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第44話:作戦開始だ~ファラオ視点~
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ソラ嬢は、幼馴染のルドルフ殿を好きだと言っていた。だが当のルドルフ殿は、ソラ嬢の事をどう思っているのだろう。この2人が上手くくっ付いてくれたら。
すぐに僕は、ルドルフ殿に近づいた。するとルドルフ殿も、ソラ嬢が好きだという事がわかったのだ。さらに家同士も仲が良く、ソラ嬢とルドルフ殿を結婚させられたら、なんて話も出ていた様だ。
それなら話は早い。そう思い、ルドルフ殿とローディン伯爵の元に向かい、僕の気持ちを伝えたのだ。僕がどれほどソフィーナ嬢を愛しているか、そしてソラ嬢が無理やり僕の婚約者にさせられそうになったことも。
「ルドルフ殿は、ソラ嬢を愛しているのですよね。それなら、どうか自分の気持ちを伝えて下さい。このままだと、僕もソラ嬢もルドルフ殿も、望まぬ道を進みますよ。あなたとソラ嬢がさっさと婚約を結んでしまえば、後は僕の方でうまくやりますから」
そうルドルフ殿をまくしたて、ローディン伯爵とアレソーヌ侯爵にも協力を仰いだ。さらに父上からも正式にアレソーヌ侯爵とソラ嬢に謝罪をおこなった事、2人の婚約を祝福する旨が正式に伝えられた事で、2人はとんとん拍子に話が進んでいった。
2人のイメージが悪くならないように、さすがに15歳になる僕にパートナー役がいないのはおかしいと考え、ソラ嬢に臨時でパートナーをお願いしただけで、元々僕たちは婚約をする予定ではなかった。
そして僕たちはその証拠に、思い人の瞳の色の衣装をそれぞれ身にまとっていたと、大々的に公表したのだ。
そのうえ無理にソラ嬢を僕のパートナーにとごり押しした高貴貴族たちも、無理に押し付けたことへの罪悪感からか、話しを合わせてくれたのだ。その結果、貴族たちはその話を素直に受け入れてくれた様だ。
こうして無事、ソラ嬢とルドルフ殿は正式に婚約を結ぶことが出来たのだ。
これでやっと僕も、ソフィーナ嬢のアプローチできる。どうやら僕が動けなかった間に、アレックとセシルが、ソフィーナ嬢と2人きりでデートをしたらしい。
早く挽回しないと!早速ソフィーナ嬢を、王宮に呼び出そう。
そう思っていた時だった。
「殿下、この度は本当にありがとうございました。お陰でルドルフ様と婚約が出来ましたわ。それもこれも、殿下のお陰です。殿下が私たちの為に身を粉にして動いて下さった事、感謝してもしきれません。
どうか私にも、殿下の力にならせていただけないでしょうか?明日、ソフィーナ様のお宅に伺う事になっているのです。そこで殿下の魅力を、それとなく伝えてきますわ。殿下も幸せになって頂きたいのです」
そう言ってくれたソラ嬢。せっかく彼女がそう言ってくれているので、僕は甘える事にした。
そしてソラ嬢がソフィーナ嬢に会いに行った翌日、ソフィーナ嬢に会う約束を取り付ける事に成功したのだ。
ソラ嬢が上手くソフィーナ嬢に話してくれていたお陰か、僕に好意的な態度を見せてくれたソフィーナ嬢。それどころか、今まで迷惑をかけた分、僕の言う事を何でも聞いてくれるとまで言ってくれたのだ。
目を輝かせて訴えてくる。ただ、何やら僕が別の令嬢を好きだと勘違いしている様だが…まあいい、僕の願いはただ1つ。ソフィーナ嬢との結婚だ。
何でも言う事を聞いてくれるというソフィーナ嬢の言葉に甘えてその事を伝えたのだが、全く予想だにしていなかった返事が返ってきたからか、ソフィーナ嬢は完全にパニックになっていた。
顔を真っ赤にしてうろたえるソフィーナ嬢。その姿が可愛くて仕方がない。パニックになっているソフィーナ嬢に、さらに詰め寄った。
あと一押しか?そう思った時に、公爵が現れソフィーナ嬢を連れて行ってしまったのだ。
おのれ公爵!そう思ったが、少なくとも僕の気持ちを彼女に伝える事が出来た。それに、ソフィーナ嬢は僕の言う事を何でも聞いてくれると約束したのだ。
今まで溜め込んでいた思いが、一気にあふれ出す。僕はずっとずっとソフィーナを待ち続けていたのだ。もうこれ以上、我慢するつもりはない。
これからは押して押して押しまくろう。彼女が僕をもっともっと意識してくれる様に。
その為にも、ソフィーナとの時間をもっと増やさないと!
※長くなりましたが、次回、ソフィーナ視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
すぐに僕は、ルドルフ殿に近づいた。するとルドルフ殿も、ソラ嬢が好きだという事がわかったのだ。さらに家同士も仲が良く、ソラ嬢とルドルフ殿を結婚させられたら、なんて話も出ていた様だ。
それなら話は早い。そう思い、ルドルフ殿とローディン伯爵の元に向かい、僕の気持ちを伝えたのだ。僕がどれほどソフィーナ嬢を愛しているか、そしてソラ嬢が無理やり僕の婚約者にさせられそうになったことも。
「ルドルフ殿は、ソラ嬢を愛しているのですよね。それなら、どうか自分の気持ちを伝えて下さい。このままだと、僕もソラ嬢もルドルフ殿も、望まぬ道を進みますよ。あなたとソラ嬢がさっさと婚約を結んでしまえば、後は僕の方でうまくやりますから」
そうルドルフ殿をまくしたて、ローディン伯爵とアレソーヌ侯爵にも協力を仰いだ。さらに父上からも正式にアレソーヌ侯爵とソラ嬢に謝罪をおこなった事、2人の婚約を祝福する旨が正式に伝えられた事で、2人はとんとん拍子に話が進んでいった。
2人のイメージが悪くならないように、さすがに15歳になる僕にパートナー役がいないのはおかしいと考え、ソラ嬢に臨時でパートナーをお願いしただけで、元々僕たちは婚約をする予定ではなかった。
そして僕たちはその証拠に、思い人の瞳の色の衣装をそれぞれ身にまとっていたと、大々的に公表したのだ。
そのうえ無理にソラ嬢を僕のパートナーにとごり押しした高貴貴族たちも、無理に押し付けたことへの罪悪感からか、話しを合わせてくれたのだ。その結果、貴族たちはその話を素直に受け入れてくれた様だ。
こうして無事、ソラ嬢とルドルフ殿は正式に婚約を結ぶことが出来たのだ。
これでやっと僕も、ソフィーナ嬢のアプローチできる。どうやら僕が動けなかった間に、アレックとセシルが、ソフィーナ嬢と2人きりでデートをしたらしい。
早く挽回しないと!早速ソフィーナ嬢を、王宮に呼び出そう。
そう思っていた時だった。
「殿下、この度は本当にありがとうございました。お陰でルドルフ様と婚約が出来ましたわ。それもこれも、殿下のお陰です。殿下が私たちの為に身を粉にして動いて下さった事、感謝してもしきれません。
どうか私にも、殿下の力にならせていただけないでしょうか?明日、ソフィーナ様のお宅に伺う事になっているのです。そこで殿下の魅力を、それとなく伝えてきますわ。殿下も幸せになって頂きたいのです」
そう言ってくれたソラ嬢。せっかく彼女がそう言ってくれているので、僕は甘える事にした。
そしてソラ嬢がソフィーナ嬢に会いに行った翌日、ソフィーナ嬢に会う約束を取り付ける事に成功したのだ。
ソラ嬢が上手くソフィーナ嬢に話してくれていたお陰か、僕に好意的な態度を見せてくれたソフィーナ嬢。それどころか、今まで迷惑をかけた分、僕の言う事を何でも聞いてくれるとまで言ってくれたのだ。
目を輝かせて訴えてくる。ただ、何やら僕が別の令嬢を好きだと勘違いしている様だが…まあいい、僕の願いはただ1つ。ソフィーナ嬢との結婚だ。
何でも言う事を聞いてくれるというソフィーナ嬢の言葉に甘えてその事を伝えたのだが、全く予想だにしていなかった返事が返ってきたからか、ソフィーナ嬢は完全にパニックになっていた。
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今まで溜め込んでいた思いが、一気にあふれ出す。僕はずっとずっとソフィーナを待ち続けていたのだ。もうこれ以上、我慢するつもりはない。
これからは押して押して押しまくろう。彼女が僕をもっともっと意識してくれる様に。
その為にも、ソフィーナとの時間をもっと増やさないと!
※長くなりましたが、次回、ソフィーナ視点に戻ります。
よろしくお願いいたします。
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