曖-昧-多-色

muscat my cut

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ないないないん -曖昧な存在-

-15-

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とりあえず20分待機。これで時間稼ぎ完了かな?

インターホンを鳴らす。鳴り終わる前に要は駆けてやって来た。ドタバタと。ドスンドスンと。その音大丈夫かな…。

「…はあ、はあ。昨日はごめん…。」

「え?ん…?」

素直に謝られたことには感動したけれど、一体何故謝られた?そこがよく分からないとちょっとスッキリしないかなあ。

「いや、昨日、九が帰る時、九のことそっちのけでお母さんの方に行っちゃったからさ。」

「……。あー。」

古傷を抉らないで……。未だにそれは悲しいんだよ。ほら、優理とか私とかはあまり親を慕っていない分、友達の方が優先順位高かったから。当たり前のように。

でもまあ、そのことにきちんと気付いて悔やんでくれるあたりに成長が見られるかな。(だから誰目線)

「んでさ、その後お母さんにめちゃくちゃ怒られて…。あぁ、久しぶりに泣いたよ。部活で怒られる時より泣いた…。それで今日は寝ずに九を待って、お出迎えさせられたんだ。」

ぐはっ!ぐさっ!色々傷付く。成長とかして無いし…お母さんの言うことは絶対なの…?部活の顧問もっと頑張りやがれ!それに…させられた…?お出迎えさせられたとか言い方が酷いだろう…?友達第2号とかもう無理かな。要さん。

「おじゃまします…!」

少し震えた声で言った為か、それは要らないっていうことを知りながらも言った感が出てしまった。というか多分わざと出したのだと思う。無意識な八つ当たりかと。

「……!」

一方要の方は…。顔に感情が丸出しだった。顔芸じゃん!要面白過ぎだよ。どれだけ「おじゃまします」嫌いなんだよ。少し短くなった髪も随分乱れているし。そしてその顔のまま地味にお母さんの様子を伺わないで!絵面が半端ないってば。

さすがの私でも「ww」を使わなくてはいけなくなるレベルだよ。これはアニメ化では伝わらないから、実写化を…否、本人再現映像にしなくては!

まあそれでもお母さんの前では「おじゃまします」を否定しないという努力は認めよう。

「あら…礼儀正しい子ね。ほら、要もこの位の礼儀をきちんと身に付けなさい。それじゃなきゃこの子と釣り合わないわよ。」

正直、それが本当の好意からきたものだとしても褒められるのは戸惑う。それにこの褒められ方は好きじゃない。ちなみに私は好き嫌いについてはこんな風に白黒つけてしまう。ハッキリと。曖昧にせずに。そこら辺が優理と違うところかな。優理のB型さが窺える。

「……うるさいなあ!どうしたらお母さんは私のことを認めてくれるのさ!」

要の……本音。

「周りに合わせて羽目を外したりしなければいいんじゃないの。簡単なことじゃない。ようは、あなたらしくってこと。ずっと言ってるじゃない。」

お母さんの…本音。

要はそんなお母さんの言葉に食い気味で言う。

「あなたらしくと言われる度にそれはお前が目指したお前だ!…って言いたくなるのさ。私はお前の操る主人公キャラでもなければ、お人形さんみたいな清楚キャラでもないんだよ…。お前の望みが私ならば、私の望みは何なんだよ…!」

要は私ができれば見たくなかった表情で、2階の部屋に行ってしまった。

「…。」

「……様子。見に行きますね。」

「大丈夫。私が行くから…」

「それはどう考えてもだいじょばないですよ。というかずるいです。」

要のお母さんは、その言葉に顔を歪めたが…私はそれを見なかった振りして階段を上がる。上がる。上がる。
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