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第7章 南部編
出血
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
お父様の口元には大量の鮮血!
胸の傷口は塞がっているのに、どうして?
「申し訳ありません。私の治癒魔法では内臓の治療は難しく……」
えっ?
「内臓に大きな損傷があるのですか?」
「おそらく、その可能性が高いかと」
コーキさんが途方に暮れている。
こんな表情見たことない。
内臓の傷がそれほど酷いの?
「っ!」
お父様、さっきまでは平気だと言ってたのに!
もう痛くない、傷は塞がっていると言っていたのに!
「あるいは、子爵が使った宝剣に毒や呪の類が施されていたか……」
毒、呪い!
そんな卑怯なことまで!
「とにかく今は、内臓の出血をできるだけ止めなければいけません」
「おまえたち、治癒魔法の強度を上げるんだ」
「「はっ」」
コーキさんとワディン騎士2人が治癒魔法の発動を続け、同時に魔法薬も使っている現状。これ以上どんな治療をすればいいの?
「……」
神娘の権能。
祝福の力。
記憶を失ってから今まで一度も使えなかったけれど。
今この場で使えれば!
使えるようになれば!
そう!
わたしが力に目覚めればいいのよ!
お願いです、ローディン様。
わたしにもう一度だけ力をお授けください!
「ゴホッ……苦労を、かけるな」
「閣下、そのようなことは決して!」
「そうです。お父様は回復だけに専念してください」
必ず助けますから!
「ゴホゥ……うむ」
「……」
皆が懸命に治療を続けてくれている。
わたしは、わたしも……。
「ゴホッ、ゴホッ!」
お父様の咳が止まらない。
出血も。
わたしも変わらず無力なまま。
変わったのは。
騎士2人の治癒魔法。
治癒の光が弱まりつつある。
魔力残量が限界に近い!
「ぐっ、うぅ……」
ああ!
ついに1人の魔力が尽き、治癒の光が消えてしまった。
「ゴホッ!」
お父様の容態に変化はないのに。
「……もう、よい。ゴフッ!」
「「「閣下?」」」
「もう、よいのだ」
「お父様?」
「「「「……」」」」
「自分のことはよく分かっておる。私の内臓にこれ以上の治療は無駄というもの」
「そんなことないです! このまま治療を続ければ、きっと!」
「ゴフッ! ……治療のおかげで、こうして時間をもらえた。セレスと話すこともできる。それだけで満足だよ」
「話なんて、この先いつでもできますから! だから、だから、どうか!」
「……」
「閣下、まだ魔法薬もあります。治療はこれからです!」
「ルボルグ!」
「はっ」
「治療より娘と2人で話す時間を。よいであろう?」
「閣下……」
「お父様……」
「セレス、ルボルグ、コーキ殿、老いぼれの願いを聞き入れてくれんか?」
「「「……」」」
「治療は……話をした後に、また受けよう」
「……分かりました」
「……」
ルボルグ隊長と2人の騎士が下がっていく。
コーキさんも。
残されたのは、お父様とわたしだけ。
お父様の口元には大量の鮮血!
胸の傷口は塞がっているのに、どうして?
「申し訳ありません。私の治癒魔法では内臓の治療は難しく……」
えっ?
「内臓に大きな損傷があるのですか?」
「おそらく、その可能性が高いかと」
コーキさんが途方に暮れている。
こんな表情見たことない。
内臓の傷がそれほど酷いの?
「っ!」
お父様、さっきまでは平気だと言ってたのに!
もう痛くない、傷は塞がっていると言っていたのに!
「あるいは、子爵が使った宝剣に毒や呪の類が施されていたか……」
毒、呪い!
そんな卑怯なことまで!
「とにかく今は、内臓の出血をできるだけ止めなければいけません」
「おまえたち、治癒魔法の強度を上げるんだ」
「「はっ」」
コーキさんとワディン騎士2人が治癒魔法の発動を続け、同時に魔法薬も使っている現状。これ以上どんな治療をすればいいの?
「……」
神娘の権能。
祝福の力。
記憶を失ってから今まで一度も使えなかったけれど。
今この場で使えれば!
使えるようになれば!
そう!
わたしが力に目覚めればいいのよ!
お願いです、ローディン様。
わたしにもう一度だけ力をお授けください!
「ゴホッ……苦労を、かけるな」
「閣下、そのようなことは決して!」
「そうです。お父様は回復だけに専念してください」
必ず助けますから!
「ゴホゥ……うむ」
「……」
皆が懸命に治療を続けてくれている。
わたしは、わたしも……。
「ゴホッ、ゴホッ!」
お父様の咳が止まらない。
出血も。
わたしも変わらず無力なまま。
変わったのは。
騎士2人の治癒魔法。
治癒の光が弱まりつつある。
魔力残量が限界に近い!
「ぐっ、うぅ……」
ああ!
ついに1人の魔力が尽き、治癒の光が消えてしまった。
「ゴホッ!」
お父様の容態に変化はないのに。
「……もう、よい。ゴフッ!」
「「「閣下?」」」
「もう、よいのだ」
「お父様?」
「「「「……」」」」
「自分のことはよく分かっておる。私の内臓にこれ以上の治療は無駄というもの」
「そんなことないです! このまま治療を続ければ、きっと!」
「ゴフッ! ……治療のおかげで、こうして時間をもらえた。セレスと話すこともできる。それだけで満足だよ」
「話なんて、この先いつでもできますから! だから、だから、どうか!」
「……」
「閣下、まだ魔法薬もあります。治療はこれからです!」
「ルボルグ!」
「はっ」
「治療より娘と2人で話す時間を。よいであろう?」
「閣下……」
「お父様……」
「セレス、ルボルグ、コーキ殿、老いぼれの願いを聞き入れてくれんか?」
「「「……」」」
「治療は……話をした後に、また受けよう」
「……分かりました」
「……」
ルボルグ隊長と2人の騎士が下がっていく。
コーキさんも。
残されたのは、お父様とわたしだけ。
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