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1章 農村の子供
第2話 生きて行くため
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なんとなく俺の立場が分かった。五歳児、顔はいい感じで勇者の素質を持っているらしい。だが良いことばかりではないのも現状だ。まず、孤児であること、それとこの村の規模だ。
教会から家に向かうまでにあった家が何軒か潰れていた。父親に聞くと盗賊の仕業らしい。それを倒すのが自警団の仕事らしいが、実質ほとんど武器も防具も無い状態で屈強な兵士崩れの盗賊相手に勝てるわけもなく安全なところから弓を射って戦うことしか出来ないらしい。
あと、食料難だ。
それに気が付いたのが夕方だった。俺は大きな籠に入れられ近くの山に連れていかれた。
俺は言われた通りに指示された草を集めていた。薬草か山菜かはわからないが…
あと、その間に父親は弓を持って動物を狩りにいったのかな。ともかくいなくなった。もし、前の世界なら置いていかれても不思議ではないが此方では多分大丈夫だろう。
しかし、似たような草が沢山ある。あ、今気づいた。俺、目が良くなってる。前の世界では眼鏡をかけていたが久しぶりに肉眼で色々見れるじゃないか。
多分、広葉樹の森は綺麗だった。少し離れた所からは水の音が聞こえる。
異世界の景色を満喫していると後ろから足音が聞こえた。人ではないやつの。
振り替えるとそこには猪みたいな動物がいた。ヤバイ、ピンチだ。確か籠の中にナイフが一本入っていた気がする。相手を刺激しないようにゆっくり後ろに下がり籠にたどり着いた。
背負う部分に鉈のようなナイフがあった。それを手に取るとほとんど無心で鞘を抜いていた。それをもう一度強く握りしめ猪に向けた。
向こうも気付いたようで目付きが変わった。
ゴクリ。自分の唾を飲む音が耳に届くと同時に猪に向かって一歩踏み出すと一振り。
猪の首に鉈が突き刺さった。刃から血が伝わっている。怖かったが一息でそれを引き抜いた。
辺りに漂う血の臭い。倒れている獣、俺の手に握られた武器。
そう、俺は初めての戦闘で勝利をあげた。しかし、まだ獣は息をしている。
まだ状況が理解できていないが父親の声が聞こえた。
「フェイズ、大丈夫か!」
「うん大丈夫だけど。」
「そうか、その血はどうしたんだ?」
俺は黙って指を指す。
「……」
「どうかしましたか?」
「フェイズ、良くやった!」
「何がですか?」
「あの村は今、食料が無ければ金もないんだ。だがこのモンスター一匹あればしばらくは大丈夫だ。ところで血抜きはしたか?」
「血抜き?」
「よし、ちょっと見てろよ。」
そう言うと父親は鉈を使って少し切り開くと心臓の辺りを切った。すると切り口から血が沢山出てきた。
「これでよし。」
そう言いつつ父親は近くの木から蔦を取っていた。
「蔦をどうするんですか?」
「持って帰るのに使うんだ。フェイズは太くて丈夫な木の枝を拾ってきてくれ。」
「はい、わかりました。」
枝は割りと早く見つかった。それを持っていくと父親はモンスターをくくりつけていた。
しばらくすると、枝にモンスターが吊るされた。
何もかもが初めての経験だ。異世界、楽しいではないか。
教会から家に向かうまでにあった家が何軒か潰れていた。父親に聞くと盗賊の仕業らしい。それを倒すのが自警団の仕事らしいが、実質ほとんど武器も防具も無い状態で屈強な兵士崩れの盗賊相手に勝てるわけもなく安全なところから弓を射って戦うことしか出来ないらしい。
あと、食料難だ。
それに気が付いたのが夕方だった。俺は大きな籠に入れられ近くの山に連れていかれた。
俺は言われた通りに指示された草を集めていた。薬草か山菜かはわからないが…
あと、その間に父親は弓を持って動物を狩りにいったのかな。ともかくいなくなった。もし、前の世界なら置いていかれても不思議ではないが此方では多分大丈夫だろう。
しかし、似たような草が沢山ある。あ、今気づいた。俺、目が良くなってる。前の世界では眼鏡をかけていたが久しぶりに肉眼で色々見れるじゃないか。
多分、広葉樹の森は綺麗だった。少し離れた所からは水の音が聞こえる。
異世界の景色を満喫していると後ろから足音が聞こえた。人ではないやつの。
振り替えるとそこには猪みたいな動物がいた。ヤバイ、ピンチだ。確か籠の中にナイフが一本入っていた気がする。相手を刺激しないようにゆっくり後ろに下がり籠にたどり着いた。
背負う部分に鉈のようなナイフがあった。それを手に取るとほとんど無心で鞘を抜いていた。それをもう一度強く握りしめ猪に向けた。
向こうも気付いたようで目付きが変わった。
ゴクリ。自分の唾を飲む音が耳に届くと同時に猪に向かって一歩踏み出すと一振り。
猪の首に鉈が突き刺さった。刃から血が伝わっている。怖かったが一息でそれを引き抜いた。
辺りに漂う血の臭い。倒れている獣、俺の手に握られた武器。
そう、俺は初めての戦闘で勝利をあげた。しかし、まだ獣は息をしている。
まだ状況が理解できていないが父親の声が聞こえた。
「フェイズ、大丈夫か!」
「うん大丈夫だけど。」
「そうか、その血はどうしたんだ?」
俺は黙って指を指す。
「……」
「どうかしましたか?」
「フェイズ、良くやった!」
「何がですか?」
「あの村は今、食料が無ければ金もないんだ。だがこのモンスター一匹あればしばらくは大丈夫だ。ところで血抜きはしたか?」
「血抜き?」
「よし、ちょっと見てろよ。」
そう言うと父親は鉈を使って少し切り開くと心臓の辺りを切った。すると切り口から血が沢山出てきた。
「これでよし。」
そう言いつつ父親は近くの木から蔦を取っていた。
「蔦をどうするんですか?」
「持って帰るのに使うんだ。フェイズは太くて丈夫な木の枝を拾ってきてくれ。」
「はい、わかりました。」
枝は割りと早く見つかった。それを持っていくと父親はモンスターをくくりつけていた。
しばらくすると、枝にモンスターが吊るされた。
何もかもが初めての経験だ。異世界、楽しいではないか。
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