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第13章
もしも
重要なのは点滅を確定化させないこと。
とはいえ点滅と確定の仕様なんて分からないし、この点滅過剰状態が異世界間移動にどう影響するのかも確認できていないんだが……。
「ねえ、功己。石箱と同じに考えていいなら、その階段も消しちゃおうよ」
壁上から階段を消す?
「石箱も階段も消えちゃえば魔法なんて疑いようないんだからさ」
「どうやって壁を上ったと説明するんだ?」
「それ、ごまかしちゃだめ?」
「……」
土魔法の階段を消し去った上で、全てをごまかす。
不審に思われようが、手足だけでのぼったと言い張る。
無理やり押し通し、あとは何もかも曖昧にしてしまう。
確かに、ありかもしれない。
ありかもしれないが……。
「あっ、異形が壁を?」
「ギギギッ」
「グルルゥ」
幸奈と俺が話をしている隙に後退を続け砂壁に至った異形たち。
今にも壁に手を掛けようとしている。
まさかこいつら、のぼれるのか?
丸穴から這い出てきた要領で?
「……」
まっ、砂壁をのぼる技量があったとしても問題などない。
のぼる前に討てばいいだけだからな。
**************************
<古野白楓季視点>
「宿の中も何も変わってねえのな」
武上くんと2人で戻ってきた施設の1階。
目に映る眺めは今朝から何も変化していない。
「ええ」
門の前もエントランスも全て同じだった。
ということは、やっぱり。
「こっちは揺れてないんだわ」
「浜の揺れと沈下は異形の仕業ってことか?」
「まだ確定はできないけれど、現時点ではその可能性が高いでしょうね。って、それより今は里村くんよ」
「だな。じゃ、オレはこっちを探すから古野白はそっちを頼む」
「何言ってるの? 一緒に行動するんでしょ」
「一緒だと無駄に時間がかかんだろ」
「無駄じゃないわ、もしもに備えるのだから」
「もしもって異形のことか?」
「異形以外何があるの?」
「……野良やろう」
野良の異能者が宿の中に?
「ないこともねえぞ」
いいえ。
「今この島にいるのは私たちと施設の数人だけ。野良の異能者なんているわけない」
「んなもん、隠れてるに決まってらあ」
「何のため? まさか、私たちを襲うためとでも言うつもり?」
「……」
「私たちの予定は数日前に決まったばかりだし、日程についても研究所とこの施設の数名しか知らないわ。それなのに野良の異能者が情報を掴んだと? そして今日この時を選んで襲ってくると? そもそも野良が私たちを襲うなら、この島じゃなくてもいいわよね」
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でも、さっきから少し様子がおかしいから。
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