転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!

Karamimi

文字の大きさ
33 / 63

第33話:ソフィー様の毒が判明しました

しおりを挟む
「あの毒スプーンが反応したという事は、ソフィー嬢は誰かに毒を飲まされたという事なのかい?」

「ええ、どうやらその様ですね…」

私とクラウド様の会話を聞いた王太子が、机を叩いて怒りだした。

ドン!
「クソ!誰がソフィーに毒なんか飲ませたんだ!一体何のために!」

「落ち着いて下さい!王太子殿下。とにかく、今はグラディス先生が毒の正体を調べてくれています。少し待ちましょう。それから、この部屋にソフィー様を1人で置いておくのは危険です。24時間体制で、護衛騎士を複数人付ける様手配しましょう」

「ミレニア、君は一体何を言っているんだ!」
私の言葉に、目を丸くするクラウド様と王太子。

「今から話す事は、あくまでも私の仮説です。ソフィー様は、何らかの形で毒を飲まされたことは間違いないでしょう。毒の種類が分からない限り、はっきりした事は言えませんが、多分夕食ぐらいに飲まされたと考えるのが自然です。そして、徐々に毒が体に回り、意識を失った。それに合わせ、屋敷に火を放った。後は放っておけば、きっと証拠と一緒にソフィー様を葬れる。犯人は、そう考えたのではないでしょうか?ただ、思ったよりも早く使用人たちが火災を発見し、スムーズに避難が出来た為、事なきを得たという事です」

あくまでも仮説でしかない。でも、可能性は十分考えられるのだ。

「なるほど、でもその話が本当なら、一体誰が何のためにソフィーを狙ったんだ?それに、護衛騎士を見張りに付ける理由もよく分からない」

「今回、犯人はソフィー様殺害に失敗したのです。まだ生きていると知れば、警備の手薄な病院にいるうちに、抹殺に来るかもしれないでしょう!」

よくサスペンスドラマでも、殺しそびれた被害者を、犯人が病院で抹殺するシーンがあるもの。十分考えられるわ。

「なるほど、分かった。すぐに護衛騎士を準備しよう!」

「いいえ、私の方で準備いたしますわ!ここは私に任せていただけませんか?」

正直王家の護衛騎士なんて信用できない。裏で繋がっているかもしれないものね。

「わかった。お願いしよう。それでミレニアは、誰が犯人だと思っているのだ。俺に遠慮はいらない。はっきりと言ってくれ」

もしかしたら、王太子は薄々感づいているのかもしれない。それなら、隠す必要もないわね。

「最近、王太子殿下とソフィー様は仲がよろしく、一部ではよりを戻したと言う噂があります。そのため、2人がよりを戻して欲しくないと考えている人物の犯行かと、私は考えております」

そう、王妃様だ。でも、それは王太子にとって、非常に辛い現実だろう。

「やっぱり、ミレニアもそう思ったんだね。俺も君の仮説を聞いた時、真っ先に頭に浮かんだよ」

寂しそうに笑った王太子。

「でも、あくまでもこれは私の仮説です。とにかく今は、ソフィー様が目覚めるのを祈り、グラディス先生の毒の結果を待ちましょう」

今はとにかく、待つしかない。でも、その間にソフィー様が命を落としたら…
いいえ、きっと大丈夫よ。だって彼女はヒロインなんだから、そう簡単に亡くなったりしないはず!

「私は一度家に帰って、お父様に事情を話し、護衛騎士を手配してもらいます」

「僕も行くよ。君1人じゃあ心配だ」

そう言って、私の手を握ってくれたクラウド様。

「それじゃあ、俺は護衛騎士が来るまで、ここでソフィーを見守っているよ」

とりあえず、王太子が側に居ればひとまず安心だろう。クラウド様と一緒に、急いで馬車に乗り込んだ。

「ミレニア、大丈夫かい?顔色があまり良くないよ!」

そう言って私を抱きしめてくれるクラウド様。

「ありがとう。まさかソフィー様の命が狙われる事になるなんて思ってもいなかったので、びっくりしただけです」

本来であれば、ソフィー様は悪役令嬢でもある私にイジメられることがあっても、命まで狙われる事は無い。それなのに、こんな事になるなんて。私が物語をぶった切ってしまったから、おかしな方向に話が進んでいるのかもしれない…

思わぬ方向に進んでしまった為、正直物凄く怖い。もしこのまま、ソフィー様が目覚めなかったらどうしよう。考えただけで、恐怖で胸が潰れそうだわ。でも、こんなところでくじける訳にはいかない!とにかく今出来る事をしないと。

屋敷に着くと、すぐにお父様を呼び出してもらった。幸い、今日は家で仕事をしていたお父様。すぐに時間を作ってくれた。

ソフィー様が実は毒を飲まされていた事、その毒は多分この国のものではない事、今グラディス先生が毒を調べてくれている事、最近王太子とソフィー様の仲が噂になっていた事など包み隠さず話した。

さすがのお父様も、考え込んでしまった。

「そうか、よくそこまで調べたね。それにしても、この国に存在しない毒とは、一体どういう事だろうか。とにかくソフィー嬢の元に、急いで家の護衛騎士4人を向かわせよう。私は今から陛下に会って来る。毒の種類がわかったら、すぐに報告するんだよ」

「分かったわ。お父様。私は今から学院に行って、グラディス先生に会って来るわ!」

とりあえず護衛騎士を付けてもらえる事になったから、しばらくはソフィー様の身も安全なはずだ。後は、毒の種類を検証する必要がある。

クラウド様と、急いで学院へと向かった。もちろん、行き先はグラディス先生の研究室だ。

「グラディス先生!毒の種類は分かりましたか?」

私達が研究室に入ると、本を必死に呼んでいるグラディス先生がいた。

「ミレニア嬢にクラウド殿下か。ああ、毒は分かったよ。あの毒は、ポレスティレイ王国で古くから使われていた毒だ。飲んで数時間後に意識を失い、その後どんどん肉体を衰退させ、3日程度で命を落とすものだ」

ポレスティレイ王国?そんな国、聞いた事ないわ!

「それで、解毒剤はあるのですか?」

「今それを調べて作っているところだ。それで、毒消し草が必要になるのだが、王宮にしか咲いてなくてね。ちょっと取って来てくれないかい?」

王宮ですって!でも、それが無いとソフィー様は助からないのよね。仕方がない!急いでお父様に手紙を書き、近くにいた護衛騎士に託した。

「とりあえず、毒消し草待ちだな。あぁ、疲れた。ミレニア嬢、ちょっとマッサージを頼む」

「この一大事に何を言っているのですか!それに、マッサージ機があるでしょう?」

「あのなぁ。誰に頼まれて研究していると思っているんだ!早く揉んでくれ!」

そう言われたら揉まない訳にはいかない。仕方なく先生をマッサージし始めた。隣でクラウド様が苦笑いをしている。ちょうどマッサージが終わった頃、学院長先生とお父様、さらに陛下までやって来た。

「グラディス君、公爵から話は聞いたよ!それで、毒は一体何だったんだい?」

「ポレスティレイ王国で、古くから使用されている毒です。飲み始めて数時間で意識をなくし、3日程度で命を落とします。比較的ゆっくり作用する毒で、命を落とす頃には完全に体内から毒は消えると言う厄介な毒ですよ。ほら、これです」

グラディス先生が学院長先生たちに、本の様な物を見せている。

「それで、毒消し草は持って来てくださいましたか?」

「ああ、これだ!」

お父様がグラディス先生に毒消し草という草を渡した。どう見ても、そこらへんに生えている雑草にしか見えないが…

お父様から毒消し草を受け取ると、急いで奥の部屋へと向かったグラディス様。どうか無事解毒薬が完成しますように!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます

宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。 さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。 中世ヨーロッパ風異世界転生。

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

村娘になった悪役令嬢

枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。 ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。 村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。 ※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります) アルファポリスのみ後日談投稿しております。

「殿下、人違いです」どうぞヒロインのところへ行って下さい

みおな
恋愛
 私が転生したのは、乙女ゲームを元にした人気のライトノベルの世界でした。  しかも、定番の悪役令嬢。 いえ、別にざまあされるヒロインにはなりたくないですし、婚約者のいる相手にすり寄るビッチなヒロインにもなりたくないです。  ですから婚約者の王子様。 私はいつでも婚約破棄を受け入れますので、どうぞヒロインのところに行って下さい。

【完結】財務大臣が『経済の話だけ』と毎日訪ねてきます。婚約破棄後、前世の経営知識で辺境を改革したら、こんな溺愛が始まりました

チャビューヘ
恋愛
三度目の婚約破棄で、ようやく自由を手に入れた。 王太子から「冷酷で心がない」と糾弾され、大広間で婚約を破棄されたエリナ。しかし彼女は泣かない。なぜなら、これは三度目のループだから。前世は過労死した41歳の経営コンサル。一周目は泣き崩れ、二周目は慌てふためいた。でも三周目の今回は違う。「ありがとうございます、殿下。これで自由になれます」──優雅に微笑み、誰も予想しない行動に出る。 エリナが選んだのは、誰も欲しがらない辺境の荒れ地。人口わずか4500人、干ばつで荒廃した最悪の土地を、金貨100枚で買い取った。貴族たちは嘲笑う。「追放された令嬢が、荒れ地で野垂れ死にするだけだ」と。 だが、彼らは知らない。エリナが前世で培った、経営コンサルタントとしての圧倒的な知識を。三圃式農業、ブランド戦略、人材採用術、物流システム──現代日本の経営ノウハウを、中世ファンタジー世界で全力展開。わずか半年で領地は緑に変わり、住民たちは希望を取り戻す。一年後には人口は倍増、財政は奇跡の黒字化。「辺境の奇跡」として王国中で噂になり始めた。 そして現れたのが、王国一の冷徹さで知られる財務大臣、カイル・ヴェルナー。氷のような視線、容赦ない数字の追及。貴族たちが震え上がる彼が、なぜか月に一度の「定期視察」を提案してくる。そして月一が週一になり、やがて──「経済政策の話がしたいだけです」という言い訳とともに、毎日のように訪ねてくるようになった。 夜遅くまで経済理論を語り合い、気づけば星空の下で二人きり。「あなたは、何者なんだ」と問う彼の瞳には、もはや氷の冷たさはない。部下たちは囁く。「閣下、またフェルゼン領ですか」。本人は「重要案件だ」と言い張るが、その頬は微かに赤い。 一方、エリナを捨てた元婚約者の王太子リオンは、彼女の成功を知って後悔に苛まれる。「俺は…取り返しのつかないことを」。かつてエリナを馬鹿にした貴族たちも掌を返し、継母は「戻ってきて」と懇願する。だがエリナは冷静に微笑むだけ。「もう、過去のことです」。ざまあみろ、ではなく──もっと前を向いている。 知的で戦略的な領地経営。冷徹な財務大臣の不器用な溺愛。そして、自分を捨てた者たちへの圧倒的な「ざまぁ」。三周目だからこそ完璧に描ける、逆転と成功の物語。 経済政策で国を変え、本物の愛を見つける──これは、消去法で選ばれただけの婚約者が、自らの知恵と努力で勝ち取った、最高の人生逆転ストーリー。

悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!

たぬきち25番
恋愛
 気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡ ※マルチエンディングです!! コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m 2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。 楽しんで頂けると幸いです。 ※他サイト様にも掲載中です

【完結】転生したので悪役令嬢かと思ったらヒロインの妹でした

果実果音
恋愛
まあ、ラノベとかでよくある話、転生ですね。 そういう類のものは結構読んでたから嬉しいなーと思ったけど、 あれあれ??私ってもしかしても物語にあまり関係の無いというか、全くないモブでは??だって、一度もこんな子出てこなかったもの。 じゃあ、気楽にいきますか。 *『小説家になろう』様でも公開を始めましたが、修正してから公開しているため、こちらよりも遅いです。また、こちらでも、『小説家になろう』様の方で完結しましたら修正していこうと考えています。

【完結】私ですか?ただの令嬢です。

凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!? バッドエンドだらけの悪役令嬢。 しかし、 「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」 そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。 運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語! ※完結済です。 ※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///) ※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。 《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》

処理中です...