60 / 86
60. 胸に過ぎる想い
しおりを挟む
「リリアナ様、私の話聞いていました?!!私とルーフェスは仕事仲間だって言いましたよね?!」
アンナは、あくまでも自分とルーフェスが恋仲であると信じて疑っていないリリアナの勢いに押されて、彼女に分かってもらうには、一体どうやって伝えたら良いのかと困惑していた。
今までのやり取りの感じだと、何を言っても通じそうにないのだ。
すると、そんな二人の様子を見ていたリチャードが、リリアナの肩に優しく触れて、苦笑しながら嗜めたのだった。
「リリィ落ち着いて。アンナ嬢が困っているよ。」
「あっ……ごめんなさいアンナさん。私、御令嬢の友人が居なくって。恋のお話を出来る同性の友達が欲しかったのでつい熱くなってしまったわ。それで……よければ、王都までの間アンナさんのお話をもっと聞かせて貰えないかしら?」
叱られた子犬の様にしおらしくなって上目遣いにアンナの様子を伺うその様は、同性のアンナから見ても愛くるしいと思うほど可愛らしかった。
彼女にお願いされては、言う事をなんでも聞いてあげたくなるのだが、けれども、その願いを叶えてあげる為には、アンナには気がかりがあったのだった。
「待って下さい……。私が、馬車に揺られている間、リリアナ様とお喋りをする事は問題ありません。ですが……」
そう言ってアンナはチラリとリチャードの方を見た。
「ん?私かい?アンナ嬢、私の事は気にしなくていいから、リリアナに付き合ってあげて?」
「気にしないとか、無理です。」
本人では無いと分かってはいるが、同じ顔なのだ。そんな人の前で自分の恋心を暴露するなんて真似が出来るほど、アンナは図太くなかった。
「特に聞かれて困る様な話ではないと思うけれども?」
「聞かれて困る事は無いけどれも、恥ずかしいんです!!」
「仕方ないなぁ。それじゃあ、防音の結界を張ってあげるよ。この中で二人で話せば良いよ。外には聞こえないから。」
リチャードはそう言って、馬車の片側へアンナとリリアナを座らせると、手を掲げて呪文を唱えたのだった。
無音時間
「えっ……、本当にこれで聴こえなくなっているの??」
アンナは信じられないといった表情でリチャードを見るも、彼は楽しそうにこちらを眺めているだけで、何も反応を返してくれない。
そんなアンナの戸惑いなど意に介さずに、リリアナはアンナの手を取ると、とても嬉しそうに話しかけたのだった。
「私、同性の友達と恋のお話をしてみたかったからアンナさんと話せるの嬉しいわ。だって絶対私達、好みが似てると思うし。」
「……そうでしょうか?」
「そうよ。だって、私達同じ顔の人を好きなのだから。」
「わっ……私は別に顔だけで好きになった訳じゃ……」
「勿論分かってるわ。それで、アンナさんはどうしてルーフェスの事を好きになったの?出会いは何だったの?」
アンナは、リチャードの魔法が本当に効いているのか半信半疑であったが、リリアナの好奇心に輝く瞳に見つめられて観念すると、ゆっくりと彼とのことを話し出したのだった。
「……最初は、ただギルドの仕事をするのに彼の戦力が欲しかっただけでした。でも、一緒に何度も仕事をして、会話もいっぱいして、気がついたら彼が隣にいる事が当たり前のように心地よくなっていて……」
「時間をかけて緩やかに好きになっていったのね。」
「まぁ、そうですね……」
リリアナがとても楽しそうに相槌を打つので、アンナは、段々と恥ずかしくなっていき、頬に手を当てて俯くと、小さな声で答えたのだった。
「それは素敵ね。その中でも何か特に印象深い出来事は無かったの?一緒にいる時間が多かったのなら、特別な思い出とかは無いのかしら?」
「それは……」
言いかけて、アンナは次に紡ぐ言葉が出てこなかった。
初めて一緒に仕事をした時のこと、
文句を言いながらも三十本の角の解体という面倒くさい事にも付き合ってくれたこと、
お気に入りの場所だと教えてくれた綺麗な夕焼けが見える高台で一緒に夕日を眺めたこと、
グリーンリザードの討伐やエンシェントウルフの討伐で身を挺して庇ってくれたこと、
演劇を観てとても楽しそうに笑っていたこと、
私のスープを美味しいと言って飲んでくれたこと、
それから……
あの夜、信じて待ってると言って抱きしめられたこと……
彼との思い出が溢れ出してきて、胸がいっぱいになり言葉が出なかったのだ。そして言葉の代わりに、気がつくとアンナは目からポロポロと大粒の涙を溢していたのだった。
「リリィ、これ以上は駄目だ。今はここまでにしておこう。」
アンナの異変にいち早く気づいたリチャードが、慌てて二人の会話を制止するとハンカチを差し出したので、アンナはそれを受け取ると、目に押し当てて暫く項垂れて動かなかった。
そしてそうやってじっと俯いて、自分の気持ちを何とか整えると、アンナは顔を上げてリチャードに向かって難しい顔を向けたのだった。
「お気遣いありがとうございました。ですが……何故、リチャード様が私達の会話を聞こえているんですか?防音の魔法は嘘だったのですか?」
アンナは、信じられないといった面持ちで、リチャードを見るも彼は悪びれる様子もなく平然と答えた。
「嘘では無いよ。だってさっきのは、馬車の外には聞こえない魔法だからね。」
「……私きっと、貴方が公爵公子じゃなかったら、殴ってると思うわ。」
アンナはそれ以上は何も言わず、物言いたげな目を向けて抗議したのだった。
「申し訳ないアンナ嬢。弁明させてもらうとね、これでも弟が心配だったんだよ。あいつはほら、特殊な環境で育っているから、人と親しく関わった経験が殆ど無いんだ。だから、変な人に引っかかって無いかと、ちょっと試させてもらったよ。」
そう言われてしまうと、アンナは腹立たしいが何も言えなくなってしまった。リチャードの言う事は悔しいけれども理解できるのだ。
「まぁ、でも単純に面白そうだから話が聞きたかったって気持ちの方が大きいけどね。」
「結局は面白がってるんじゃないですか!」
そう言ってリチャードが面白そうに笑ったので、アンナは頬を赤らめつつも、不満そうな表情を彼にぶつけたのだった。
「ごめんごめん、そんなに怒らないで。それに対したこと話して無いじゃ無いか、もう少し惚気話が聞けるかと思ったけど。」
「リチャード様っ?!」
「そうよね。私ももっとアンナさんの話を聞きたいわ。気持ちが落ち着いたら、続きのお話を聞かせてね。王都までは長いんだし。」
「リリアナ様も?!!」
アンナは顔を真っ赤にして狼狽えるも、二人の何かを期待するような眼差しにこの後何時間も耐えられないと察して、ため息を吐くと、ポツリ、ポツリと少しずつ、自分とルーフェスの事を話せる範囲で話したのだった。
アンナは、あくまでも自分とルーフェスが恋仲であると信じて疑っていないリリアナの勢いに押されて、彼女に分かってもらうには、一体どうやって伝えたら良いのかと困惑していた。
今までのやり取りの感じだと、何を言っても通じそうにないのだ。
すると、そんな二人の様子を見ていたリチャードが、リリアナの肩に優しく触れて、苦笑しながら嗜めたのだった。
「リリィ落ち着いて。アンナ嬢が困っているよ。」
「あっ……ごめんなさいアンナさん。私、御令嬢の友人が居なくって。恋のお話を出来る同性の友達が欲しかったのでつい熱くなってしまったわ。それで……よければ、王都までの間アンナさんのお話をもっと聞かせて貰えないかしら?」
叱られた子犬の様にしおらしくなって上目遣いにアンナの様子を伺うその様は、同性のアンナから見ても愛くるしいと思うほど可愛らしかった。
彼女にお願いされては、言う事をなんでも聞いてあげたくなるのだが、けれども、その願いを叶えてあげる為には、アンナには気がかりがあったのだった。
「待って下さい……。私が、馬車に揺られている間、リリアナ様とお喋りをする事は問題ありません。ですが……」
そう言ってアンナはチラリとリチャードの方を見た。
「ん?私かい?アンナ嬢、私の事は気にしなくていいから、リリアナに付き合ってあげて?」
「気にしないとか、無理です。」
本人では無いと分かってはいるが、同じ顔なのだ。そんな人の前で自分の恋心を暴露するなんて真似が出来るほど、アンナは図太くなかった。
「特に聞かれて困る様な話ではないと思うけれども?」
「聞かれて困る事は無いけどれも、恥ずかしいんです!!」
「仕方ないなぁ。それじゃあ、防音の結界を張ってあげるよ。この中で二人で話せば良いよ。外には聞こえないから。」
リチャードはそう言って、馬車の片側へアンナとリリアナを座らせると、手を掲げて呪文を唱えたのだった。
無音時間
「えっ……、本当にこれで聴こえなくなっているの??」
アンナは信じられないといった表情でリチャードを見るも、彼は楽しそうにこちらを眺めているだけで、何も反応を返してくれない。
そんなアンナの戸惑いなど意に介さずに、リリアナはアンナの手を取ると、とても嬉しそうに話しかけたのだった。
「私、同性の友達と恋のお話をしてみたかったからアンナさんと話せるの嬉しいわ。だって絶対私達、好みが似てると思うし。」
「……そうでしょうか?」
「そうよ。だって、私達同じ顔の人を好きなのだから。」
「わっ……私は別に顔だけで好きになった訳じゃ……」
「勿論分かってるわ。それで、アンナさんはどうしてルーフェスの事を好きになったの?出会いは何だったの?」
アンナは、リチャードの魔法が本当に効いているのか半信半疑であったが、リリアナの好奇心に輝く瞳に見つめられて観念すると、ゆっくりと彼とのことを話し出したのだった。
「……最初は、ただギルドの仕事をするのに彼の戦力が欲しかっただけでした。でも、一緒に何度も仕事をして、会話もいっぱいして、気がついたら彼が隣にいる事が当たり前のように心地よくなっていて……」
「時間をかけて緩やかに好きになっていったのね。」
「まぁ、そうですね……」
リリアナがとても楽しそうに相槌を打つので、アンナは、段々と恥ずかしくなっていき、頬に手を当てて俯くと、小さな声で答えたのだった。
「それは素敵ね。その中でも何か特に印象深い出来事は無かったの?一緒にいる時間が多かったのなら、特別な思い出とかは無いのかしら?」
「それは……」
言いかけて、アンナは次に紡ぐ言葉が出てこなかった。
初めて一緒に仕事をした時のこと、
文句を言いながらも三十本の角の解体という面倒くさい事にも付き合ってくれたこと、
お気に入りの場所だと教えてくれた綺麗な夕焼けが見える高台で一緒に夕日を眺めたこと、
グリーンリザードの討伐やエンシェントウルフの討伐で身を挺して庇ってくれたこと、
演劇を観てとても楽しそうに笑っていたこと、
私のスープを美味しいと言って飲んでくれたこと、
それから……
あの夜、信じて待ってると言って抱きしめられたこと……
彼との思い出が溢れ出してきて、胸がいっぱいになり言葉が出なかったのだ。そして言葉の代わりに、気がつくとアンナは目からポロポロと大粒の涙を溢していたのだった。
「リリィ、これ以上は駄目だ。今はここまでにしておこう。」
アンナの異変にいち早く気づいたリチャードが、慌てて二人の会話を制止するとハンカチを差し出したので、アンナはそれを受け取ると、目に押し当てて暫く項垂れて動かなかった。
そしてそうやってじっと俯いて、自分の気持ちを何とか整えると、アンナは顔を上げてリチャードに向かって難しい顔を向けたのだった。
「お気遣いありがとうございました。ですが……何故、リチャード様が私達の会話を聞こえているんですか?防音の魔法は嘘だったのですか?」
アンナは、信じられないといった面持ちで、リチャードを見るも彼は悪びれる様子もなく平然と答えた。
「嘘では無いよ。だってさっきのは、馬車の外には聞こえない魔法だからね。」
「……私きっと、貴方が公爵公子じゃなかったら、殴ってると思うわ。」
アンナはそれ以上は何も言わず、物言いたげな目を向けて抗議したのだった。
「申し訳ないアンナ嬢。弁明させてもらうとね、これでも弟が心配だったんだよ。あいつはほら、特殊な環境で育っているから、人と親しく関わった経験が殆ど無いんだ。だから、変な人に引っかかって無いかと、ちょっと試させてもらったよ。」
そう言われてしまうと、アンナは腹立たしいが何も言えなくなってしまった。リチャードの言う事は悔しいけれども理解できるのだ。
「まぁ、でも単純に面白そうだから話が聞きたかったって気持ちの方が大きいけどね。」
「結局は面白がってるんじゃないですか!」
そう言ってリチャードが面白そうに笑ったので、アンナは頬を赤らめつつも、不満そうな表情を彼にぶつけたのだった。
「ごめんごめん、そんなに怒らないで。それに対したこと話して無いじゃ無いか、もう少し惚気話が聞けるかと思ったけど。」
「リチャード様っ?!」
「そうよね。私ももっとアンナさんの話を聞きたいわ。気持ちが落ち着いたら、続きのお話を聞かせてね。王都までは長いんだし。」
「リリアナ様も?!!」
アンナは顔を真っ赤にして狼狽えるも、二人の何かを期待するような眼差しにこの後何時間も耐えられないと察して、ため息を吐くと、ポツリ、ポツリと少しずつ、自分とルーフェスの事を話せる範囲で話したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています
鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」
そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。
「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」
あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」
――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。
「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」
「……本当に、離婚したいのか?」
最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
【完結】これは紛うことなき政略結婚である
七瀬菜々
恋愛
没落寸前の貧乏侯爵家の令嬢アンリエッタ・ペリゴールは、スラム街出身の豪商クロード・ウェルズリーと結婚した。
金はないが血筋だけは立派な女と、金はあるが賤しい血筋の男。
互いに金と爵位のためだけに結婚した二人はきっと、恋も愛も介在しない冷めきった結婚生活を送ることになるのだろう。
アンリエッタはそう思っていた。
けれど、いざ新婚生活を始めてみると、何だか想像していたよりもずっと甘い気がして……!?
*この物語は、今まで顔を合わせれば喧嘩ばかりだった二人が夫婦となり、紆余曲折ありながらも愛と絆を深めていくただのハイテンションラブコメ………になる予定です。
ーーーーーーーーーー
*主要な登場人物*
○アンリエッタ・ペリゴール
いろんな不幸が重なり落ちぶれた、貧乏侯爵家の一人娘。意地っ張りでプライドの高いツンデレヒロイン。
○クロード・ウェルズリー
一代で莫大な富を築き上げた豪商。生まれは卑しいが、顔がよく金持ち。恋愛に関しては不器用な男。
○ニコル
アンリエッタの侍女。
アンリエッタにとっては母であり、姉であり、友である大切な存在。
○ミゲル
クロードの秘書。
優しそうに見えて辛辣で容赦がない性格。常にひと言多い。
【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる