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第57話:新しい物語をクラウド様と作っていきます
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ソフィー様とマシュー様がファーム王国に旅立って1週間が経った。色々な事があったが、やっと平穏な日々を取り戻し、私もクラウド様も普段通り学院に通っている。
ただ、やはりソフィー様やマシュー様がいなくなったと言う現実は思ったより辛く、寂しい日々を送っている。そして、いよいよ卒業まで残りわずかとなり、学院内も慌ただしくなってきた。
そうそう、ソフィー様とマシュー様が旅立った翌日、クラウド様が正式に王太子になる事が発表された。そしてその翌日、私とクラウド様が正式に婚約を結ぶことが決まったのだ。
ただ、急遽王太子になったクラウド様は、今から猛スピードで国王になる為の勉強を行わなければならず、物凄く忙しそうだ。ただでさえ2人がいなくなって寂しいのに、クラウド様まで忙しいとあって、今の私は寂しくて死にそうだ。
そんな私を心配した令嬢たちがお茶に誘ってくれたり、グラディス先生にこき使われたりと、何とか寂しさを紛らわせている。
ちなみに私は元々王妃になる為の教育を受けていたので、今更どうって事もない。そんな私に対しお母様が
「結局ミレニアは王妃になる運命なのね」
なんて言って笑っていた。
そして王宮内も今、かなり慌ただしい。王太子が変わったのはもちろん、クラウド様は17歳だ。本来王族は貴族学院を卒業と同時に、婚約者と結婚するのが一般的。
その為、私とクラウド様の結婚式が、既に半年後に決まっている。その準備に大忙しなのだ。婚約から半年で結婚なんて…そう思ったが、今はそんな事を言っていられないらしい。
ただでさえ、今回の事件で貴族たちにも動揺が広がっている。その動揺を打ち消す為にも、一刻も早く私とクラウド様が結婚して王家を盛り上げていきたいらしい。
まあ、この1年で私もクラウド様も貴族界での評判は有難い事にうなぎ登りだったそうなので、すぐに落ち着くだろうとお父様が言っていた。
そして今日は、なぜか陛下に呼び出されて王宮に来ている。隣にはもちろん、クラウド様もいる。
「ミレニア嬢、急に呼び出して悪かったね。実は今日、どうしても一緒に来て欲しい場所があるんだ。付き合ってくれるかい?」
「はい、もちろんです」
一体どこに行くのだろう。クラウド様に聞いても、知らないと言っていたし…
馬車に乗り込み、向かった先は
え?お墓?
訳が分からないまま、陛下に着いて行く。そして、あるお墓の前で立ち止まった。
「クラウド、ミレニア嬢、ここには私が愛した女性、クラウドの母親が眠っているんだ」
え?クラウド様のお母様が!
「彼女は男爵令嬢と身分は低かったが、聡明でとても優しい女性だった。そんな彼女に夢中になったよ!でも、私が愛したばっかりに、彼女は命を落とした。そしてクラウド、彼女の唯一の忘れ形見だったお前にも、本当に酷い事をしてしまった。バカな呪いなんかを信じ、お前を遠ざけた。きっと彼女も今頃怒っているだろう…」
そう言うと、遠くを見つめた陛下。
「父上、母上がどんな人だったかは知りませんが、きっと母上は父上を怒っていないと思いますよ。それに、確かに辛い事もあったけれど、僕は今幸せですし!だから、父上もそんな顔をしないで下さい!」
「クラウド!ありがとう…お前と話していると、彼女と話している様で懐かしい気持ちになるのはなぜだろうな」
そう言ってクラウド様を抱きしめた陛下。きっと陛下にも、私たちの知らない苦しみがあったのだろう。
クラウド様のお母様のお墓にお花を供えた後、3人で手を合わせた。
“クラウド様のお母様、初めまして!クラウド様を産んで下さり、ありがとうございます!クラウド様は私が絶対幸せにしますので、安心してくださいね“
手を合わせながら、そう心の中で呟いた。
手を合わせた後は、「また来るね」そう言い残し、お墓を後にした。その後は3人で街に出て、食事をした。と言っても、さすがに陛下と王太子、さらにその婚約者が普通に街で食事をする訳にはいかないので、執事が予め予約したお店を貸切してもらい食事をした。
嬉しそうに話をするクラウド様を優しく見つめる陛下。これからは、こんな風景がずっと続くのだろう。こうやって少しずつ陛下とクラウド様の仲も改善されて行くのだと、私は確信している。
~半年後~
「ミレニア、準備は出来たかい?」
真っ白なタキシードに身を包んだクラウド様が、私の元へとやって来た。そう、今日は私たちの結婚式だ。私も真っ白なウエディングドレスに身を包んでいる。
「ええ、出来ましたわ。それにしても、クラウド様のタキシード姿、とてもカッコいいですわ!惚れ惚れします」
いつもの様にクラウド様にすり寄ったのだが、なぜか反応が無い。
「クラウド様?」
心配になって名前を呼ぶと
「ごめん、ミレニアがあまりにも奇麗だったから、つい見とれてしまったんだ。それにしても、今日のミレニアは本当に美しいよ」
「クラウド様!」
お互いの顔が近づき、唇が触れようとしたその時だった。
「ミレニア様、お久しぶりです!会いたかったですわ」
そう言って控え室に入って来たのは、ソフィー様だ。後ろで申し訳なさそうにマシュー様も立っていた。そう、今回はパルメラーネ王国の王太子の結婚式とあって、他国の王族も沢山参加してくれているのだ。
もちろん、ソフィー様とマシュー様もだ!約半年ぶりに会うソフィー様とマシュー様。懐かしくて、ついソフィー様と抱き合ってしまった。
ちなみに2人も、3ヶ月後に結婚する事が決まっている。もちろん、私たちも参加予定だ。
「ソフィー様もマシュー様も、わざわざ来てくれてありがとうございます」
「急に控え室まで押しかけてごめん!ソフィーがどうしてもって聞かなくて…」
申し訳なさそうに謝るマシュー様。
「本当ですよ、兄上!せっかくいいところだったのに…」
「まあまあ、落ち着けクラウド、今夜は初夜だろう!それまで待て」
マシュー様が小声でクラウド様に何か伝えている。その瞬間、真っ赤な顔になったクラウド様。なぜか、黙り込んでしまった。一体なんて言ったのかしら?
「それにしても、ミレニア様のウエディングドレス姿、とても奇麗ですわ!でも私のドレスも凄いのですよ。3ヶ月後、楽しみにしていてくださいね」
「あら、そうなの?それは楽しみね」
コンコン
「王太子殿下、ミレニア様、そろそろお時間です」
「あら、もうそんな時間なのね。それではミレニア様、クラウド殿下。また後程」
ソフィー様とマシュー様が急いで部屋から出て行った。私とクラウド様も、入場口へと移動した。
その時だった。急に真剣な表情になったクラウド様。
「ミレニア、僕に人の温もり、愛し愛される喜びを教えてくれてありがとう。これからも僕の側にずっと居て欲しい。ミレニア、愛しているよ!」
「クラウド様…私も、クラウド様を愛しています。これからもよろしくお願いします!」
前世の記憶が戻って以降、本当に色々な事があった。時にはくじけそうになる事もあった。クラウド様を失いそうになり、絶望の淵に立たされたこともあった。でもこうやって今、クラウド様と一緒に未来を歩む事が出来る。
そう、小説の物語は半年前に終わった。そして今日から、また新たな物語が始まろうとしている。正直どんな物語が始まるかは分からない。でも、クラウド様とならきっと素敵な物語を作れる気がする。
「それじゃあ、行こうか」
「はい!」
しっかりクラウドと腕を組んだミレニア。大きな拍手の中、物語の新たな1ページを開くべく、ゆっくりバージンロードを歩いて行く2人であった。
おしまい
~あとがき~
これにて完結になります。
王妃や元第三王子の処罰が甘すぎるのでは?そんな意見もありそうですが、その点はどうか大目に見て頂けると助かります(;^_^A
また気が向いたら番外編も書いて行こうと考えています!
最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m
ただ、やはりソフィー様やマシュー様がいなくなったと言う現実は思ったより辛く、寂しい日々を送っている。そして、いよいよ卒業まで残りわずかとなり、学院内も慌ただしくなってきた。
そうそう、ソフィー様とマシュー様が旅立った翌日、クラウド様が正式に王太子になる事が発表された。そしてその翌日、私とクラウド様が正式に婚約を結ぶことが決まったのだ。
ただ、急遽王太子になったクラウド様は、今から猛スピードで国王になる為の勉強を行わなければならず、物凄く忙しそうだ。ただでさえ2人がいなくなって寂しいのに、クラウド様まで忙しいとあって、今の私は寂しくて死にそうだ。
そんな私を心配した令嬢たちがお茶に誘ってくれたり、グラディス先生にこき使われたりと、何とか寂しさを紛らわせている。
ちなみに私は元々王妃になる為の教育を受けていたので、今更どうって事もない。そんな私に対しお母様が
「結局ミレニアは王妃になる運命なのね」
なんて言って笑っていた。
そして王宮内も今、かなり慌ただしい。王太子が変わったのはもちろん、クラウド様は17歳だ。本来王族は貴族学院を卒業と同時に、婚約者と結婚するのが一般的。
その為、私とクラウド様の結婚式が、既に半年後に決まっている。その準備に大忙しなのだ。婚約から半年で結婚なんて…そう思ったが、今はそんな事を言っていられないらしい。
ただでさえ、今回の事件で貴族たちにも動揺が広がっている。その動揺を打ち消す為にも、一刻も早く私とクラウド様が結婚して王家を盛り上げていきたいらしい。
まあ、この1年で私もクラウド様も貴族界での評判は有難い事にうなぎ登りだったそうなので、すぐに落ち着くだろうとお父様が言っていた。
そして今日は、なぜか陛下に呼び出されて王宮に来ている。隣にはもちろん、クラウド様もいる。
「ミレニア嬢、急に呼び出して悪かったね。実は今日、どうしても一緒に来て欲しい場所があるんだ。付き合ってくれるかい?」
「はい、もちろんです」
一体どこに行くのだろう。クラウド様に聞いても、知らないと言っていたし…
馬車に乗り込み、向かった先は
え?お墓?
訳が分からないまま、陛下に着いて行く。そして、あるお墓の前で立ち止まった。
「クラウド、ミレニア嬢、ここには私が愛した女性、クラウドの母親が眠っているんだ」
え?クラウド様のお母様が!
「彼女は男爵令嬢と身分は低かったが、聡明でとても優しい女性だった。そんな彼女に夢中になったよ!でも、私が愛したばっかりに、彼女は命を落とした。そしてクラウド、彼女の唯一の忘れ形見だったお前にも、本当に酷い事をしてしまった。バカな呪いなんかを信じ、お前を遠ざけた。きっと彼女も今頃怒っているだろう…」
そう言うと、遠くを見つめた陛下。
「父上、母上がどんな人だったかは知りませんが、きっと母上は父上を怒っていないと思いますよ。それに、確かに辛い事もあったけれど、僕は今幸せですし!だから、父上もそんな顔をしないで下さい!」
「クラウド!ありがとう…お前と話していると、彼女と話している様で懐かしい気持ちになるのはなぜだろうな」
そう言ってクラウド様を抱きしめた陛下。きっと陛下にも、私たちの知らない苦しみがあったのだろう。
クラウド様のお母様のお墓にお花を供えた後、3人で手を合わせた。
“クラウド様のお母様、初めまして!クラウド様を産んで下さり、ありがとうございます!クラウド様は私が絶対幸せにしますので、安心してくださいね“
手を合わせながら、そう心の中で呟いた。
手を合わせた後は、「また来るね」そう言い残し、お墓を後にした。その後は3人で街に出て、食事をした。と言っても、さすがに陛下と王太子、さらにその婚約者が普通に街で食事をする訳にはいかないので、執事が予め予約したお店を貸切してもらい食事をした。
嬉しそうに話をするクラウド様を優しく見つめる陛下。これからは、こんな風景がずっと続くのだろう。こうやって少しずつ陛下とクラウド様の仲も改善されて行くのだと、私は確信している。
~半年後~
「ミレニア、準備は出来たかい?」
真っ白なタキシードに身を包んだクラウド様が、私の元へとやって来た。そう、今日は私たちの結婚式だ。私も真っ白なウエディングドレスに身を包んでいる。
「ええ、出来ましたわ。それにしても、クラウド様のタキシード姿、とてもカッコいいですわ!惚れ惚れします」
いつもの様にクラウド様にすり寄ったのだが、なぜか反応が無い。
「クラウド様?」
心配になって名前を呼ぶと
「ごめん、ミレニアがあまりにも奇麗だったから、つい見とれてしまったんだ。それにしても、今日のミレニアは本当に美しいよ」
「クラウド様!」
お互いの顔が近づき、唇が触れようとしたその時だった。
「ミレニア様、お久しぶりです!会いたかったですわ」
そう言って控え室に入って来たのは、ソフィー様だ。後ろで申し訳なさそうにマシュー様も立っていた。そう、今回はパルメラーネ王国の王太子の結婚式とあって、他国の王族も沢山参加してくれているのだ。
もちろん、ソフィー様とマシュー様もだ!約半年ぶりに会うソフィー様とマシュー様。懐かしくて、ついソフィー様と抱き合ってしまった。
ちなみに2人も、3ヶ月後に結婚する事が決まっている。もちろん、私たちも参加予定だ。
「ソフィー様もマシュー様も、わざわざ来てくれてありがとうございます」
「急に控え室まで押しかけてごめん!ソフィーがどうしてもって聞かなくて…」
申し訳なさそうに謝るマシュー様。
「本当ですよ、兄上!せっかくいいところだったのに…」
「まあまあ、落ち着けクラウド、今夜は初夜だろう!それまで待て」
マシュー様が小声でクラウド様に何か伝えている。その瞬間、真っ赤な顔になったクラウド様。なぜか、黙り込んでしまった。一体なんて言ったのかしら?
「それにしても、ミレニア様のウエディングドレス姿、とても奇麗ですわ!でも私のドレスも凄いのですよ。3ヶ月後、楽しみにしていてくださいね」
「あら、そうなの?それは楽しみね」
コンコン
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「あら、もうそんな時間なのね。それではミレニア様、クラウド殿下。また後程」
ソフィー様とマシュー様が急いで部屋から出て行った。私とクラウド様も、入場口へと移動した。
その時だった。急に真剣な表情になったクラウド様。
「ミレニア、僕に人の温もり、愛し愛される喜びを教えてくれてありがとう。これからも僕の側にずっと居て欲しい。ミレニア、愛しているよ!」
「クラウド様…私も、クラウド様を愛しています。これからもよろしくお願いします!」
前世の記憶が戻って以降、本当に色々な事があった。時にはくじけそうになる事もあった。クラウド様を失いそうになり、絶望の淵に立たされたこともあった。でもこうやって今、クラウド様と一緒に未来を歩む事が出来る。
そう、小説の物語は半年前に終わった。そして今日から、また新たな物語が始まろうとしている。正直どんな物語が始まるかは分からない。でも、クラウド様とならきっと素敵な物語を作れる気がする。
「それじゃあ、行こうか」
「はい!」
しっかりクラウドと腕を組んだミレニア。大きな拍手の中、物語の新たな1ページを開くべく、ゆっくりバージンロードを歩いて行く2人であった。
おしまい
~あとがき~
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