転生公爵令嬢は悲劇の運命しかない推しを守りたい!

Karamimi

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第56話:お別れの時がやって来ました

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翌日、今日は貴族学院がお休みだ。と言っても、ここ数日ずっと貴族学院を休んでいたから、あまり休みだと言う実感はないが…

ソフィー様と一緒に朝食を食べた後、2人で一緒に王宮へと向かった。そう、今日1日は私も王宮で過ごす事になったのだ。王宮に着くと、早速マシュー様とクラウド様が飛んできた。

今回クラウド様が正式に王太子になる事が決まったという事で、昨日から王宮で生活を始めているらしい。そのため、今離宮にあるクラウド様の荷物をせっせと運んでいる使用人たち。物凄く忙しそうだ。

ちなみに離宮でクラウド様のお世話をしていたメイドたちは、そのまま王宮の方でも働くとの事。

そしてマシュー様始め、王妃様やポレスティレイ王国の元第三王子もファーム王国に行くという事で、せっせと準備をしている。本来罪人でもある王妃様や元第三王子なのだが、なぜかマシュー様の両親として招き入れられるらしい。

さすがにそれは…そう思ったが、ソフィー様のお父様でもある国王が

「一歩間違えれば我がファーム王国も、ポレスティレイ王国と同じ運命を辿っていたかもしれない。そもそも、我が国とポレスティレイ王国とは昔から仲が良かったのだ。あの時、ポレスティレイ王国を助けられなかったことを、私の父(先代国王)も酷く後悔していた。これは我が国が出来る唯一の償いでもある。パルメラーネ王国にとっては許し難いことかもしれないが、どうか目を瞑って欲しい」

そう言って頭を下げられてはどうすることも出来ない。そもそも当事者でもあるソフィー様やクラウド様が納得している様なので、外野がとやかく言うのもおかしいしね。

ちなみにファーム王国の国王と元第三王子は顔見知りだった様で、2人で話している姿を見かけた。ソフィー様曰く、2人は元々友人だったようだ。


引っ越しの準備を手伝った後は、4人で昨日頼んでおいたブレスレットを取りに行った。

「まあ、本当に素敵ですわ。これを付けていれば、いつでもミレニア様と繋がっている感じがしますわね」

そう言って嬉しそうに笑ったソフィー様。

「せっかくなら皆同じ場所に付けよう。そうだな、左腕に付けるのはどうだい?」

「確かに左なら邪魔になりませんものね。そうしましょう」

マシュー様の提案で、皆左腕に付けた。4人お揃いの物を付けるって、やっぱり良いわね。

夜は王宮で最後の晩餐を皆で頂いた。王宮でも盛大なお別れパーティーが行われ、皆で夜遅くまで食事を楽しんだ。そう、明日にはソフィー様達はファーム王国に帰ってしまう…それがどうしても寂しくて、つい王宮に長居してしまった。

「ミレニア、そろそろ帰るぞ」

お父様に声を掛けられても、無視し続ける事1時間。さすがに我慢の限界に来たお父様に、無理やり腕を引っ張られ退場させられた。

お父様ったら、強引なんだから!公爵家に戻ると、急いで湯あみを済ませ、ベッドに入る。明日はいよいよソフィー様やマシュー様とお別れだ。この数ヶ月、本当に色々な事があった。でも、最後には2人とも仲良くなれた。せっかく仲良くなれたのに、お別れか…

そう思ったら涙がとめどなく溢れだす。分かっている!このお別れは2人にとってある意味門出でもある。分かってはいるが寂しくてたまらない。今たっぷり泣いておけば、きっと明日は笑顔でお別れ出来るわ。

だから、今だけ…今だけは、この思いを思う存分発散させよう。結局夜遅くまで1人涙を流し続けたミレニアだった。


翌日
朝一番にお父様と一緒に港へとやって来た。そう、今日はソフィー様やマシュー様がファーム王国へと旅立つ日だ。ファーム王国へは船で行くという事もあり、港でお見送りをする事になったのだ。


「ミレニア様、今まで本当にありがとうございました。あなた様に出会えて、私の人生は180度変わりました。本当はミレニア様のお側にずっといるつもりでしたのに、こんな形になり申し訳ございません」

「私もソフィー様と一緒に過ごせて、とても幸せだったわ。お互い離れていても、このブレスレットがあるのですもの。心はずっと一緒よ!」

「ミレニア様!」

ギューッと私に抱き着いて来るソフィー様。この温もりも、しばらくは感じる事はないだろう。そう思ったら、急に涙が込み上げて来た。ダメよ、今日は笑顔でお見送りすると決めたのだから!

「ミレニア嬢、君には色々な面でソフィーを助けてくれたと聞いている。本当にありがとう。またいつでもファーム王国に遊びに来てくれ!」

「ありがとうございます、国王陛下」

ファーム王国の国王に差し出された手を握る。それにしても、ただの公爵令嬢が大国の国王と握手するなんて、良かったのかしら?

「ミレニア、クラウドの事を頼んだよ。クラウド、お前には今まで随分と酷い事をしてしまってすまなかった」

「何を言っているのですか兄上!兄上が僕の為に色々としてくれた事は知っています。離れていても、僕達兄弟の絆は切れることはありませんから」

「クラウド~!!」

こちらも抱き合っている。

「それじゃあ、そろそろ行こうか」

ファーム王国の国王の言葉で、皆が船に乗り込もうとした時だった。

「「「「マシュー様!ソフィー様!」」」」

この声は!

そう、クラスメートの皆だ。どうやら2人を見送りに来てくれた様だ。後ろには、グラディス先生もいた。

「皆、どうして!」

「そうしてもこうしてもないですよ!黙って行こうなんて、水くさいじゃないですか!」

「そうですよ!マシュー様もソフィー様も、私たちの大切なクラスメートなのです。見送りに来るのは当然ですよ!」

「マシュー様、ソフィー様、ファーム王国に行っても私たちの事、忘れないで下さいよ」

「またいつでもパルメラーネ王国に遊びに来て下さい!」

「これ、皆で作ったのです。よかったら持って行ってください!」

貝殻で出来たネックレスをソフィー様とマシュー様の首に掛けたクラスメートたち。

「2人共、幸せに暮らせよ!パルメラーネ王国に来た時は学院にも遊びに来いよ」

そう言ったのはグラディス先生だ。どうやら先生が皆を連れて来てくれた様だ。

「皆、ありがとう。本当に…ありがとう…」

「お前たちの事は絶対忘れないよ!またファーム王国にも遊びに来てくれ」

涙を流すソフィー様を見て、私を含む令嬢たちの涙腺も崩壊した。

「それじゃあ皆、本当にありがとう」

マシュー様に肩を抱かれ、船へと乗り込むソフィー様。2人がデッキに着くと、ゆっくり船が動き出す。

「ソフィー様、マシュー様。お元気で!」

必死に手を振る。

ソフィー様とマシュー様も手を振り返してくれた。船が見えなくなるまで、皆で手を振った。ソフィー様、マシュー様、お元気で!どうかファーム王国で、お幸せになってください!



※次回最終話です。
よろしくお願いしますm(__)m
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