前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません

Karamimi

文字の大きさ
22 / 100

第22話:皆様が気を使ってくださいます

しおりを挟む
「お嬢様、セシル様からお菓子と花束のプレゼントが、アレック様からはお手紙とお菓子が届いております」

「まあ、セシル様とアレック様が。なんて綺麗なお花なのでしょう。それにお菓子も美味しそうね。お手紙も早速読むわ。お2人とも昨日はとても親切にして下さったの。私もお礼の手紙を書こうと思っていたところよ。

 でも、手紙だけではダメよね。お2人には、何かプレゼントをしないと。一体何がいいかしら?」

「それでしたら、ハンカチに刺繍を入れられるのはいかがですか?最近お嬢様は、刺繍の練習もしていらっしゃるでしょう。きっとお2人とも、喜ばれますわ」

 刺繍か。確かにいいかもしれないわね。

「それはいいアイデアだわ。ありがとう、早速刺繍をハンカチに入れないと。それにお礼のお手紙も書かないといけないわね。準備してくれるかしら?」

「承知いたしました」

 昨日は前世の記憶が戻ってから、初めての夜会だったが、皆とても優しくしてくれた。特にセシル様とアレック様とは、とても仲良くなった。ダンスも一緒に踊ってもらったし、お兄様が令嬢のところに行っている間は、中庭を案内してくれたりした。

 2人とも、とても素敵な方たちだったのだ。前世では全くと言っていいほど、異性と触れ合う事がなかったため、なんだか新鮮だ。

 私も公爵令嬢だ、いつか素敵な殿方を見つけて、結婚をする事になるだろう。可能であれば、彼らの様な優しい人と、結婚したいな…

 なんて、まだまだ先の話よね。

 さて、どんな刺繍を入れようかしら?アレック様は勉学が優れているから、本とペンの刺繍がいいわね。

 セシル様は武術に優れていらっしゃるから、剣と盾を。まずは刺繍を入れるために、イラストを描いていく。そしてその絵にそって、一針一針入れていく。私はまだ、刺繍を始めたばかり。

 その為、失敗しない様にゆっくり丁寧に入れていく。お2人とも喜んでくれるといいな。

「お嬢様、少し休憩なされたらいかがですか?ずっと刺繍を入れられていて、疲れたでしょう。お茶を入れますね」

「ありがとう、それじゃあ、少し休憩をしようかしら。あら?お父様とお兄様、どこかに出掛けていたのかしら?」

 窓の外を見ると、ちょうどお父様とお兄様が帰ってきたのだ。急いで玄関へと向かう。

「おかえりなさい、お父様、お兄様。2人でどこに行っていたのですか?」

「ああ、ちょっとね。ソフィーナは何をしていたのだい?」

「私は刺繍を入れておりましたの。今日セシル様とアレック様が、私にプレゼントを贈って下さったので。そのお礼にと思いまして。お2人とも、昨日はとてもよくしてくださっただけでなく、わざわざ贈り物をして下さるだなんて。私、嬉しくて」

「そうだったのだね。ソフィーナは、セシル殿とアレック殿、どちらかと結婚したいと考えているかい?」

「父上!ソフィーナ、父上の言う事は気にしなくてもいいよ」

「お2人のどちらかと結婚ですか?正直まだその様な事は考えていませんでした。ただ、私は公爵令嬢です。いつかは誰かの元に嫁ぐのだとは思っておりましたが…」

 お父様の口から、結婚という言葉が出たという事は、私もそろそろ誰かと婚約をするのかしら?そうよね、我が家はこの国で一番権力を持った貴族だ。早いうちに婚約者を決めるのは、自然の流れ。

「今すぐ誰かと婚約をとは、私も考えていないよ。ただ、ソフィーナはもう13歳だ。そろそろ、異性を意識して見てくれたらと思っただけだよ。もちろん、無理に結婚する必要はない。君の気持ちを、私もソリティオも大切にしたいと考えているからね」

「そうだよ、ソフィーナ。君の気持ちが一番大切なんだ。無理して相手を早く見つけようと考える必要はないからね。それにしても、セシルだけでなくアレックまでも、ソフィーナに贈り物をしていただなんて…」

 お兄様が不満そうな顔で呟いた。

 お父様やお兄様はああ言ってくれているけれど、私ももう13歳。そろそろ本格的に、殿方たちにも目を向けていかないといけないだろう。でも、こんな私を好きになってくれるもの好きなんて、いるのかしら?
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】記憶喪失の令嬢は無自覚のうちに周囲をタラシ込む。

ゆらゆらぎ
恋愛
王国の筆頭公爵家であるヴェルガム家の長女であるティアルーナは食事に混ぜられていた遅延性の毒に苦しめられ、生死を彷徨い…そして目覚めた時には何もかもをキレイさっぱり忘れていた。 毒によって記憶を失った令嬢が使用人や両親、婚約者や兄を無自覚のうちにタラシ込むお話です。

『婚約なんて予定にないんですが!? 転生モブの私に公爵様が迫ってくる』

ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。 現代で過労死した原田あかりは、愛読していた恋愛小説の世界に転生し、主人公の美しい姉を引き立てる“妹モブ”ティナ・ミルフォードとして生まれ変わる。今度こそ静かに暮らそうと決めた彼女だったが、絵の才能が公爵家嫡男ジークハルトの目に留まり、婚約を申し込まれてしまう。のんびり人生を望むティナと、穏やかに心を寄せるジーク――絵と愛が織りなす、やがて幸せな結婚へとつながる転生ラブストーリー。

『まて』をやめました【完結】

かみい
恋愛
私、クラウディアという名前らしい。 朧気にある記憶は、ニホンジンという意識だけ。でも名前もな~んにも憶えていない。でもここはニホンじゃないよね。記憶がない私に周りは優しく、なくなった記憶なら新しく作ればいい。なんてポジティブな家族。そ~ねそ~よねと過ごしているうちに見たクラウディアが以前に付けていた日記。 時代錯誤な傲慢な婚約者に我慢ばかりを強いられていた生活。え~っ、そんな最低男のどこがよかったの?顔?顔なの? 超絶美形婚約者からの『まて』はもう嫌! 恋心も忘れてしまった私は、新しい人生を歩みます。 貴方以上の美人と出会って、私の今、充実、幸せです。 だから、もう縋って来ないでね。 本編、番外編含め完結しました。ありがとうございます ※小説になろうさんにも、別名で載せています

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。

【電子書籍化進行中】声を失った令嬢は、次期公爵の義理のお兄さまに恋をしました

八重
恋愛
※発売日少し前を目安に作品を引き下げます 修道院で生まれ育ったローゼマリーは、14歳の時火事に巻き込まれる。 その火事の唯一の生き残りとなった彼女は、領主であるヴィルフェルト公爵に拾われ、彼の養子になる。 彼には息子が一人おり、名をラルス・ヴィルフェルトといった。 ラルスは容姿端麗で文武両道の次期公爵として申し分なく、社交界でも評価されていた。 一方、怠惰なシスターが文字を教えなかったため、ローゼマリーは読み書きができなかった。 必死になんとか義理の父や兄に身振り手振りで伝えようとも、なかなか伝わらない。 なぜなら、彼女は火事で声を失ってしまっていたからだ── そして次第に優しく文字を教えてくれたり、面倒を見てくれるラルスに恋をしてしまって……。 これは、義理の家族の役に立ちたくて頑張りながら、言えない「好き」を内に秘める、そんな物語。 ※小説家になろうが先行公開です

見た目は子供、頭脳は大人。 公爵令嬢セリカ

しおしお
恋愛
四歳で婚約破棄された“天才幼女”―― 今や、彼女を妻にしたいと王子が三人。 そして隣国の国王まで参戦!? 史上最大の婿取り争奪戦が始まる。 リュミエール王国の公爵令嬢セリカ・ディオールは、幼い頃に王家から婚約破棄された。 理由はただひとつ。 > 「幼すぎて才能がない」 ――だが、それは歴史に残る大失策となる。 成長したセリカは、領地を空前の繁栄へ導いた“天才”として王国中から称賛される存在に。 灌漑改革、交易路の再建、魔物被害の根絶…… 彼女の功績は、王族すら遠く及ばないほど。 その名声を聞きつけ、王家はざわついた。 「セリカに婿を取らせる」 父であるディオール公爵がそう発表した瞬間―― なんと、三人の王子が同時に立候補。 ・冷静沈着な第一王子アコード ・誠実温和な第二王子セドリック ・策略家で負けず嫌いの第三王子シビック 王宮は“セリカ争奪戦”の様相を呈し、 王子たちは互いの足を引っ張り合う始末。 しかし、混乱は国内だけでは終わらなかった。 セリカの名声は国境を越え、 ついには隣国の―― 国王まで本人と結婚したいと求婚してくる。 「天才で可愛くて領地ごと嫁げる?  そんな逸材、逃す手はない!」 国家の威信を賭けた婿争奪戦は、ついに“国VS国”の大騒動へ。 当の本人であるセリカはというと―― 「わたし、お嫁に行くより……お昼寝のほうが好きなんですの」 王家が焦り、隣国がざわめき、世界が動く。 しかしセリカだけはマイペースにスイーツを作り、お昼寝し、領地を救い続ける。 これは―― 婚約破棄された天才令嬢が、 王国どころか国家間の争奪戦を巻き起こしながら 自由奔放に世界を変えてしまう物語。

【完結】番である私の旦那様

桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族! 黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。 バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。 オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。 気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。 でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!) 大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです! 神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。 前半は転移する前の私生活から始まります。

「転生したら推しの悪役宰相と婚約してました!?」〜推しが今日も溺愛してきます〜 (旧題:転生したら報われない悪役夫を溺愛することになった件)

透子(とおるこ)
恋愛
読んでいた小説の中で一番好きだった“悪役宰相グラヴィス”。 有能で冷たく見えるけど、本当は一途で優しい――そんな彼が、報われずに処刑された。 「今度こそ、彼を幸せにしてあげたい」 そう願った瞬間、気づけば私は物語の姫ジェニエットに転生していて―― しかも、彼との“政略結婚”が目前!? 婚約から始まる、再構築系・年の差溺愛ラブ。 “報われない推し”が、今度こそ幸せになるお話。

処理中です...