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第62話:断罪の時間です~ブラッド視点~
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完全にラドル殿が動揺して、訳の分からない事を言っている。そう、彼はラドル殿が雇った裏の組織の人間ではなく、我が家で雇っているスパイだ。
ラドル殿が裏の組織を探しているという情報を仕入れた俺は、スパイを裏の組織に潜入させたのだ。そして裏の組織の人間を装い、ラドル殿と接触させた。
「ラドル殿、彼はね。我がヴォーレル侯爵家で雇用している、スパイなのだよ。君、この人にアントアーネを誘拐する様に、依頼されたのだよね?」
「ええ、そうです。ラドル様とのやり取りは、全てここにおさめられております」
彼が録音機のボタンを押したのだ。
“いいかい?絶対に失敗は許されないよ。アントアーネがブラッドと離れたすきに、彼女を攫うんだ。ブラッドの奴、いつもアントアーネの傍にピッタリくっ付いているからな。
あいつが唯一アントアーネから離れる、お手洗いに行くタイミングで攫うんだ。当日アントアーネの飲み物に、利尿作用のある薬を混ぜて飲ませてくれ。
それから、手前のお手洗いは全て使用禁止にしておいた方がいいね。万が一誰かに見られたら、大変だ。奥なら人目が届きにくいからね。
いいかい、パーティが始まってから行動に移すのだよ。きっとブラッドは、来客の相手をして、アントアーネのお手洗いまで付いていけないからね。
アントアーネを捕まえたら、地下牢にでも閉じ込めておいてくれ。アントアーネの奴、ずっとブラッドにベッタリで、僕に酷い態度ばかり取っていたからね。少しお仕置きも必要だろう“
再生が終わると、会場中が静まり返っている。何度聞いても、非常に腹立たしい内容だ。
「違う…これは僕ではない。こんなものは偽造だ!」
ラドル殿が必死に叫んでいるが…
「偽造だなんて…でも、声は確かにラドル様のものでしたわよね」
「確かにラドルの奴、ずっとアントアーネ嬢に執着していたもんな…まさか誘拐を企てるだなんて…」
周りからも、ラドル殿に関する不審の声が上がり始める。
「ラドル殿、映像もありますよ。確認しますか?」
さらに、実際実行役に指示を出している映像や、アントアーネの誘拐に成功したという報告を、スパイがしたときの映像も流れる。他にも契約書なども公開した。
「ラドル殿、ここまで証拠がそろっているのだから、もう言い逃れは出来ないよ。君は今日、アントアーネを誘拐しようとしたね」
俺の問いかけに、ラドル殿は全く答えない。その時だった、ラドル殿のご両親が駆け寄って来たのだ。
「ブラッド殿、アントアーネ嬢、今回の件、本当に申し訳ございませんでした。まさか息子が、この様な恐ろしい事をするだなんて。ですがそれは、アントアーネ嬢の事が好きだという、純粋な気持ちだったのです。ですからどうか、寛大なご判断を」
「どうかお願いします。ラドルはずっと、アントアーネちゃんの事が大好きだったのです。その気持ちが、少し歪んでしまっただけなのです。この子はまだ、16歳です。どうかやり直すチャンスを与えてやってください。お願いします」
ラドル殿のご両親が、必死に頭を下げている。彼らも気の毒だが、あんなモンスターを育てた責任が全くない訳ではない。
「ラドル殿の純粋な愛情だから、アントアーネを誘拐してもいいという事ですか?彼女はこの国の伯爵令嬢です。もし彼女がいなくなったら、伯爵や夫人、兄上でもあるアントニオ殿がどれほど心を痛めるか。
もしかしたら、アントアーネをきちんと見ていなかった専属使用人たちが、罰せられるかもしれない。それに伯爵令嬢がいなくなったとなれば、大規模な捜索も行われるでしょう。そうなれば、皆にも多大なる迷惑と莫大な費用が生じます。
あなた達は、その辺を理解しているのですか?それに…」
ラドル殿が裏の組織を探しているという情報を仕入れた俺は、スパイを裏の組織に潜入させたのだ。そして裏の組織の人間を装い、ラドル殿と接触させた。
「ラドル殿、彼はね。我がヴォーレル侯爵家で雇用している、スパイなのだよ。君、この人にアントアーネを誘拐する様に、依頼されたのだよね?」
「ええ、そうです。ラドル様とのやり取りは、全てここにおさめられております」
彼が録音機のボタンを押したのだ。
“いいかい?絶対に失敗は許されないよ。アントアーネがブラッドと離れたすきに、彼女を攫うんだ。ブラッドの奴、いつもアントアーネの傍にピッタリくっ付いているからな。
あいつが唯一アントアーネから離れる、お手洗いに行くタイミングで攫うんだ。当日アントアーネの飲み物に、利尿作用のある薬を混ぜて飲ませてくれ。
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いいかい、パーティが始まってから行動に移すのだよ。きっとブラッドは、来客の相手をして、アントアーネのお手洗いまで付いていけないからね。
アントアーネを捕まえたら、地下牢にでも閉じ込めておいてくれ。アントアーネの奴、ずっとブラッドにベッタリで、僕に酷い態度ばかり取っていたからね。少しお仕置きも必要だろう“
再生が終わると、会場中が静まり返っている。何度聞いても、非常に腹立たしい内容だ。
「違う…これは僕ではない。こんなものは偽造だ!」
ラドル殿が必死に叫んでいるが…
「偽造だなんて…でも、声は確かにラドル様のものでしたわよね」
「確かにラドルの奴、ずっとアントアーネ嬢に執着していたもんな…まさか誘拐を企てるだなんて…」
周りからも、ラドル殿に関する不審の声が上がり始める。
「ラドル殿、映像もありますよ。確認しますか?」
さらに、実際実行役に指示を出している映像や、アントアーネの誘拐に成功したという報告を、スパイがしたときの映像も流れる。他にも契約書なども公開した。
「ラドル殿、ここまで証拠がそろっているのだから、もう言い逃れは出来ないよ。君は今日、アントアーネを誘拐しようとしたね」
俺の問いかけに、ラドル殿は全く答えない。その時だった、ラドル殿のご両親が駆け寄って来たのだ。
「ブラッド殿、アントアーネ嬢、今回の件、本当に申し訳ございませんでした。まさか息子が、この様な恐ろしい事をするだなんて。ですがそれは、アントアーネ嬢の事が好きだという、純粋な気持ちだったのです。ですからどうか、寛大なご判断を」
「どうかお願いします。ラドルはずっと、アントアーネちゃんの事が大好きだったのです。その気持ちが、少し歪んでしまっただけなのです。この子はまだ、16歳です。どうかやり直すチャンスを与えてやってください。お願いします」
ラドル殿のご両親が、必死に頭を下げている。彼らも気の毒だが、あんなモンスターを育てた責任が全くない訳ではない。
「ラドル殿の純粋な愛情だから、アントアーネを誘拐してもいいという事ですか?彼女はこの国の伯爵令嬢です。もし彼女がいなくなったら、伯爵や夫人、兄上でもあるアントニオ殿がどれほど心を痛めるか。
もしかしたら、アントアーネをきちんと見ていなかった専属使用人たちが、罰せられるかもしれない。それに伯爵令嬢がいなくなったとなれば、大規模な捜索も行われるでしょう。そうなれば、皆にも多大なる迷惑と莫大な費用が生じます。
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