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第21話:誤解させていた様です
「待ってくれ、アメリナ」
私を追いかけてきたのは、ルドルフ様だ。一体私に何の用があるというのだろう。
「私に何か御用でしょうか?」
「いや…その、君の好きなマカロンをまだ食べてもらっていなかっただろう。だから、その…」
「そのマカロン、クレア様がとても欲しがっておりましたわ。私は結構ですので、どうかクレア様に差し上げて下さい。それから、昨日の件は誰にも言いません。ですので、どうかご安心を」
あなたが陰で泣いていたことは誰にも言わないから安心して欲しい。そんな意味を込めて、ほほ笑んだ。そしてルドルフ様に会釈をし、その場を後にする。
「待ってくれ、俺は…」
「アメリナ嬢、ちょっといいかな?」
私の傍にやって来たのは、グリーズ様だ。きっと私がルドルフ様に絡まれているのを心配してきてくれたのだろう。本当に優しい人ね。
「ええ、構いませんわ。あちらでゆっくりとお話をしましょう」
グリーズ様と一緒に、中庭へとやって来た。
「グリーズ様、お助けいただいてありがとうございます」
ペコリとグリーズ様に頭を下げた。
「別に僕は何もしていないよ。それよりも、なんだかルドルフ殿、雰囲気が変わったね。少し柔らかくなったというか、何というか…」
「グリーズ様もそう思いますか?もしかすると、クレア様がルドルフ様を変えたのかもしれませんね。まあ、私には関係ない話ですが…」
そう、私には関係ない話なのだ。
「ねえ、アメリナ嬢。本当にルドルフ殿は、君を嫌っているのかい?僕にはそうは見えないな…さっきも切なそうにアメリナ嬢を…」
「私は彼からはっきりと、“あんなうるさい令嬢なんかとは絶対に結婚しない”と言われましたので、あの人は私を嫌っている事は間違いありませんわ。それにずっと私に冷たかったですし。それよりも、来月の夜会ですが、どうですか?サーラを誘えそうですか?」
来月はサーラの誕生日がある。それに合わせて、サーラの家で夜会が行われることになっているのだ。そう、この日からサーラは殿方と婚約を結べるようになるのだ。既に誕生日を迎えているグリーズ様ももちろん、もう婚約を結べる年齢になっている。
「ああ…誘おうとは思っているのだが、もし断られたらと思うと、心配で…」
「何をウジウジしていらっしゃるのですか?私の見たところ、サーラもまんざらではありませんわ。どうか勇気を出してください!大丈夫ですわ、グリーズ様はお優しくて本当に素敵な殿方ですもの。あなた様にならサーラを任せられると、私は思っておりますのよ」
サーラは本当に優しくて素敵な令嬢なのだ。ただ、少し鈍いところがあるが、きっとサーラもグリーズ様の事を気に入っているはずだ!
「ありがとう、アメリナ嬢。君がそう言ってくれると、なんだか勇気が出るよ。僕、サーラ嬢を誘ってみる」
「その意気ですわ、グリーズ様。私もしっかりフォローしますので」
笑顔でグリーズ様に伝えた。
翌日
「アメリナ…実は私、その…」
モジモジと私の元にやって来たサーラ。これはきっと、グリーズ様にエスコートさせてくれないかって言われたのだろう。ただ、恥ずかしいのかモジモジしているばかりで、中々話してこない。
「グリーズ様に今度の夜会で、サーラのエスコートさせてほしいと言われたのでしょう?」
「どうしてわかったの?もしかしてアメリナは、私の心が読めるの?」
目玉が飛び出るほど驚いているサーラ。
「そんな訳がないでしょう?それで、どうするつもりなの?サーラはグリーズ様の事をどう思っているの?」
「私はその…グリーズ様はお優しいし話していて楽しいし…素敵な方だなって思っているわ。でも、その…アメリナもグリーズ様の事を…その…好きなのでしょう?」
ん?ちょっと待って!この子、何を盛大に勘違いしているの?
「待って!サーラ。あなたは一体何を言っているの?私はグリーズ様の事なんて、何とも思っていないわよ。一体何をどうしたら、私がグリーズ様の事を好きという話になるのよ!」
サーラったら、少しボケているところがあるとは思っていたけれど、こんなにも盛大なボケをかますだなんて…
「だってよく2人で楽しそうに話していたじゃない。だから私、てっきりグリーズ様とアメリナは、いい感じなのかと…」
何と!確かに私たちはよく2人で話をいていた。でもそれは、サーラの事を相談されていただけなのだ。
「ごめんね、サーラ。変な誤解をさせてしまっていたのね。実はね、グリーズ様からずっとサーラの事で相談されていて。でも、そのせいでサーラを不安にさせていただなんて。本当にごめんなさい。次からは、2人で話をするのは控えるわ」
本当はグリーズ様がどれほどサーラを好きかを説明したいところだが、それはやはり本人の口から説明するべきだろう。
「そうだったの?私はてっきり…でも、よかった。アメリナはグリーズ様の事が好きではなかったのね」
サーラが心底ほっとした表情を浮かべている。どうやらサーラも、グリーズ様の事が好きだった様だ。
それにしてもサーラに変な誤解をさせてしまっていただなんて!これからはもう少し慎重に行動する事にしよう。
私を追いかけてきたのは、ルドルフ様だ。一体私に何の用があるというのだろう。
「私に何か御用でしょうか?」
「いや…その、君の好きなマカロンをまだ食べてもらっていなかっただろう。だから、その…」
「そのマカロン、クレア様がとても欲しがっておりましたわ。私は結構ですので、どうかクレア様に差し上げて下さい。それから、昨日の件は誰にも言いません。ですので、どうかご安心を」
あなたが陰で泣いていたことは誰にも言わないから安心して欲しい。そんな意味を込めて、ほほ笑んだ。そしてルドルフ様に会釈をし、その場を後にする。
「待ってくれ、俺は…」
「アメリナ嬢、ちょっといいかな?」
私の傍にやって来たのは、グリーズ様だ。きっと私がルドルフ様に絡まれているのを心配してきてくれたのだろう。本当に優しい人ね。
「ええ、構いませんわ。あちらでゆっくりとお話をしましょう」
グリーズ様と一緒に、中庭へとやって来た。
「グリーズ様、お助けいただいてありがとうございます」
ペコリとグリーズ様に頭を下げた。
「別に僕は何もしていないよ。それよりも、なんだかルドルフ殿、雰囲気が変わったね。少し柔らかくなったというか、何というか…」
「グリーズ様もそう思いますか?もしかすると、クレア様がルドルフ様を変えたのかもしれませんね。まあ、私には関係ない話ですが…」
そう、私には関係ない話なのだ。
「ねえ、アメリナ嬢。本当にルドルフ殿は、君を嫌っているのかい?僕にはそうは見えないな…さっきも切なそうにアメリナ嬢を…」
「私は彼からはっきりと、“あんなうるさい令嬢なんかとは絶対に結婚しない”と言われましたので、あの人は私を嫌っている事は間違いありませんわ。それにずっと私に冷たかったですし。それよりも、来月の夜会ですが、どうですか?サーラを誘えそうですか?」
来月はサーラの誕生日がある。それに合わせて、サーラの家で夜会が行われることになっているのだ。そう、この日からサーラは殿方と婚約を結べるようになるのだ。既に誕生日を迎えているグリーズ様ももちろん、もう婚約を結べる年齢になっている。
「ああ…誘おうとは思っているのだが、もし断られたらと思うと、心配で…」
「何をウジウジしていらっしゃるのですか?私の見たところ、サーラもまんざらではありませんわ。どうか勇気を出してください!大丈夫ですわ、グリーズ様はお優しくて本当に素敵な殿方ですもの。あなた様にならサーラを任せられると、私は思っておりますのよ」
サーラは本当に優しくて素敵な令嬢なのだ。ただ、少し鈍いところがあるが、きっとサーラもグリーズ様の事を気に入っているはずだ!
「ありがとう、アメリナ嬢。君がそう言ってくれると、なんだか勇気が出るよ。僕、サーラ嬢を誘ってみる」
「その意気ですわ、グリーズ様。私もしっかりフォローしますので」
笑顔でグリーズ様に伝えた。
翌日
「アメリナ…実は私、その…」
モジモジと私の元にやって来たサーラ。これはきっと、グリーズ様にエスコートさせてくれないかって言われたのだろう。ただ、恥ずかしいのかモジモジしているばかりで、中々話してこない。
「グリーズ様に今度の夜会で、サーラのエスコートさせてほしいと言われたのでしょう?」
「どうしてわかったの?もしかしてアメリナは、私の心が読めるの?」
目玉が飛び出るほど驚いているサーラ。
「そんな訳がないでしょう?それで、どうするつもりなの?サーラはグリーズ様の事をどう思っているの?」
「私はその…グリーズ様はお優しいし話していて楽しいし…素敵な方だなって思っているわ。でも、その…アメリナもグリーズ様の事を…その…好きなのでしょう?」
ん?ちょっと待って!この子、何を盛大に勘違いしているの?
「待って!サーラ。あなたは一体何を言っているの?私はグリーズ様の事なんて、何とも思っていないわよ。一体何をどうしたら、私がグリーズ様の事を好きという話になるのよ!」
サーラったら、少しボケているところがあるとは思っていたけれど、こんなにも盛大なボケをかますだなんて…
「だってよく2人で楽しそうに話していたじゃない。だから私、てっきりグリーズ様とアメリナは、いい感じなのかと…」
何と!確かに私たちはよく2人で話をいていた。でもそれは、サーラの事を相談されていただけなのだ。
「ごめんね、サーラ。変な誤解をさせてしまっていたのね。実はね、グリーズ様からずっとサーラの事で相談されていて。でも、そのせいでサーラを不安にさせていただなんて。本当にごめんなさい。次からは、2人で話をするのは控えるわ」
本当はグリーズ様がどれほどサーラを好きかを説明したいところだが、それはやはり本人の口から説明するべきだろう。
「そうだったの?私はてっきり…でも、よかった。アメリナはグリーズ様の事が好きではなかったのね」
サーラが心底ほっとした表情を浮かべている。どうやらサーラも、グリーズ様の事が好きだった様だ。
それにしてもサーラに変な誤解をさせてしまっていただなんて!これからはもう少し慎重に行動する事にしよう。
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