我が家を指していた。でも、まだブローチがある。ブローチを確認すると、なぜか俺の実家を指していた。まさかリリアは、実家に監禁されているのか?
あの性悪両親と性悪女の事だ、リリアにどんな酷い事をしているか…考えただけで、血の気が引いた。
「リリア…リリア!」
家の裏で飼っている馬にまたがる。草むらから縛られ気絶している護衛たちの姿が目に入ったが、今はリリアを助け出すことが先だ。それにしても、あの程度の奴らにやられるだなんて、情けない…
馬を猛スピードで飛ばし、実家にやって来た。
「リリア!無事か?」
ドアをバンと開けると、ありったけの声で叫んだ。
「ゼルス、どうしたんだ?」
「ゼルス、私に会いに来てくれたの?」
何を思ったのか、あの女が俺に近づいてきたのだ。そんな女を振り払った。
「おい、リリアをどこにやった!この家にいる事は分かっているんだ。まさか地下牢に」
すぐに地下牢に向かおうとしたのだが
あの事件が起こった当初は、30分に1回はリリアの様子を確認しないと気がすまなかったが、父親とあの女のせいで、最近はリリアの様子を見る時間の余裕すらなくなっていた。
まあ、護衛も付けているし、部屋には監視用に映像が録画できる器具もあちこちについている。それに何よりもリリアには、通信機のほかに、緊急用のブローチも付けさせているから、大丈夫だろう。
「リリア、ただいま」
いつもの様に家に入ったのだが、何かがおかしい。この違和感は一体。
「おかえりなさい、ゼルス」
「どうして貴様が、俺の家にいるのだ?リリアは?」
俺の目の前に現れたのは、クレシレス王国の伯爵令嬢だ。なぜこの女が、俺の家に上がり込んでいるのだ?まさかリリアが、この女を入れたのか?
「リリアさんなら、出て行ってもらったわ。でも大丈夫よ、彼女は愛する幼馴染の元に送り届けたから。それにしても、小さな家ね。こんな貧乏くさい家で生活をしているだなんて、ご両親が知ったら嘆き悲しむわよ」
「うるさい!貴様、俺の家に勝手に入るだなんて。不法侵入で訴えてやる!それよりもリリアを幼馴染の元に届けたとは、一体どういうことだ!答えろ!」
「痛い!止めて!」
「うるさい!答えろ」
女の胸ぐらをつかみ、激しく迫る!俺はこれでも騎士団員だ、いくらゴミの様な女でも、手を出してはいけない事くらい分かっている。だが、この女だけは絶対に許さない!それでも殴ったりはしないが。
「お止めください!ゼルス様」
「うるさい!貴様らも同罪だ。とにかく俺の家から出て行け!お前たち、絶対に許さないからな!」
あの女の護衛たちが俺を止めようとやって来るが、こいつらごときに俺を止められる訳がない。その場でまとめてなぎ倒してやった。
「さすが私のゼルスね。私、強い男が好きなの。どのみちもう、リリアさんには会えないわ。あなたとリリアさんでは、すむ世界が違うのだから」
「うるさい!少なくとも俺は、お前なんかとは絶対に結婚しない!俺は貴族という肩書も身分も、大嫌いなんだ!もう出て行け!このまま出ていかないなら、俺は何をしでかすか分からないぞ」
ギロリと女を睨みつけた。
「レティ様、ここは一旦引き下がった方が…」
「うるさいわね。護衛の分際で、私に指図するだなんて。ゼルス、私はあなたの怒った顔も好きよ。どのみち私たちは結婚する運命なの。それが元貴族として生まれたあなたの宿命なのだから。それじゃあ、また来るわね」
「もう二度と来るな!」
笑顔で去っていく女。なんて憎たらしい女なんだ!
怒りで気が狂いそうになる。
それよりもリリアだ。あの女、リリアを誘拐するだなんて、絶対に許さない!リリアに付けた護衛は一体何をしていたのだ?どいつもこいつも役に立たない奴らだな!とにかくリリアを迎えに行かないと。
通信機は残念ながら我が家を指していた。でも、まだブローチがある。ブローチを確認すると、なぜか俺の実家を指していた。まさかリリアは、実家に監禁されているのか?
あの性悪両親と性悪女の事だ、リリアにどんな酷い事をしているか…考えただけで、血の気が引いた。
「リリア…リリア!」
家の裏で飼っている馬にまたがる。草むらから縛られ気絶している護衛たちの姿が目に入ったが、今はリリアを助け出すことが先だ。それにしても、あの程度の奴らにやられるだなんて、情けない…
馬を猛スピードで飛ばし、実家にやって来た。
「リリア!無事か?」
ドアをバンと開けると、ありったけの声で叫んだ。
「ゼルス、どうしたんだ?」
「ゼルス、私に会いに来てくれたの?」
何を思ったのか、あの女が俺に近づいてきたのだ。そんな女を振り払った。
「おい、リリアをどこにやった!この家にいる事は分かっているんだ。まさか地下牢に」
すぐに地下牢に向かおうとしたのだが
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