俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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ダンジョン攻略編

24 カレーは最強

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俺は今、ハルカとヒロシと3人で、東の国の街へ遊びに来ている。

俺と2人とは別行動で、俺は名物の食べ歩き、2人は気の向くままに街の中を探検している。先程焼鳥と言う懐かしい味に出会い、満足した俺は今度はいつもの様に調味料探しをしている。

(この街はかなり大きいから、珍しい調味料もある筈だ。どんな調味料に出会えるか楽しみだぜ)

屋台のあるエリアから、野菜を売っているエリアへ再び移動して、今度はゆっくりと吟味しながら探していく。

ここ東の国は西の国と違い、山に囲まれた地域だ。だから山菜とか、キノコとかが沢山売っている。勿論普通の野菜も売っている。(普通の野菜って言っても、この世界の普通ね)でも、元の世界で例えられる物が多い。つまり似ているんだ。

ここ東の国では砂糖の値段が物凄い高い事に気が付いた。砂糖は砂糖大根から作るのか、砂糖キビで作るのか知らないが、この地域では作って無いんだろうな。でも蜂蜜が安い。砂糖は蜂蜜で代用してるんだろう。あと高いものと言ったらやっぱり塩。海が無いからだろうな。岩塩があれば安くなったんだろうが、無いみたいだ。ウ~ム・・・・調味料を見ているとこの世界の生態系は元の世界と変わらないんじゃ無いかと思う。

そんな事を考えながら市場を回っているとスパイシーな香りが漂って来た。

(このエリアだけは他と違うな。売ってる人の着ている服もなんだろう・・・・民族衣装の様な感じで周りの人と違うな。)

スパイシーエリアの人は肩から大きな布を掛けて胸の前で結んでいる。なんと言うか、ストールみたいだ。着ている物は男も女もスカートで揃えている。スカートと言っても足首まである巻きスカートだ。

ま、それは良いとして、調味料だ。この香りは嗅いだことある。あのお腹が減る香り、カレーの香りだ。カレーの香りの元は確か・・・クミンとか言うヤツだったかな?多分クミンに近い植物の種なんだろう。これは買いだな。そうすると、カレーを作る為の他の調味料が欲しくなるよな。あとは・・・・・そう、ターメリックだ。日本ではウコンと呼ばれる物。日本に居た頃、2日酔いの時ウコンドリンクに良くお世話になってたんだよなあ。あー懐かしい。
ウコンってどんなだっけ?種?葉っぱ系?それともイモ系?・・・・・・分からん。分からん事は聞いてみよう。

「ちょっといいかな?」

「ハイ、何でしょう。」

「その芳しい香りの種に合わせる調味料はあるかな?」

「ああ、クアンの種ですね。そうですね、このユリ根と合わせると良いでしょう。」

ウコンでは無かったがユリ根が出てきた。お勧めなんだから買わないとな!

俺はクアンと言う種と、ユリ根を大量に買った。カレーとはいかなくても、モドキは作りたい。

「つかぬ事を聞くが、米と言う物を知らんか?こう、小さい粒の種なんだが、脱穀して水で炊いて食べると旨いんたが・・・・」

「コメ・・・と言う物は知りませんが、似た物ならありますよ。メイと言うんですが、これです。」

売り子の女性が麻袋を開けて見せてくれた。これは・・・・色は違うが、まごう事なき米、こめ、コメだ!ピンク色の米だ!赤米か?

「こ、これだ!これを有るだけ売ってくれ!」

俺はクミンを麻袋(中)を1袋、ユリ根を木箱に1箱、赤米を麻袋(大)5袋を買ってホクホク顔でその場を後にした。

(クゥーー!早くカレーを作りたい!魔王城に帰りたい!)

そう思ったが、2人が初めての街を堪能するまでは我慢しよう。
俺は満足してしまったので、宿を探そうと街の中心方面に歩きだした。歩きながらふと思ったんだ。俺って人間に興味が無いんだなって。本質的な物なのか、コッチに来て変わったのか分からないが、兎に角俺は人間が好きでもないし、嫌いでもない。興味が無いんだ。

宿を探しながらのんびりと歩く。観光をしている者、商売の為にセカセカと動いている者、街の為に工事をしている者、沢山の人間が俺の周りをうごめいている。
ああ、昔は俺もセカセカ働いてたなぁと、嫌な思い出が甦る。昔は友達付き合いも殆ど無く、朝起きて、仕事して帰って寝るだけの毎日だった。でもはハルカとヒロシがいる。互いを思いやる仲間がいる。コッチの世界に来て良かったとつくづく思う。アイツらは俺より確実に早く死ぬ。それまではアイツらの為に、俺と居て良かったとそう思って貰える様に生きて行こう。そう心に誓った。




(ん?剣をクロスさせたマーク・・・・冒険者ギルドか。この世界に来てからずっと避けてた場所たな。ちょっと覗くだけ覗いてみるか。)

初めて俺は冒険者ギルドの扉を開けた。
・・・・本当にファンタジー小説を書いてる人は、異世界帰りじゃ無いのか?書いてある事そのままだぞ?
右手にはカウンターと受付嬢、左手にはパブ(酒場)がある。奥は解体場か?パブの壁には所狭しと依頼状が張られてある。

(・・・なんか初めて来た気がしねぇー。小説そのまま。取り合えずどんな依頼が有るのか見てみるか。)

左端の依頼から順に読んでいく。

(んー、何々?薬草の採取10束銅貨30枚、鉄鉱石の採取重さで交渉、街の工事1日銀貨1,5枚、下水道掃除銅貨20枚・・・・面白いな、小説通りだ。お次は・・・ダンジョン兎1匹銀貨1枚~、ダンジョン産リンゴ10個銀貨2枚、ダンジョン産ミスリル鉱石重さで交渉・・・)

近くにダンジョンなんて有るみたいだ。ちょっと行ってみたいじゃん。でも場所が分からない。カウンターで聞いても、冒険者じゃない俺には教えてはくれないだろう。どうするかね・・・・・朝ココに来て冒険者の後をつけるか?それはハルカとヒロシに相談だな。
あ、宿を探さないと!



今回よりハルカとヒロシをカタカナ表記に変えさてもらいました。

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