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第32話:ソフィー様はどうやら毒を飲まされた様です
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「ミレニア、とにかく落ち着きなさい。今、現場検証が行われている。どうやら火元は調理場の様だ!たぶん料理人の火の不始末だろう」
本当にそうなのかしら?そもそも、どうしてソフィー様は意識不明なの?何度もソフィー様のお屋敷に遊びに行ったことがあるけれど、ソフィー様の部屋から調理場まではずいぶんと離れている。それも、昨日は風もなく穏やかな天気だった。
「お父様、私は火災について詳しくはありませんが、昨日は風も穏やかでした。それにソフィー様のお屋敷は、とても広いです。それなのに、全焼なんてするものなのですか?」
「…お前は、どうしてそんなに勘が良いんだ…」
は~っと、ため息を付くお父様。これは何かを隠しているわね。ジト目でお父様を睨みつけた。さあ、知っている事は全ては話しなさい。そう言わんばかりの目で。
「実はな。使用人の話では、すぐに火に気づいた料理人が急いで火を消そうとしたそうだ。でも、なぜか屋敷のあちこちから火の手が上がったらしい。それで急いでみんなを叩き起こし、避難したそうなんだ。ソフィー嬢専属のメイドの話では、ソフィー嬢を助けに行った時、既に意識はなかった様だ。かなり煙が出ていた様だから、もしかしたら煙を沢山吸ったのかもしれない」
「という事は、放火の腺が高いという事ですね」
「…そうだ」
観念したお父様が、知っている事を話してくれた。という事は、第一王子派による放火の可能性が十分考えられるわね。最近ソフィー様と王太子は再び寄りを戻したのではという噂も広がっていたし…
とにかくこうしてはいられない!ソフィー様のお見舞いに行かないと!
「お父様、ソフィー様はどこの病院に入院しておりますの?」
「中央貴族病院だよ!でも、関係者以外は、面会できないかもしれないよ」
「わかったわ、ありがとうお父様!悪いけれど、公爵令嬢としての権力を使わせてもらうわ」
急いで着替えを済ませ、通信機と”あるもの”を持って病院へと向かう。案の定、面会は出来ないと断られた。もちろん、簡単に諦める訳にはいかない!そもそも私は悪役令嬢だ。ここでその力を見せないとね!
「あなた、私を誰だと思っているの?まさか、マーケッヒ公爵家を知らないなんて事はないわよね!」
そう言って、ものすごく悪い笑顔を見せた。
「た…只今ご案内させて頂きます!」
医師に連れてこられたのは、なぜか病院の最上階の端っこだ!ちなみにこの病院は貴族専用の病院で、上に行くほど身分が高い人が入院している。男爵令嬢のソフィー様が、まさか最上階だなんて…
「ねえ、どうして最上階なの?」
私の問いかけに、ビクッと震える医師。さっきの悪い笑顔がいけなかったかしら…完全に怯えられている。
「は、はい。今回の火災を知った王太子様が、最上階の個室をご準備されたのです」
へ~、王太子にしてはいい仕事をするじゃない!さすがヒーローね。少し見直したわ。
「こちらで御座います。この部屋の奥の扉を開けて頂いた所にいらっしゃいます」
そう言い残すと、一目散に逃げていく医師。何なのよ、あの医師は。
まずは案内された部屋に入ると、そこにはソフィー様の義理の両親と妹がいた。どうやらみんなやけどをしているようで、包帯を巻いている。
「ミレニア嬢、わざわざ来ていただいたのですか?有難う御座います」
私の顔を見るなり、飛んできた男爵。相変わらず、悪そうな顔をしているわね。おっと失礼。
「男爵様、今回の件、大変でしたわね。私の家で協力できることが有れば、何でもおっしゃってくださいね」
「ありがとうございます」
ふとソフィー様の義妹と目が合った。どうやら顔を火傷したようで、包帯を巻いていた。令嬢なのに顔にやけどを負うなんて、きっとこれから大変ね。お気の毒に…
「ミレニア様、ソフィーは奥の部屋におります。今王太子様もいらしているのですが、よろしければどうぞ」
一足先に王太子も来ていたようだ。早速部屋に入らせてもらった。
「ミレニア、君も来てくれたのか?」
私の顔を見て、泣きそうな顔の王太子が飛んできた。ふとソフィー様を見ると、確かに意識が無い様で、青白い顔をしてベッドに寝かされていた。でもやけど等は見られず、顔もきれいだ。
「まさか、ソフィーがこんな事になるなんて…」
悔しそうに拳を握りしめる王太子。
「それで、ソフィー様の容態は?」
「ケガは大したことは無いらしい。でも、なぜか意識が戻らないんだ」
私はポケットからあるものを取り出した。そう、グラディス先生からもらった、毒を察知するスプーンだ。ケガも大したことが無いのに、意識が戻らないなんて明らかにおかしい。
もしかして、ソフィー様は毒を盛られて意識が戻らないのではないか。もしそうなら、毒で眠らせ、そして火災を起こすことで、そのまま証拠と共にソフィー様を葬り去ろうとしたのかもしれない。そう考えたのだ。
早速スプーンをソフィー様の口の中に入れた。
「おい、ミレニア。ソフィーに何をしているんだ!」
私の隣で騒ぐ王太子を無視し、スプーンの変化を確認する。すると…スプーンの色が、黒色に変わった。やっぱり、ソフィー様は何らかの毒を盛られていたのね。
ポケットから急いで通信機を出した。そしてすぐにグラディス先生へと繋ぐ。
“ミレニア嬢、どうしたんだい?”
「グラディス先生、ソフィー様の家が火災に見舞われましたの」
“ああ、知っているよ!大変な事になったね”
「それでですね。今ソフィー様の元にいるですが、怪我もほとんどしていないのに、ずっと意識が無くて。もしかしてと思って、毒が分かるスプーンを使ったら、黒色に変わったのだけれど、これって一体何の毒なのですか?」
「毒だって!」
隣で王太子が呟いているが、今はそれどころではない!
“黒だと!とにかく調べないと何とも言えない。今どこにいるんだ?“
「中央貴族病院です」
“分かった、すぐにそっちに向かおう。病院に着いたら、また通信を入れるから”
そう言って通信が切れた。
「ミレニア、一体どういう事だ!ソフィーは誰かに毒を盛られたのか?」
物凄い勢いで詰め寄って来る王太子。その顔は真剣そのものだ。
「分かりません。でも…」
「ミレニア、気になる事があるならすべて話してくれ!」
真剣な顔で私を問い詰める王太子。その時、通信が入った。2番という事は、クラウド様だ。
“ミレニア、学院に来ていないから心配になって公爵家に行ったら、ソフィー嬢を見舞に病院に行ったって言うじゃないか。それで慌てて病院に来たのだが、入れてもらえなくてね。今どこにいるのだい?”
「クラウド様、連絡を入れずにごめんなさい!今、ソフィー様の病室よ!最上階の一番端の部屋です。“僕は第二王子だ!”そう言えば入れてくれるはずですから、入って来てくれますか?」
“分かった、今再び君の家に向かっていたのだが、もう一度病院に引き返すよ”
そう言って通信は切れた。しばらく待っていると、クラウド様がグラディス先生と一緒にやって来た。
「そこでグラディス先生に会ったから、一緒に連れて来たよ」
「ミレニア嬢、王太子殿下も。それで、スプーンが黒く変わったと言うのは本当かい?」
「はい、これです」
先生にスプーンを見せた。
「本当だ…」
かなり驚いている様子のグラディス先生。
「それで、黒は何の毒なのですか?」
「黒は調べてみないと分からない。ただ、この国に存在する毒ではない可能性が高い。この国に存在する毒は、黒以外の色に変わる様に設定されているからね。念のため、より精度の高いものでも試させてもらうよ」
そう言うと、スプーンの様な物をソフィー様の口の中に入れ、唾液を採取すると液体に浸した。
すると、今度は赤紫の様な色に変わった。今度はまた別の容器から液体を取り出し、また同じ事を繰り返す。
「これは…とにかく、一度研究室に戻って詳しく調査してみるよ。それじゃあ、私はこれで!」
急いで帰って行ったグラディス先生。そもそも、この国に存在しない毒とは、一体どういう事なのかしら?
増々謎が深まった。一体今この世界で何が起きているのだろう。一気に不安になる、ミレニアであった。
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「という事は、放火の腺が高いという事ですね」
「…そうだ」
観念したお父様が、知っている事を話してくれた。という事は、第一王子派による放火の可能性が十分考えられるわね。最近ソフィー様と王太子は再び寄りを戻したのではという噂も広がっていたし…
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「お父様、ソフィー様はどこの病院に入院しておりますの?」
「中央貴族病院だよ!でも、関係者以外は、面会できないかもしれないよ」
「わかったわ、ありがとうお父様!悪いけれど、公爵令嬢としての権力を使わせてもらうわ」
急いで着替えを済ませ、通信機と”あるもの”を持って病院へと向かう。案の定、面会は出来ないと断られた。もちろん、簡単に諦める訳にはいかない!そもそも私は悪役令嬢だ。ここでその力を見せないとね!
「あなた、私を誰だと思っているの?まさか、マーケッヒ公爵家を知らないなんて事はないわよね!」
そう言って、ものすごく悪い笑顔を見せた。
「た…只今ご案内させて頂きます!」
医師に連れてこられたのは、なぜか病院の最上階の端っこだ!ちなみにこの病院は貴族専用の病院で、上に行くほど身分が高い人が入院している。男爵令嬢のソフィー様が、まさか最上階だなんて…
「ねえ、どうして最上階なの?」
私の問いかけに、ビクッと震える医師。さっきの悪い笑顔がいけなかったかしら…完全に怯えられている。
「は、はい。今回の火災を知った王太子様が、最上階の個室をご準備されたのです」
へ~、王太子にしてはいい仕事をするじゃない!さすがヒーローね。少し見直したわ。
「こちらで御座います。この部屋の奥の扉を開けて頂いた所にいらっしゃいます」
そう言い残すと、一目散に逃げていく医師。何なのよ、あの医師は。
まずは案内された部屋に入ると、そこにはソフィー様の義理の両親と妹がいた。どうやらみんなやけどをしているようで、包帯を巻いている。
「ミレニア嬢、わざわざ来ていただいたのですか?有難う御座います」
私の顔を見るなり、飛んできた男爵。相変わらず、悪そうな顔をしているわね。おっと失礼。
「男爵様、今回の件、大変でしたわね。私の家で協力できることが有れば、何でもおっしゃってくださいね」
「ありがとうございます」
ふとソフィー様の義妹と目が合った。どうやら顔を火傷したようで、包帯を巻いていた。令嬢なのに顔にやけどを負うなんて、きっとこれから大変ね。お気の毒に…
「ミレニア様、ソフィーは奥の部屋におります。今王太子様もいらしているのですが、よろしければどうぞ」
一足先に王太子も来ていたようだ。早速部屋に入らせてもらった。
「ミレニア、君も来てくれたのか?」
私の顔を見て、泣きそうな顔の王太子が飛んできた。ふとソフィー様を見ると、確かに意識が無い様で、青白い顔をしてベッドに寝かされていた。でもやけど等は見られず、顔もきれいだ。
「まさか、ソフィーがこんな事になるなんて…」
悔しそうに拳を握りしめる王太子。
「それで、ソフィー様の容態は?」
「ケガは大したことは無いらしい。でも、なぜか意識が戻らないんだ」
私はポケットからあるものを取り出した。そう、グラディス先生からもらった、毒を察知するスプーンだ。ケガも大したことが無いのに、意識が戻らないなんて明らかにおかしい。
もしかして、ソフィー様は毒を盛られて意識が戻らないのではないか。もしそうなら、毒で眠らせ、そして火災を起こすことで、そのまま証拠と共にソフィー様を葬り去ろうとしたのかもしれない。そう考えたのだ。
早速スプーンをソフィー様の口の中に入れた。
「おい、ミレニア。ソフィーに何をしているんだ!」
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ポケットから急いで通信機を出した。そしてすぐにグラディス先生へと繋ぐ。
“ミレニア嬢、どうしたんだい?”
「グラディス先生、ソフィー様の家が火災に見舞われましたの」
“ああ、知っているよ!大変な事になったね”
「それでですね。今ソフィー様の元にいるですが、怪我もほとんどしていないのに、ずっと意識が無くて。もしかしてと思って、毒が分かるスプーンを使ったら、黒色に変わったのだけれど、これって一体何の毒なのですか?」
「毒だって!」
隣で王太子が呟いているが、今はそれどころではない!
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「中央貴族病院です」
“分かった、すぐにそっちに向かおう。病院に着いたら、また通信を入れるから”
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「ミレニア、一体どういう事だ!ソフィーは誰かに毒を盛られたのか?」
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「分かりません。でも…」
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「クラウド様、連絡を入れずにごめんなさい!今、ソフィー様の病室よ!最上階の一番端の部屋です。“僕は第二王子だ!”そう言えば入れてくれるはずですから、入って来てくれますか?」
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「ミレニア嬢、王太子殿下も。それで、スプーンが黒く変わったと言うのは本当かい?」
「はい、これです」
先生にスプーンを見せた。
「本当だ…」
かなり驚いている様子のグラディス先生。
「それで、黒は何の毒なのですか?」
「黒は調べてみないと分からない。ただ、この国に存在する毒ではない可能性が高い。この国に存在する毒は、黒以外の色に変わる様に設定されているからね。念のため、より精度の高いものでも試させてもらうよ」
そう言うと、スプーンの様な物をソフィー様の口の中に入れ、唾液を採取すると液体に浸した。
すると、今度は赤紫の様な色に変わった。今度はまた別の容器から液体を取り出し、また同じ事を繰り返す。
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