心が欲しい…。

彼岸花

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プロローグ

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中学のあつい夏の満月の夜。

私は走った。父が叫んだ声から。暴言から。走って走って気づいたら秘密基地についていた。その秘密基地は幼馴染みと私しか知らない古い舘。ベットも掃除すれば使えて私達の秘密基地に何時しかなってた。私は息を切らしながら舘の扉を開き心を落ち着かせるために寝室の部屋に入ったら。

幼馴染みの暁がいた。顔や首にうすいアザがあったから両親の暴力から逃げてきたのだろう。暁は驚いたように目を見開いたがその目からポロポロと涙をこぼし私もつられて涙をこぼした。二人とも疲れたんだ…。現実の世界に。

暁は静かでもはっきりとした声で呟いた。

「寒いね…。」

何がとは聞かない。だって。私も

「うん、寒いね。」

心が寒かったから、あとは時が流れるように導かれるように抱きつき。キスをし、体を求めた。現実の世界から目を反らした。それからというもの私達は「寒い」という言葉を合言葉にし体を求めた。年が大きくになるにつれ止めるかと思っても止めなくて、体の関係が続いていく。

けどね、私は言い訳かもしれないが体を求めてるのは感情に蓋をするためでもあるんだ。身近すぎるから、知りすぎたから進めずに積もっていく恋心…。

本当は私は暁のことが大好きよ。

だから、心をちょうだいよ。

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