転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!

Karamimi

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第26話:初めてクラウド様の住む離宮に行きます

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王太子との婚約話も終わったし、そろそろ解放してもらえるかしら?そう思っていたのだが、急に話題を変えた王妃様。

「そう言えばマシューから聞いたわ。あなた、マッサージという施術が得意なのですってね。せっかくだから私にも施術を行ってもらえないかしら?」

「ええ、構いませんよ。そうだ、今日はアロマオイルを持ってきましたの。でも、アロマを使うと服を脱いでいただく必要が…使うのは止めておきましょう」

さすがに王妃様に服を脱いで頂く訳にはいかないわよね。

「大丈夫よ、ミレニアちゃん。服を脱ぐから少し待っていてね」

そう言うと、服を脱ぎ始めた王妃様。そのままベッドに横になってもらった。

「それではまずアロマオイルを塗っていきますね」

王妃様の体にアロマオイルを塗り、早速マッサージ開始だ。

「あぁぁぁぁ、ミレニアちゃん、気持ちいいわ…あぁ」

そりゃそうだ。なんて言ってもスペシャルコースでマッサージをしているのだから。このマッサージは家族や使用人たちにも大好評なのだ。ゆっくり時間をかけてマッサージを行ったところで、施術終了だ。

「王妃様、終わりましたよ。王妃様?」

ふと王妃様の方を見ると、余程気持ちが良かったのか、スヤスヤと寝息を立てて寝ていた。

近くにいた護衛騎士が急いでこちらにやってきた。そういえばこの護衛騎士、どう見ても男性よね。王妃様の裸を見ても大丈夫なのかしら?

私の不安をよそに、王妃様の様子を確認している。眠っているだけだとわかると安心したのか、また後ろに控えてしまった。もしかしたら、護衛騎士はいないものとして扱われているのかもしれないわ。

だから王妃様は、ためらいもなく脱いだのね。でも、いくらいないものだと思えと言われても、さすがに護衛騎士の前では服は脱ぎたくないわね…

おっといけない。王妃様を起こさないと!

「王妃様、起きてください。王妃様」

私の問いかけに、パチッと目を覚ました王妃様。

「あら、私ったらいつの間にか眠ってしまっていたのね。それにしても、こんなにも気持ちの良い施術は初めてだわ。それになんだか体も軽いし。マシューが言っていた通りね。これは癖になるわ!」

どうやら満足して頂けたようだ。さあ、そろそろ私は帰ってもかしら?そう思っていたのだが、王妃様が突拍子もないことを言い出した。

「本当にミレニアちゃんの施術は素晴らしいわ。そうだ、あなたも一度受けてみなさい」

近くに控えていた護衛騎士にそう伝えたのだ。

「私がでございますか?」

さすがに驚く護衛騎士。無理もないだろう。公爵令嬢の私が護衛騎士にマッサージを行うなんて、通常では考えられない。でも私の場合、使用人たちにもマッサージをしているし、特に抵抗はない。

戸惑う護衛騎士に
「よろしければ、マッサージしますよ」
そう声をかけた。

「わかりました。では、宜しくお願い致します」

そういうと、服を脱いでベッドに横になった護衛騎士。さすが騎士だけのことはある、ものすごく立派な筋肉ね。って、見とれている場合ではないわ。早くマッサージを始めないと。

アロマオイルをたっぷりと手に付けて、ゆっくり肌になじませていく。肌になじませた後は、マッサージ開始だ。さすが護衛騎士、王妃様とは比べ物にならないくらい凝っているわ。

「あぁぁぁ、あぁぁぁ」

どうやら気持ち良いようで、声が漏れている。あら?ふと護衛騎士の右肩にあるほくろに目が付いた。真ん中に3つ、その3つのほくろを中心に、上下に2つずつほくろがある。この形、まるでオリオン座の様ね。それにしても、ここだけ集中してほくろがあるなんて珍しいわ。他の部分には、一切ほくろが見当たらないのに。

そんな事を考えながら、マッサージを行っていく。時間をかけてゆっくりマッサージを行ったせいか、終了時には騎士の人も、どうやら眠ってしまったようだ。

これは起こした方がいいのかしら?そう思ったのだが、王妃様が

「そのまま寝かしておいてあげて」

そうおっしゃったので、風邪をひかないよう、薄手の布団をかけてそのままにしておく事にした。

「今日は来てくれてありがとう。あなたとお話が出来てよかったわ。マシューとの再婚約のことも考えておいてね。それから、マッサージは素晴らしかったわ。またお願いしてもいいかしら?」

「もちろんです、私のマッサージで良ければ、いつでも行いますよ」

その代わり、王太子との再婚約は諦めてね。都合の悪いことは、心の中で呟いておいた。

やっと王妃様から解放されたので、急いでクラウド様に通信を入れる。

「クラウド様、やっと終わりましたわ」

“お疲れ様。とりあえず、王宮の門の前で待っていてくれるかい。今から迎えに行くから”

「わかりました。お待ちしていますね」

早速門の前まで向かい、クラウド様を待つ。しばらく待っていると、クラウド様が走ってくる姿が!

嬉しくてついクラウド様に飛びついてしまった。もちろん、ドレス姿でだ。

「待たせちゃったみたいだね。ごめんね。さあ、行こうか」

飛びついた私をしっかり抱きとめ、頭を撫でてくれたクラウド様。そのまま手を繋いで、離宮へと向かう。

どうやら離宮はかなり奥にあるようだ。それにしても、どれだけ王家の土地は広いのかしら。小さな森みたいなところを抜け、やっと離宮が見えてきた。といっても、比較的小さめの屋敷だ。見た感じ、公爵家の4分の1くらいの大きさだ。


「ずいぶん歩かせてしまったね。大丈夫かい?」

無言の私を心配してくれたクラウド様。

「大丈夫ですわ。それにしても、随分と奥にあるのですね。でも、自然豊かでとても良いところですわ」

「そうかい?ミレニアにそう言ってもらえると嬉しいよ。さあ、中に入って」

クラウド様に案内され、中に入ると使用人たちが出迎えてくれた。

「ようこそお越しくださいました。ミレニア様。元気そうで何よりです」

話かけて来てくれたのは、少し前までうちでメイド長をしてくれていた女性だ。

「まあ、あなた最近姿が見えないと思ったら、ここにいたのね」

「はい、今は離宮のメイド長をしております。どうぞお見知りおきを」

クラウド様が言っていた通り、お父様が全てメイドを手配したのね。そうだわ、せっかくだから、ここのメイドたちも味方に付けてしまいましょう!そう言えば、反王政派はメイドに扮してクラウド殿下に近づいたのよね。

ふと周りを見渡したが、それらしい女はいない。これはマッサージしがてら、確認が必要ね。

「メイド長、よかったらまたマッサージを受けてみない?他のメイドたちも、せっかくだから受けてみて」

「まあ、それは本当ですか!嬉しいですわ。では、早速お願いします」

別室へと案内され、そこで施術を行っていく。人数も多いので、今回はアロマオイルを使わずマッサージを行う。

一通りマッサージを終えたが、見た感じあの女はいなさそうだ。

「メイド長、メイドたちはこれで全員ですか?」

「ええ、確かそうだったと思うけれど」

という事は、あの女はいないようね。よかったわ!ちなみに私のマッサージは離宮でも大好評だった。これでクラウド様への扱いも、さらに丁重になるはずね。
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