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エピローグ
90 レオ
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この日は観光の他に、もうひとつ目的があった。それは「アルティメット・ドラゴン」を購入すること。
幼い頃、納屋に閉じ込められていたときに発見して、夢中になってプレイしていたあのゲーム。筐体もソフトも、すでに家ごと処分されている。
レオナルドと会うたびにアルドラが懐かしくなって、購入することを決めた。ネットで検索すると中古品がいくつか出回っており、プレミアがついて結構いいお値段だった。ネットで買って起動できませんでした、ということになると面倒なので、俺は中古ショップへ直接買いに行くことにした。
レオナルドと別れた後で店に立ち寄ろうと思っていたが、俺がアルドラを買いに行くことを話すと「私たちを結び付けた運命のゲームをこの目で見たい」と言って聞かなかった。まあ別に連れていってもいいかな、と思って同行したが、雑居ビルのごく小さな店に成人男性が四人も押し寄せると結構な圧迫感だった。俺はともかく、一人はお忍びセレブだし、残りの二人は屈強なボディガード。気の弱そうな店員は目を白黒させながらも接客してくれた。
先にメールで問い合わせておいたので、筐体とソフトはすでに用意してもらっていた。その場で起動確認をしてもらう。
「この機種自体が結構マイナーですけど、これはほとんど新古品ですよ。ソフトの方は中古ですけども状態がいいです。両方とも箱と説明書がついています」
店員が言う通り、アルドラは無事に起動した。オープニング画面も記憶通り。懐かしさで少し目が潤むが、「両方合わせて五万円です」という現実的な値段を聞かされて湿っぽさが吹き飛ぶ。出せない金額ではないけれど、ちょっと勇気がいる。そんな俺を見て、それまで大人しく見学していたレオナルドが口を開いた。
「五万円、と言うのはゴールドでいうといくらぐらいだろうか」
「えっ? ゴールドってアルドラの通貨? ……どうだろう、考えたことなかったな。1G=100円ぐらいじゃない?」
深く考えず適当に答えると、レオナルドは懐からロンバルディのロゴが入った財布を取り出し、店員に向けてカードを差し出した。
「ここは私が出そう。このカードさえ見せれば大抵のものは手に入るとミロが言っていた」
「うわっ、ブラックカードって初めて見た。とりあえずしまっておいて」
「私が稼いだ金ではないし、貴族の特権を振りかざすのは好まないが、こんな高額なものを依澄に負担させるわけにはいかない」
「いや普通に俺が自分で買うよ。ただでさえいつもホテルのカフェでバカ高いコーヒーをご馳走になってるんだし、これ以上は」
「しかし500ゴールドだぞ!? 平民だったら一生楽に暮らせるほどの額なのに!」
「あー! そうかごめん、俺がゴールド換算を適当に言ったから! 大丈夫、とりあえずここは一旦俺が払うから! すいません店員さん、PayPayで!」
俺たちのやりとりを訝しむ店員にスマホを突き出して、さっさと決済を済ませる。素早く商品を受け取って、まだまだごねるレオナルドを押し出すようにして店から撤収した。
その後もレオナルドは俺の出費を心配し、ボディガードの「五万円ならそんなに負担でもないですよ、一ヶ月の食費ぐらいです」というフォローに「それでは依澄が食事に困るのでは」と余計に心配した。なんだか俺はすごい貧乏だと思われていないか? しかしセレブの金銭感覚でいうと俺は極貧の部類に入るのかもしれない。
その日はそれで解散するはずだったけれど、レオナルドはどうにも俺の暮らし向きが心配なようだった。ちゃんと生活できているのだとアピールするために「じゃあうちに寄ってく?」と誘ってみると、レオナルドはかなりの間迷ってから「邪魔でなければ」と遠慮がちに答えた。
俺の部屋はベッドとソファを置いてギリギリ生活スペースが残る程度の狭さだ。やはりセレブからしたら貧困層にしか見えないかも、と思ったが、レオナルドは「いい部屋だ、冷蔵庫も電子レンジもある!」と安心していた。
ちなみにボディガードの人たちは「私たちは交代要員もいますし、外で待機していますのでお気遣いなく」とにこやかに去っていった。
「マジで粗茶しかないから、びっくりしないでね」
「大丈夫だ。冒険者をしていたときは木の根を齧ったこともある」
冒険者って何、と深くは突っ込まず、俺は安物の紅茶を出す。適当に淹れたティーバッグの紅茶なんて飲んだことないだろうと思ったが、レオナルドは美味しそうに味わっていた。
いつも俺が使っているソファにレオナルドが座ると、手足の長さが異様に目立った。家具にも見合ったサイズってあるんだな、と思いながら俺も床に座って紅茶を飲む。どうして床に座るのかとレオナルドは慌てていたが、「日本人は床に座るのが普通」と説明すると納得したようだった。
一息ついてから、買ったばかりのゲーム機にアルドラをセットする。心持ちソファの方に寄ると、レオナルドも興味津々で画面を見つめた。
電源を入れる。懐かしいファンファーレと共に、アルティメット・ドラゴンというロゴが画面に表示される。プレイヤーの名前を入力する画面に切り替わると、初期設定の「アーサー」という字面が並んでいるのが目に入った。なぜかイラっとした気持ちになったが、消去して自分の名前を入力する。
やがてゲームが開始されて、懐かしさが込み上げる。この世界で仲間たちと一緒に冒険をした。現実世界の自分が惨めでも、この世界では、俺は勇者だった。この世界には誰も入ってこられない。心を預けられる唯一の場所だった。
しばらくレオナルドの存在を忘れてゲームを進める。父である国王に会い、魔王を倒すための旅に出るよう促される。城内を探索して、一通り装備を整えてから旅立とうとすると、門のところで最初の仲間であるレナードと出会った。
<私は聖騎士のレナード。私はあなたの盾。かならずあなたを守ります>
「レナードが出てきたね」
自称レナードのレオナルドがどんな反応をするか見てみようと思って、顔を上げた瞬間。俺の目から、涙がぼろぼろとあふれ出た。
「あ、あれ……? ちょっと待って、なんだこれ……」
慌てて箱ティッシュを引き寄せて拭ったが、涙は次から次へとこぼれていく。
「あはは、ごめん、なんでもないんだけど、なんか涙が……」
目元をこすりながら、大したことはないんだと示すためレオナルドに笑いかける。
アルドラをプレイしたら、なんらかの感情は込み上げるだろうなとは思っていたけれど、こんなに自制が効かないなんて。
パニック発作とは違う。虐待を受けていたときのフラッシュバックでもない。気持ちの上では落ち着いている。それでも涙が止まらないのは――ひどく懐かしくて、ずっと会いたいと思っていた誰かに再会できたような、そんな感慨を抱いたせいだと思う。
確かに心の支えにしていたけれど、まさか俺の中でここまでアルドラが――レナードというキャラが大きな存在だったなんて、思いもしなかった。
涙を止められない俺を見たレオナルドは、ソファから静かにおりて、俺の横に寄り添った。
「私はもう聖騎士ではないけれど、これからは依澄とずっと一緒にいる。決してひとりで戦わせない。もう誰にも傷つけさせない」
「いや、なに言ってんの……」
突っ込みを入れる声が震える。そんな俺の背中をレオナルドが撫でる。下心を一切感じさせない、どこまでも優しく、気遣う手つきだった。
レオナルドがレナードであるはずない。でも、俺の中でわだかまっていた違和感が、涙で押し流されていく。
父に殺されかけて、意識を取り戻してからずっと。大切なものをこの手で捨ててしまったという感覚が消えなかった。
夢の中で出会った。かけがえのない、大切な人。俺が背を向けてしまった人。その人が、俺を追いかけてきてくれた。
そんなはずはないのに。全部錯覚なのに。俺はわんわん泣いてしまった。みっともなく取り乱した俺を、レオナルドは優しく抱擁してくれた。
――この腕の中にいる限り、俺は誰にも、何にも、傷つけられることはない。
ずっと前にも、同じことを思った。あるはずのない記憶を不思議に思いながらも、俺はレオの抱擁に身をゆだねた。
幼い頃、納屋に閉じ込められていたときに発見して、夢中になってプレイしていたあのゲーム。筐体もソフトも、すでに家ごと処分されている。
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レオナルドと別れた後で店に立ち寄ろうと思っていたが、俺がアルドラを買いに行くことを話すと「私たちを結び付けた運命のゲームをこの目で見たい」と言って聞かなかった。まあ別に連れていってもいいかな、と思って同行したが、雑居ビルのごく小さな店に成人男性が四人も押し寄せると結構な圧迫感だった。俺はともかく、一人はお忍びセレブだし、残りの二人は屈強なボディガード。気の弱そうな店員は目を白黒させながらも接客してくれた。
先にメールで問い合わせておいたので、筐体とソフトはすでに用意してもらっていた。その場で起動確認をしてもらう。
「この機種自体が結構マイナーですけど、これはほとんど新古品ですよ。ソフトの方は中古ですけども状態がいいです。両方とも箱と説明書がついています」
店員が言う通り、アルドラは無事に起動した。オープニング画面も記憶通り。懐かしさで少し目が潤むが、「両方合わせて五万円です」という現実的な値段を聞かされて湿っぽさが吹き飛ぶ。出せない金額ではないけれど、ちょっと勇気がいる。そんな俺を見て、それまで大人しく見学していたレオナルドが口を開いた。
「五万円、と言うのはゴールドでいうといくらぐらいだろうか」
「えっ? ゴールドってアルドラの通貨? ……どうだろう、考えたことなかったな。1G=100円ぐらいじゃない?」
深く考えず適当に答えると、レオナルドは懐からロンバルディのロゴが入った財布を取り出し、店員に向けてカードを差し出した。
「ここは私が出そう。このカードさえ見せれば大抵のものは手に入るとミロが言っていた」
「うわっ、ブラックカードって初めて見た。とりあえずしまっておいて」
「私が稼いだ金ではないし、貴族の特権を振りかざすのは好まないが、こんな高額なものを依澄に負担させるわけにはいかない」
「いや普通に俺が自分で買うよ。ただでさえいつもホテルのカフェでバカ高いコーヒーをご馳走になってるんだし、これ以上は」
「しかし500ゴールドだぞ!? 平民だったら一生楽に暮らせるほどの額なのに!」
「あー! そうかごめん、俺がゴールド換算を適当に言ったから! 大丈夫、とりあえずここは一旦俺が払うから! すいません店員さん、PayPayで!」
俺たちのやりとりを訝しむ店員にスマホを突き出して、さっさと決済を済ませる。素早く商品を受け取って、まだまだごねるレオナルドを押し出すようにして店から撤収した。
その後もレオナルドは俺の出費を心配し、ボディガードの「五万円ならそんなに負担でもないですよ、一ヶ月の食費ぐらいです」というフォローに「それでは依澄が食事に困るのでは」と余計に心配した。なんだか俺はすごい貧乏だと思われていないか? しかしセレブの金銭感覚でいうと俺は極貧の部類に入るのかもしれない。
その日はそれで解散するはずだったけれど、レオナルドはどうにも俺の暮らし向きが心配なようだった。ちゃんと生活できているのだとアピールするために「じゃあうちに寄ってく?」と誘ってみると、レオナルドはかなりの間迷ってから「邪魔でなければ」と遠慮がちに答えた。
俺の部屋はベッドとソファを置いてギリギリ生活スペースが残る程度の狭さだ。やはりセレブからしたら貧困層にしか見えないかも、と思ったが、レオナルドは「いい部屋だ、冷蔵庫も電子レンジもある!」と安心していた。
ちなみにボディガードの人たちは「私たちは交代要員もいますし、外で待機していますのでお気遣いなく」とにこやかに去っていった。
「マジで粗茶しかないから、びっくりしないでね」
「大丈夫だ。冒険者をしていたときは木の根を齧ったこともある」
冒険者って何、と深くは突っ込まず、俺は安物の紅茶を出す。適当に淹れたティーバッグの紅茶なんて飲んだことないだろうと思ったが、レオナルドは美味しそうに味わっていた。
いつも俺が使っているソファにレオナルドが座ると、手足の長さが異様に目立った。家具にも見合ったサイズってあるんだな、と思いながら俺も床に座って紅茶を飲む。どうして床に座るのかとレオナルドは慌てていたが、「日本人は床に座るのが普通」と説明すると納得したようだった。
一息ついてから、買ったばかりのゲーム機にアルドラをセットする。心持ちソファの方に寄ると、レオナルドも興味津々で画面を見つめた。
電源を入れる。懐かしいファンファーレと共に、アルティメット・ドラゴンというロゴが画面に表示される。プレイヤーの名前を入力する画面に切り替わると、初期設定の「アーサー」という字面が並んでいるのが目に入った。なぜかイラっとした気持ちになったが、消去して自分の名前を入力する。
やがてゲームが開始されて、懐かしさが込み上げる。この世界で仲間たちと一緒に冒険をした。現実世界の自分が惨めでも、この世界では、俺は勇者だった。この世界には誰も入ってこられない。心を預けられる唯一の場所だった。
しばらくレオナルドの存在を忘れてゲームを進める。父である国王に会い、魔王を倒すための旅に出るよう促される。城内を探索して、一通り装備を整えてから旅立とうとすると、門のところで最初の仲間であるレナードと出会った。
<私は聖騎士のレナード。私はあなたの盾。かならずあなたを守ります>
「レナードが出てきたね」
自称レナードのレオナルドがどんな反応をするか見てみようと思って、顔を上げた瞬間。俺の目から、涙がぼろぼろとあふれ出た。
「あ、あれ……? ちょっと待って、なんだこれ……」
慌てて箱ティッシュを引き寄せて拭ったが、涙は次から次へとこぼれていく。
「あはは、ごめん、なんでもないんだけど、なんか涙が……」
目元をこすりながら、大したことはないんだと示すためレオナルドに笑いかける。
アルドラをプレイしたら、なんらかの感情は込み上げるだろうなとは思っていたけれど、こんなに自制が効かないなんて。
パニック発作とは違う。虐待を受けていたときのフラッシュバックでもない。気持ちの上では落ち着いている。それでも涙が止まらないのは――ひどく懐かしくて、ずっと会いたいと思っていた誰かに再会できたような、そんな感慨を抱いたせいだと思う。
確かに心の支えにしていたけれど、まさか俺の中でここまでアルドラが――レナードというキャラが大きな存在だったなんて、思いもしなかった。
涙を止められない俺を見たレオナルドは、ソファから静かにおりて、俺の横に寄り添った。
「私はもう聖騎士ではないけれど、これからは依澄とずっと一緒にいる。決してひとりで戦わせない。もう誰にも傷つけさせない」
「いや、なに言ってんの……」
突っ込みを入れる声が震える。そんな俺の背中をレオナルドが撫でる。下心を一切感じさせない、どこまでも優しく、気遣う手つきだった。
レオナルドがレナードであるはずない。でも、俺の中でわだかまっていた違和感が、涙で押し流されていく。
父に殺されかけて、意識を取り戻してからずっと。大切なものをこの手で捨ててしまったという感覚が消えなかった。
夢の中で出会った。かけがえのない、大切な人。俺が背を向けてしまった人。その人が、俺を追いかけてきてくれた。
そんなはずはないのに。全部錯覚なのに。俺はわんわん泣いてしまった。みっともなく取り乱した俺を、レオナルドは優しく抱擁してくれた。
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