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第77話:どういうことですか?
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クロードが部屋にやって来ると言っていたが、一向に誰も来る様子がない。一体どうしたのかしら?気になるが、部屋の外に勝手に出る勇気がない。
その時だった。急に部屋の外が騒がしくなったのだ。一体どうしたのだろう?不安になり、近くに控えていた使用人に目を向ける。すると、スッと何やらモニターを見せてくれたのだ。
どうやら別室の様子を映している様で、何人かの人が集まっていた。その中にいたのは…
えっ?ゼルス様?それにレティさんもいらっしゃる…これは一体…
“俺はこんなところに来ている時間はないんだ。一刻も早く、リリアを見つけ出さないと。おい、貴様、一体どこにリリアを隠したんだ!これ以上俺を怒らせるとどうなるか…”
目を血走り、恐ろしい顔でレティさんの胸元を掴んでいる。今までに見た事のないほど、恐ろしい顔をしたゼルス様。
“止めなさい、ゼルス!それより母上、今日は一体何の用ですか?急に呼び出して”
隣にいた男性が、近くにはアロマおばあさに話しかけているが、当のアロマおばあさんは、にこやかな顔でソファに座り、お茶を飲んでいる。
“騒がしいわね。ゼルス、一度座りなさい。そもそも、どうしてそんなに大切な子なら、手放したりしたの?ちゃんと捕まえておかないとダメじゃない”
“母上、何を言っているのですか?ゼルスの相手は、ただの平民なのですよ。ゼルスはここにいらっしゃるクレシレス王国の伯爵令嬢、レティ譲との結婚が決まっているのですから。そもそも今まで、私がやる事に口出しなんてしてこなかったではありませんか?それなのに急に呼び出して、一体どういうつもりですか?”
“そうね、これからはあなたの時代だから、私が口出す事ではない、そう思っていたけれど、あまりにも非人道的な事をしているから、さすがに見過ごせなくてね。レティさんと言ったわよね。あなた、ゼルスの家に押し入って、ゼルスの恋人を誘拐したそうね。それは立派な犯罪ですよ”
アロマおばあさんが、今までに見た事のないような厳しい顔で、レティさんに迫っている。どうなっているの?アロマおばあさんとゼルス様は、どういう関係なの?
混乱する私を他所に、話しは進んでいく。
“あら、おばあ様、あの娘はただの平民ですよ。それにいずれ私とゼルスは結婚するのです。結婚相手の家に入って、何が悪のですか?それにあの娘だって、幼馴染の元に送り届けてあげたのです。感謝されてもいいくらいなのに、誘拐だなんて”
“そう、クレシアス王国では、人の家に勝手に入って人の恋人を勝手に連れ去っても、罪に問われないのね。初めて聞いたわ。それに我が国では今、身分制度は廃止されているのよ!”
“母上、一体どうされたのですか?いつも穏やかな母上が、こんなに怒るだなんて。別にどこの誰だかわからない平民の娘の事で、そこまでむきになるだなんて、母上らしくありませんよ”
“どこの誰だかわからない娘ですって?レティさん、あなたが勝手につれて行った子はね、リリアちゃんは私の大切な子よ。実の孫の様に可愛がっている子なの!リリアちゃんと会えない時間も、ずっとあの子を見守って来た。それなのにあなたは、リリアちゃんを泣かせて苦しめたのよ!ただで済むとは思っていないわよね”
“ちょっと待って下さい。おばあ様は、リリアを知っているのですか?”
“ええ、知っているわよ。ゼルス、あなたがリリアちゃんに会う前から、私とリリアちゃんは既に仲良しだったの。あの子、遠慮深い子でしょう。私に頼ってくれたらよかったのに…私はね、ゼルスとリリアちゃんが少しずつ愛を育んでいく姿を見るのが楽しみでね。
ずっと心配していたのよ。あなたがこのまま、人を愛する事を知らずに生涯を終えるのではないかと。だからね、リリアちゃんには本当に感謝しているの。ゼルスの心を溶かし、人を愛する気持ちを教えてくれたあの子を。
リリアちゃんは、私の夢を叶えてくれたのよ。私ね、リリアちゃんに“孫のお嫁さんになって欲しい”と頼んだことがあったの。まさかその願いを叶えてくれるだなんて。そんなリリアちゃんを、あなた達は!“
再び怖い顔に戻ったアロマおばあさん。まさかアロマおばあさんが、ゼルス様の実の祖母だっただなんて…
その時だった。急に部屋の外が騒がしくなったのだ。一体どうしたのだろう?不安になり、近くに控えていた使用人に目を向ける。すると、スッと何やらモニターを見せてくれたのだ。
どうやら別室の様子を映している様で、何人かの人が集まっていた。その中にいたのは…
えっ?ゼルス様?それにレティさんもいらっしゃる…これは一体…
“俺はこんなところに来ている時間はないんだ。一刻も早く、リリアを見つけ出さないと。おい、貴様、一体どこにリリアを隠したんだ!これ以上俺を怒らせるとどうなるか…”
目を血走り、恐ろしい顔でレティさんの胸元を掴んでいる。今までに見た事のないほど、恐ろしい顔をしたゼルス様。
“止めなさい、ゼルス!それより母上、今日は一体何の用ですか?急に呼び出して”
隣にいた男性が、近くにはアロマおばあさに話しかけているが、当のアロマおばあさんは、にこやかな顔でソファに座り、お茶を飲んでいる。
“騒がしいわね。ゼルス、一度座りなさい。そもそも、どうしてそんなに大切な子なら、手放したりしたの?ちゃんと捕まえておかないとダメじゃない”
“母上、何を言っているのですか?ゼルスの相手は、ただの平民なのですよ。ゼルスはここにいらっしゃるクレシレス王国の伯爵令嬢、レティ譲との結婚が決まっているのですから。そもそも今まで、私がやる事に口出しなんてしてこなかったではありませんか?それなのに急に呼び出して、一体どういうつもりですか?”
“そうね、これからはあなたの時代だから、私が口出す事ではない、そう思っていたけれど、あまりにも非人道的な事をしているから、さすがに見過ごせなくてね。レティさんと言ったわよね。あなた、ゼルスの家に押し入って、ゼルスの恋人を誘拐したそうね。それは立派な犯罪ですよ”
アロマおばあさんが、今までに見た事のないような厳しい顔で、レティさんに迫っている。どうなっているの?アロマおばあさんとゼルス様は、どういう関係なの?
混乱する私を他所に、話しは進んでいく。
“あら、おばあ様、あの娘はただの平民ですよ。それにいずれ私とゼルスは結婚するのです。結婚相手の家に入って、何が悪のですか?それにあの娘だって、幼馴染の元に送り届けてあげたのです。感謝されてもいいくらいなのに、誘拐だなんて”
“そう、クレシアス王国では、人の家に勝手に入って人の恋人を勝手に連れ去っても、罪に問われないのね。初めて聞いたわ。それに我が国では今、身分制度は廃止されているのよ!”
“母上、一体どうされたのですか?いつも穏やかな母上が、こんなに怒るだなんて。別にどこの誰だかわからない平民の娘の事で、そこまでむきになるだなんて、母上らしくありませんよ”
“どこの誰だかわからない娘ですって?レティさん、あなたが勝手につれて行った子はね、リリアちゃんは私の大切な子よ。実の孫の様に可愛がっている子なの!リリアちゃんと会えない時間も、ずっとあの子を見守って来た。それなのにあなたは、リリアちゃんを泣かせて苦しめたのよ!ただで済むとは思っていないわよね”
“ちょっと待って下さい。おばあ様は、リリアを知っているのですか?”
“ええ、知っているわよ。ゼルス、あなたがリリアちゃんに会う前から、私とリリアちゃんは既に仲良しだったの。あの子、遠慮深い子でしょう。私に頼ってくれたらよかったのに…私はね、ゼルスとリリアちゃんが少しずつ愛を育んでいく姿を見るのが楽しみでね。
ずっと心配していたのよ。あなたがこのまま、人を愛する事を知らずに生涯を終えるのではないかと。だからね、リリアちゃんには本当に感謝しているの。ゼルスの心を溶かし、人を愛する気持ちを教えてくれたあの子を。
リリアちゃんは、私の夢を叶えてくれたのよ。私ね、リリアちゃんに“孫のお嫁さんになって欲しい”と頼んだことがあったの。まさかその願いを叶えてくれるだなんて。そんなリリアちゃんを、あなた達は!“
再び怖い顔に戻ったアロマおばあさん。まさかアロマおばあさんが、ゼルス様の実の祖母だっただなんて…
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