心が欲しい…。

彼岸花

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高校2年生

1話

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ここは…

目を開けたら真っ暗な沼の中にいた。
沼に足が捕らわれてなかなか歩けない、だれか…だれかいないの?

ふと光の筋が…。光りの中には幼馴染みがいて私は走った。助けて、私はここに…。

君はこう言った…。

「汚らわしい…。」

そうすると沼から黒い手が出てきて私は沼の中に飲み込まれた…。沼の中できらきらと光るのは誰かの涙。誰のなみ…ピピッピピッ




「んっ…ふぅ、夢か…。」

意識を取り戻し私はすくっと起き上がり周りを見た。古びた洋室で天井付きダブルベットに上半身裸で寝てた私。徐々に昨日ヤってきたを思いだしはっとし隣を見ると幼馴染みこと心城 暁が呑気に寝ていた。気が抜けてふっと口からため息をこぼし暁の頭を撫でるとベットから降り私服に着替える…。時刻は5時。母は海外にいるから急ぐ必要はないが朝食食べたいから早く着替えてると後ろから体重をかけてくる暁。

「優菜…行っちゃうの?」
優しくて色気がある彼の声は昨日のことを思い出すから少し苦手だ。私は目をつぶり平常心を保ちながら振り返り少し私より高い彼の目を向き合わせたら、キスをされた。

「んっ、ちょっっと…んっ…」
「…優菜…かぁわいい…。」

手が首に来たので私は暁の手の甲をつねりキスから逃げて距離を取った。暁はざんねんそうに笑うが私は笑えない、いつもしっかりしてる髪のセットが崩れふにゃりと笑う彼は母性本能をくすぐる、ぐっとこらえ静かに声を出す。

「朝食食べたいから早く帰りたいの、暁も遅刻するよ」
「え~なら仕方ないか、」

暁はもそもそとベットに腰掛け私を呼ぶ、嫌な予感しかないが行かないと無理矢理されるので大人しくベットのほうへ行くと暁は私のデコと暁のデコを合わせるように抱き締める。私はこの抱き締めが大好きでおずおずと手を背中に回す。そうすると暁はふふっと笑い呟く。

「ふふっ、大好きだよ俺の優菜」
その言葉はひどく甘く私には苦い飴。
「私も大好き。私の暁」

触れるだけのキスを鼻にして私はすっと立ち上がるちゃらりとハートが半分かけたペアネックレスをかけて寝室のドアに手をかけ暁を見ると暁はひらひらと手をふり学校でねと囁き私は当たり前よと笑い扉を閉めた。コツコツと階段をおり舘から歩き家の団地に入り私は自分の家に向かう、そして、良い子の私が始まる。







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「おはようございます。」

朝の身支度を済ませ学校の職員室に入り先生たちに朝の挨拶をする。そうすると気づいた先生は返事を返してくれた、そのまま担任に生徒会室の鍵を受け取り職員室を出る。私は少し洋館みたいな生徒会室がある螺旋階段を上り生徒会をあけ、書記と書かれてる席に座りカタカタと文書や書類をまとめたりする。それが仕事だから。少ししたらコンコンとノックが聞こえ私が返事をすると生徒会長こと中村一樹先輩が入ってきた。

「夜崎、早いな…。」
「そんなことありませんよ生徒会長だって早いじゃないですか」

会長はそうだけどさと呟き私のかたをとんとんと叩き書類を取り上げ確認しOKサインをした。優菜は微笑みそれじゃあとパソコンから立ち上がりでは、と別れの挨拶をし生徒会室を出ようとすると
「あっ、待って。」
「なにか?」

じっと見つめると会長は顔を真っ赤にし、いやなんでもないと呟き優菜は疑問に思いながらもそうですかと返答してスタスタと歩き自分の教室に向かい席に座る。ふわりと風が吹き優菜はベランダに立ちグランドを見つめ歌を歌う。

「勝ったら、うれしい~はないち♪」

…。やめよ、どうせ負けるんだから…。

キーコーンカーンコーン

学校が始まる。






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