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2章
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~003~
施設の中に残っているのはものを消去する能力がある082らしい。放って置いても出てこれるかと思うが、なんせこの施設は警備が厳重なもんだから、殺されかねない。そんなことを考えると、助けに行ったほうがいくらかマシだ。そこで作戦を考える事にした。
「僕がバリアを張る。僕と058はバリアの中にいる。それだと、敵を避けるには足らないから、100が敵を倒してくれ。強いのはわかるけど、一応怖いから058の能力で皮膚を鋼鉄化して突っ込んで。少し動きにくいけど、全く攻撃通らないから。」
「わかった。」
「私は全力でサポートする。危なかったら言ってね。」
作戦会議が終わると、すぐさま082の救出へ向かう。100番が敵を殺し続けたせいか、壁は紅く染まっていた。匂いは生臭く、息もできないくらいだった。
「っはぁ臭いな。100手加減してよな」
100からの返事はない。きっと戦闘に夢中なのだろう。まぁ、倒してくれるのはありがたいし。頑張ってほしいけど...酷いなこのニオイは全く...
「あっ!あれじゃない?」
058の驚いたような声が聞こえた。あれ、あ、あれか!
「バリアの中に保護するよ。それっ
それじゃ、外に行こうか。」
「ありがとう...あとちょっとで死ぬとこだった」
「何言ってんだよ、能力者がそんな簡単にくたばってどうすんだよ」
100は呆れた様子で言った、笑みを浮かべて。
それじゃ次はどこに行くか。ん?なんだろうかこの違和感は...はっ!罠だ!一歩でも動くと眠らされてしまう!
「100!動かないで...っ!!!」
そこからの意識はない。目が覚めたのは見覚えのないところだった。地球から遠い所にいる。そんな気がした。
~058~
「ここはどこ?ねぇ!みんな起きてよ!」
私は、003が叫んで、動くのを止めようとして...って所までしか覚えていない。そして、この目の前で私達のことを見つめている老人は誰なんだろう?
「やっと目が冷めたかい。単刀直入に聞くが、お前さん達ミウじゃな。」
この老人は敵か?そう思って私が隠していたナイフに手を伸ばすと、何か壁に阻まれたような感触があった。
「待って。その老人は悪い人じゃない。道で倒れてた僕らを拾って看病してくれた人だ。」
道?拾った?ますます分からなくなってきた。こんな、私達を拾って助けてくれた?そんなことあり得るかな?
「お言葉ですが、なぜ私達のような能力者を助けて下さったのですか?」
「儂の娘がミウでな。地球政府に見つかって連れてかれてしまったのじゃよ。生き残っているのはお前さんたちだけだと知ってな。娘の為にも助けてやろうと思ったのじゃ。分かるかの?」
この老人の娘も殺されてしまったと思うと、ますます地球政府への怒りが湧いてきた。
「そうじゃ、番号じゃ生活しにくいじゃろう。名前を付けんて進ぜよう。そこの黒髪の少年。あんたの番号は?」
「003です」
この老人は私達を助けてくれただけでは無く、名前まで付けてくれるなんて、そんな...泣きそうになっている私をおいて名付けはどんどん進んでいく。
「そうじゃな、反対から読んでミオ。なんてどうか?」
「ありがとうございます!!」
じゃあ次はその白髪の少女。そういうと、わたしの方を見つめてきた。
「え、あ、058...です。」
老人は少し考えるような素振りをすると、再び私の方を見て、お主はコハじゃ。そういった。コハ、二文字のカタカナで、単純な名前だけど、今まで番号しかついていなかった私からすると、すごくありがたく、温かい気がした。その後は082、100にも、ニヤ、ファス。という名前がつけられた。そろそろお別れ、そんなときの老人は私達にすべてを託した。そんな面持ちで最後の支援をしてくれた。
「一人に金貨3枚を渡す。これで武器や服が変えるはずじゃ。儂の娘の仇、討ってくれよ。」
そういうと、老人は安心した顔をして。
「行きなさい。」
といった。
~082~
あの老人、良い人だったなぁ...私はあのやっさしい老人が忘れられなかった。武器を買えるお金もくれたし。じゃあ武器を買いに行きますか!
と思って武器屋に入ったけど、何を買っていいのかわかんない!
「ねぇ、ファス。金貨一枚渡すから私の武器買ってきてくんない?」
「はぁ?自分でそんくらい買えよ!......って言っても聞かねぇよな、分かったよ。買ってきてやる。」
はぁぁ...やっぱりファスはイケメンだわぁ...身長も高いし。施設に居るときから一度あってみたかったんだよねーうん。
「ほら買ってきたやったぜ」
(どさっ)
えっ!何この武器!使ったことないのばっかり...私もっと杖とかそういうのかと思ってた
「えっ、私ってもっと杖とか?そんな感じの武器だと思ってたんだけど?」
「杖?笑わせんなよ。そんな武器で敵撃てるか?あ?今はな、銃を使う時代なんだよ、銃を」
えっ、銃をこんな量装備するの?えぇ、ハンドガンに、マスケット銃に、あ、マシンガンじゃない!やだぁ、マシンガンとか怖すぎて使えないわ。
「こっちの装備も見ろよ!ほら、この大量の爆弾と多彩なナイフ!見てるだけで興奮してくるぜ!」
ファスって武器マニアだったのかぁ...そんな事を思って落胆していると、向こうからミオとコハが歩いてきた。
「おーい!見てよこの服装!いいでしょ!全身黒。」
いやいや、それは病んでるっていうか、怖いと思うけどなぁ...んにしても、コハちゃん可愛過ぎでしょ!何この破壊的な、白いフード付きポンチョは!
いやぁ、食べちゃいたいくらいかわいいわ
「あの...ニヤさんそんなコッチ見つめないでくださいよ、ちょっと気持ち悪いです。あ、私たち武器買ってくるのでニヤさん達は服買っててくださいね!」
服かぁ、服は適当に済ますか!
施設の中に残っているのはものを消去する能力がある082らしい。放って置いても出てこれるかと思うが、なんせこの施設は警備が厳重なもんだから、殺されかねない。そんなことを考えると、助けに行ったほうがいくらかマシだ。そこで作戦を考える事にした。
「僕がバリアを張る。僕と058はバリアの中にいる。それだと、敵を避けるには足らないから、100が敵を倒してくれ。強いのはわかるけど、一応怖いから058の能力で皮膚を鋼鉄化して突っ込んで。少し動きにくいけど、全く攻撃通らないから。」
「わかった。」
「私は全力でサポートする。危なかったら言ってね。」
作戦会議が終わると、すぐさま082の救出へ向かう。100番が敵を殺し続けたせいか、壁は紅く染まっていた。匂いは生臭く、息もできないくらいだった。
「っはぁ臭いな。100手加減してよな」
100からの返事はない。きっと戦闘に夢中なのだろう。まぁ、倒してくれるのはありがたいし。頑張ってほしいけど...酷いなこのニオイは全く...
「あっ!あれじゃない?」
058の驚いたような声が聞こえた。あれ、あ、あれか!
「バリアの中に保護するよ。それっ
それじゃ、外に行こうか。」
「ありがとう...あとちょっとで死ぬとこだった」
「何言ってんだよ、能力者がそんな簡単にくたばってどうすんだよ」
100は呆れた様子で言った、笑みを浮かべて。
それじゃ次はどこに行くか。ん?なんだろうかこの違和感は...はっ!罠だ!一歩でも動くと眠らされてしまう!
「100!動かないで...っ!!!」
そこからの意識はない。目が覚めたのは見覚えのないところだった。地球から遠い所にいる。そんな気がした。
~058~
「ここはどこ?ねぇ!みんな起きてよ!」
私は、003が叫んで、動くのを止めようとして...って所までしか覚えていない。そして、この目の前で私達のことを見つめている老人は誰なんだろう?
「やっと目が冷めたかい。単刀直入に聞くが、お前さん達ミウじゃな。」
この老人は敵か?そう思って私が隠していたナイフに手を伸ばすと、何か壁に阻まれたような感触があった。
「待って。その老人は悪い人じゃない。道で倒れてた僕らを拾って看病してくれた人だ。」
道?拾った?ますます分からなくなってきた。こんな、私達を拾って助けてくれた?そんなことあり得るかな?
「お言葉ですが、なぜ私達のような能力者を助けて下さったのですか?」
「儂の娘がミウでな。地球政府に見つかって連れてかれてしまったのじゃよ。生き残っているのはお前さんたちだけだと知ってな。娘の為にも助けてやろうと思ったのじゃ。分かるかの?」
この老人の娘も殺されてしまったと思うと、ますます地球政府への怒りが湧いてきた。
「そうじゃ、番号じゃ生活しにくいじゃろう。名前を付けんて進ぜよう。そこの黒髪の少年。あんたの番号は?」
「003です」
この老人は私達を助けてくれただけでは無く、名前まで付けてくれるなんて、そんな...泣きそうになっている私をおいて名付けはどんどん進んでいく。
「そうじゃな、反対から読んでミオ。なんてどうか?」
「ありがとうございます!!」
じゃあ次はその白髪の少女。そういうと、わたしの方を見つめてきた。
「え、あ、058...です。」
老人は少し考えるような素振りをすると、再び私の方を見て、お主はコハじゃ。そういった。コハ、二文字のカタカナで、単純な名前だけど、今まで番号しかついていなかった私からすると、すごくありがたく、温かい気がした。その後は082、100にも、ニヤ、ファス。という名前がつけられた。そろそろお別れ、そんなときの老人は私達にすべてを託した。そんな面持ちで最後の支援をしてくれた。
「一人に金貨3枚を渡す。これで武器や服が変えるはずじゃ。儂の娘の仇、討ってくれよ。」
そういうと、老人は安心した顔をして。
「行きなさい。」
といった。
~082~
あの老人、良い人だったなぁ...私はあのやっさしい老人が忘れられなかった。武器を買えるお金もくれたし。じゃあ武器を買いに行きますか!
と思って武器屋に入ったけど、何を買っていいのかわかんない!
「ねぇ、ファス。金貨一枚渡すから私の武器買ってきてくんない?」
「はぁ?自分でそんくらい買えよ!......って言っても聞かねぇよな、分かったよ。買ってきてやる。」
はぁぁ...やっぱりファスはイケメンだわぁ...身長も高いし。施設に居るときから一度あってみたかったんだよねーうん。
「ほら買ってきたやったぜ」
(どさっ)
えっ!何この武器!使ったことないのばっかり...私もっと杖とかそういうのかと思ってた
「えっ、私ってもっと杖とか?そんな感じの武器だと思ってたんだけど?」
「杖?笑わせんなよ。そんな武器で敵撃てるか?あ?今はな、銃を使う時代なんだよ、銃を」
えっ、銃をこんな量装備するの?えぇ、ハンドガンに、マスケット銃に、あ、マシンガンじゃない!やだぁ、マシンガンとか怖すぎて使えないわ。
「こっちの装備も見ろよ!ほら、この大量の爆弾と多彩なナイフ!見てるだけで興奮してくるぜ!」
ファスって武器マニアだったのかぁ...そんな事を思って落胆していると、向こうからミオとコハが歩いてきた。
「おーい!見てよこの服装!いいでしょ!全身黒。」
いやいや、それは病んでるっていうか、怖いと思うけどなぁ...んにしても、コハちゃん可愛過ぎでしょ!何この破壊的な、白いフード付きポンチョは!
いやぁ、食べちゃいたいくらいかわいいわ
「あの...ニヤさんそんなコッチ見つめないでくださいよ、ちょっと気持ち悪いです。あ、私たち武器買ってくるのでニヤさん達は服買っててくださいね!」
服かぁ、服は適当に済ますか!
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