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第71話:頭が痛い~ゼルス視点~
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「はぁ~」
「ゼルス、今日何回目のため息だ。気持ちは分かるが、目障りだからやめてくれ」
隣で苦笑いをしているのはルークだ。こいつはいいよな、もうすぐ好きな女と結婚できるのだから。
リリアと思いが通じ合ってから、1ヶ月が過ぎた。本来なら幸せでたまらない時期だ。早々に婚約の手続きをしようと思っていたのだが、まさかこんな事になるだなんて…
2週間前、俺は久しぶりに両親の元を訪ねた。両親にリリアとの結婚の許可をもらうためだ。
俺は非常に迷惑な事に、20年前まで貴族だったのだ。貴族には面倒なしきたりが多い。貴族制度が廃止された今でも、なぜか制度だけは残っている。この国はどれほど矛盾しているのだ。
今法律を変えようと政治家の一部が動いているが、身分制度が無くなっても、国を動かす政治家の多くは、貴族出身者。自分たちの特権を手放したくなくて、法律を変えようとしない。
そんな奴らのせいで、俺とリリアが結婚するためには、あの頑固で古い考えの両親をなんとかしないといけないのだ。
そんな思いで両輪の元に出向いたのだが、リリアとの結婚を認めるどころか、なぜか隣国、クレシレス王国の伯爵令嬢と結婚しろだなんて、ふざけたことを言い出したのだ。
どうやらクレシレス王国の伯爵家と家が貿易をしており、より関係を強固なものにするために、俺の元に伯爵令嬢を嫁がせるという話になっている様だ。
俺のいないところで、勝手な事をしやがって!もちろん全力で拒否した。ちょうど我が国に来ていたその女にも、もちろん俺の気持ちを伝えた。特に女に至っては、近づかれるだけで寒気がし、虫唾が走る。
たとえリリアがいなくても、あんな女と結婚したところで、俺があの女に触れる事など100%ない。
そんな俺の気持ちを理解できない愚か者の女は、騎士団にまで押しかけてくる始末。
「私の何が気に入らないの?家はお金持ちだし、伯爵家という後ろ盾もある。それに何より、私は誰よりも美しいし。まあ、ゼルスも美しいものね。私と釣り合う相手は、あなたくらいよ。私に選ばれた事、光栄に思うといいわ」
そんなふざけた事を言っていたのだ。こいつは頭がおかしいのか?俺はこの女の様な人間が、一番嫌いなんだ。自分では何もできないくせに、権力ばかり振りかざす人間が。
まさに家の親の様な人間。
再びため息が出る。
「ゼルス、別にリリアちゃんと籍を入れなくてもいいのではないのかい?事実婚でも問題ないだろう。そもそも、両親は別の人間と結婚をしろと言っているのだろう。そんな相手を説得するだなんて、無理だろう」
事実婚。確かに出来なくもない。だが、きちんと籍を入れないと、俺にもしもの事があった時、法的にリリアを守れない。それに子供が出来ても、戸籍上俺の子供とは認められないのだ。
俺はしっかりとリリアと籍を入れ、将来生まれてくるかもしれない子供への責任を果たしたい。
だが…
一体どうすればいいのだろう。いっその事、国を出るか?だが、やっと落ち着いて来たこの街を、騎士団を捨てて国を出るだなんて。そんな無責任な事、俺には出来ない。
とにかく、何か策はあるはずだ。
「ゼルス、そろそろ帰る時間だろう?そういえば今日、ルルが君の家に行って、僕たちの似顔絵を受け取りに行くと言っていたよ。リリアちゃん、本当に絵が上手いね。僕、こんな綺麗な絵、初めて見たよ」
隊長室に飾られているリリアの絵を見て、キースが呟く。確かにリリアは絵が上手い。実際にリリアの絵を買い取りたいという人物まで現れるほどに。だが、当の本人は趣味で描いているだけだからと、売るつもりはない様だ。
それでも友人のキースとその婚約者の為に、似顔絵を描いたリリア。俺も昨日出来栄えを見せてもらったが、ものすごく上手かった。ただ、ちょっとキースが男前に描かれ過ぎていた事だけが気になったが。
「リリアはお前の婚約者を気に入っているからな。それじゃあお疲れ様」
「ああ、お疲れ様」
あの事件以降、東の地区も随分と落ち着いて来た。それは有難いのだが…
はぁ~
やっぱりため息が出る。今日は早く帰ってリリアに癒されよう。そう思い、家を目指したのだった。
「ゼルス、今日何回目のため息だ。気持ちは分かるが、目障りだからやめてくれ」
隣で苦笑いをしているのはルークだ。こいつはいいよな、もうすぐ好きな女と結婚できるのだから。
リリアと思いが通じ合ってから、1ヶ月が過ぎた。本来なら幸せでたまらない時期だ。早々に婚約の手続きをしようと思っていたのだが、まさかこんな事になるだなんて…
2週間前、俺は久しぶりに両親の元を訪ねた。両親にリリアとの結婚の許可をもらうためだ。
俺は非常に迷惑な事に、20年前まで貴族だったのだ。貴族には面倒なしきたりが多い。貴族制度が廃止された今でも、なぜか制度だけは残っている。この国はどれほど矛盾しているのだ。
今法律を変えようと政治家の一部が動いているが、身分制度が無くなっても、国を動かす政治家の多くは、貴族出身者。自分たちの特権を手放したくなくて、法律を変えようとしない。
そんな奴らのせいで、俺とリリアが結婚するためには、あの頑固で古い考えの両親をなんとかしないといけないのだ。
そんな思いで両輪の元に出向いたのだが、リリアとの結婚を認めるどころか、なぜか隣国、クレシレス王国の伯爵令嬢と結婚しろだなんて、ふざけたことを言い出したのだ。
どうやらクレシレス王国の伯爵家と家が貿易をしており、より関係を強固なものにするために、俺の元に伯爵令嬢を嫁がせるという話になっている様だ。
俺のいないところで、勝手な事をしやがって!もちろん全力で拒否した。ちょうど我が国に来ていたその女にも、もちろん俺の気持ちを伝えた。特に女に至っては、近づかれるだけで寒気がし、虫唾が走る。
たとえリリアがいなくても、あんな女と結婚したところで、俺があの女に触れる事など100%ない。
そんな俺の気持ちを理解できない愚か者の女は、騎士団にまで押しかけてくる始末。
「私の何が気に入らないの?家はお金持ちだし、伯爵家という後ろ盾もある。それに何より、私は誰よりも美しいし。まあ、ゼルスも美しいものね。私と釣り合う相手は、あなたくらいよ。私に選ばれた事、光栄に思うといいわ」
そんなふざけた事を言っていたのだ。こいつは頭がおかしいのか?俺はこの女の様な人間が、一番嫌いなんだ。自分では何もできないくせに、権力ばかり振りかざす人間が。
まさに家の親の様な人間。
再びため息が出る。
「ゼルス、別にリリアちゃんと籍を入れなくてもいいのではないのかい?事実婚でも問題ないだろう。そもそも、両親は別の人間と結婚をしろと言っているのだろう。そんな相手を説得するだなんて、無理だろう」
事実婚。確かに出来なくもない。だが、きちんと籍を入れないと、俺にもしもの事があった時、法的にリリアを守れない。それに子供が出来ても、戸籍上俺の子供とは認められないのだ。
俺はしっかりとリリアと籍を入れ、将来生まれてくるかもしれない子供への責任を果たしたい。
だが…
一体どうすればいいのだろう。いっその事、国を出るか?だが、やっと落ち着いて来たこの街を、騎士団を捨てて国を出るだなんて。そんな無責任な事、俺には出来ない。
とにかく、何か策はあるはずだ。
「ゼルス、そろそろ帰る時間だろう?そういえば今日、ルルが君の家に行って、僕たちの似顔絵を受け取りに行くと言っていたよ。リリアちゃん、本当に絵が上手いね。僕、こんな綺麗な絵、初めて見たよ」
隊長室に飾られているリリアの絵を見て、キースが呟く。確かにリリアは絵が上手い。実際にリリアの絵を買い取りたいという人物まで現れるほどに。だが、当の本人は趣味で描いているだけだからと、売るつもりはない様だ。
それでも友人のキースとその婚約者の為に、似顔絵を描いたリリア。俺も昨日出来栄えを見せてもらったが、ものすごく上手かった。ただ、ちょっとキースが男前に描かれ過ぎていた事だけが気になったが。
「リリアはお前の婚約者を気に入っているからな。それじゃあお疲れ様」
「ああ、お疲れ様」
あの事件以降、東の地区も随分と落ち着いて来た。それは有難いのだが…
はぁ~
やっぱりため息が出る。今日は早く帰ってリリアに癒されよう。そう思い、家を目指したのだった。
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