37 / 1,578
第1章 オルドウ編
検証 6
しおりを挟むジルクール流の道場で偶然出会ったギリオンさんという男性と共に向かったのは、近くにある喫茶店というか食堂というか、とにかく休憩できる場所。
そこに場所を移して話を聞くことになった。
「王都でジルクール流の達人として有名なレイリュークさんがこちらに滞在されているのなら、挑戦しようという気持ちは分かります」
「んだろ。それで昨日今日と挑戦したんだがなぁ、このざまよ」
正面には赤色の髪を短髪に切りそろえた筋肉隆々の男性。リーナの朱色の髪とは違い、かなり濃い黒っぽい赤髪だ。その男が赤みがかった茶色の眼を不機嫌そうにすがめている。
こうやって向かい合ってみると何とも威圧感があるな。
背は170センチもないくらいだが、骨太で筋肉も盛り上がっており、その身体つきは迫力満点。 その上、サイズが小さめの薄手の上着を肩までまくっている。これでもかと筋肉を見せつけているようだ。
そんな恰好をしてはいるけど、その所作には見るべきものがある。
この人もかなりの使い手だな。
「レイリュークさんはお強いんですね」
レイリュークという剣士はそれ以上ということか。
「ああ、剣に関しちゃ、やつはキュベリッツで10指には入るな」
「そうなのですか」
国で10本の指に入る剣士が道場にいる。
俄然、やる気が出てきた。
彼がいる間に道場に行かないとな。
「ちなみに、キュベリッツで他に高名な剣士はいるのですか?」
「ん、そりゃ、赤鬼と剣姫と幻影だろうが、それくらいは知ってんだろ」
おお、心くすぐられるファンタジー感溢れる呼び名だ。
これは、いつかお手合わせ願いたい。
「いえ……」
「アンタ、赤鬼ドゥベリンガーも剣姫イリサヴィアも幻影ヴァルターも知らねぇのか。どこの田舎から出てきたんだ」
「ははは……で、その3人はやはり王都にいるのですか?」
「赤鬼と幻影は王都だな。剣姫は王都が拠点だが、年中旅しているらしいぞ」
「そうなのですね」
この3人の剣士にも非常に興味があるが、近くにいるわけじゃない。
まずは、レイリュークさんだな。
「ところで、そのレイリュークさんですが、誰でも相手してもらえるのでしょうか?」
「誰でもは無理に決まってんだろ。ある程度名が売れてねえとな」
「ギリオンさんでも?」
「バカにしてんのか? オレ様は一流だわ!」
自分で言うのはどうかと思うが、レイリュークという剣士が2日連続で相手をするということは、剣士としてそれなりに有名なんだろうな。
まあ、手練れであることは間違いない。
「でも、3度目はないと言われてましたよね」
「……」
「……」
「とにかくだ、庶民に開かれたジルクール流とはいえ、レイリュークは無名の剣士は相手にしねぇ」
流された。
まあ、いいけど。
「では、私の場合、誰が相手してくれるんですかね?」
「アンタ、ここいらじゃ見かけねえ顔だが、全くの無名か?」
「まあ、そうですね」
「こうして見てみると、なかなかやりそうなのにな。そうか、無名か……」
残念そうな顔で考えている。
「……」
言動はなんとも怪しいものがあるが、剣の腕があり見る眼もありそうだな。
この人と剣を交えるのもいいかもしれない。
「なら、3番手か4番手あたりだなぁ」
普通は一見の怪しい剣士を上の者が相手などしてくれない。当然だ。
それでも、そのレベルの剣士がしっかり相手してくれるのはありがたい。
さすが、庶民派ジルクール流だな。
で、3、4番手の力のほどは?
151
あなたにおすすめの小説
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
どうしてこうなった道中記-サブスキルで面倒ごとだらけ-
すずめさん
ファンタジー
ある日、友達に誘われ始めたMMORPG…[アルバスクロニクルオンライン]
何の変哲も無くゲームを始めたつもりがしかし!?…
たった一つのスキルのせい?…で起きる波乱万丈な冒険物語。
※本作品はPCで編集・改行がされて居る為、スマホ・タブレットにおける
縦読みでの読書は読み難い点が出て来ると思います…それでも良いと言う方は……
ゆっくりしていってね!!!
※ 現在書き直し慣行中!!!
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜
舞桜
ファンタジー
「初めまして!私の名前は 沙樹崎 咲子 35歳 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎」
突然 神様の手違いにより死亡扱いになってしまったオタクアラサー女子、
手違いのお詫びにと色々な加護とチートスキルを貰って異世界に転生することに、
だが転生した先でまたもや神様の手違いが‼︎
神々から貰った加護とスキルで“転生チート無双“
瞳は希少なオッドアイで顔は超絶美人、でも性格は・・・
転生したオタクアラサー女子は意外と物知りで有能?
だが、死亡する原因には不可解な点が…
数々の事件が巻き起こる中、神様に貰った加護と前世での知識で乗り越えて、
神々と家族からの溺愛され前世での心の傷を癒していくハートフルなストーリー?
様々な思惑と神様達のやらかしで異世界ライフを楽しく過ごす主人公、
目指すは“のんびり自由な冒険者ライフ‼︎“
そんな主人公は無自覚に色々やらかすお茶目さん♪
*神様達は間違いをちょいちょいやらかします。これから咲子はどうなるのか?のんびりできるといいね!(希望的観測っw)
*投稿周期は基本的には不定期です、3日に1度を目安にやりたいと思いますので生暖かく見守って下さい
*この作品は“小説家になろう“にも掲載しています
男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)
大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。
この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人)
そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ!
この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。
前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。
顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。
どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね!
そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる!
主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。
外はその限りではありません。
カクヨムでも投稿しております。
玲子さんは自重しない~これもある種の異世界転生~
やみのよからす
ファンタジー
病院で病死したはずの月島玲子二十五歳大学研究職。目を覚ますと、そこに広がるは広大な森林原野、後ろに控えるは赤いドラゴン(ニヤニヤ)、そんな自分は十歳の体に(材料が足りませんでした?!)。
時は、自分が死んでからなんと三千万年。舞台は太陽系から離れて二百二十五光年の一惑星。新しく作られた超科学なミラクルボディーに生前の記憶を再生され、地球で言うところの中世後半くらいの王国で生きていくことになりました。
べつに、言ってはいけないこと、やってはいけないことは決まっていません。ドラゴンからは、好きに生きて良いよとお墨付き。実現するのは、はたは理想の社会かデストピアか?。
月島玲子、自重はしません!。…とは思いつつ、小市民な私では、そんな世界でも暮らしていく内に周囲にいろいろ絆されていくわけで。スーパー玲子の明日はどっちだ?
カクヨムにて一週間ほど先行投稿しています。
書き溜めは100話越えてます…
のほほん異世界暮らし
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生するなんて、夢の中の話だと思っていた。
それが、目を覚ましたら見知らぬ森の中、しかも手元にはなぜかしっかりとした地図と、ちょっとした冒険に必要な道具が揃っていたのだ。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
第2の人生は、『男』が希少種の世界で
赤金武蔵
ファンタジー
日本の高校生、久我一颯(くがいぶき)は、気が付くと見知らぬ土地で、女山賊たちから貞操を奪われる危機に直面していた。
あと一歩で襲われかけた、その時。白銀の鎧を纏った女騎士・ミューレンに救われる。
ミューレンの話から、この世界は地球ではなく、別の世界だということを知る。
しかも──『男』という存在が、超希少な世界だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる