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第8章 南部動乱編
テポレン山の戦い 9
「このまま追撃したいくらいだったぜ」
ヴァーンの気持ちも理解できるが。
「それは許可できないぞ」
「もちろん、分かってるって」
「……」
今回は1万相手の戦闘。
勢いだけではどうにもならない。
ペースを考えて、計画通りに。
それが重要だ。
「しっかし、完璧な爆撃だったよなぁ」
さっきの仕掛けはタイミングも場所も言うことがない。
最高の攻撃になったことに、異論なしだ。
「ただよぉ、念動力隊をつれて前に出るのは簡単じゃねえぞ。こっから長く続くと、ますます難しくなっちまう」
「……」
ヴァーンの言う通り。
戦闘が続くと敵の動きも変わってくる。
初撃のように、ずっと上手くいくとは限らない。
「仕方ねえけどよ」
「爆弾を起動するにはエンノアの念動力が必要だからな」
「もっと遠くから使えれば楽できんのに……厄介なことだぜ」
「ヴァーンさん、それは贅沢だって」
「そうだぞ。このような魔道具を実戦で使えるだけでも奇跡的なことなのだ。コーキ殿だからできた技であることを忘れるな」
「なっ……」
こちらに近づいてきたアルとディアナからの一言に、すぐに言葉が出てこないヴァーン。
「そんなこたぁ、俺も分かってらぁ。けどまあ、ちょっとだけな……分かるだろ、アル、ディアナ」
実際のところ、ヴァーンの考えは間違っていない。
防壁に護られた自陣から動くことなく地雷を作動することができれば、より安全なのだから。
ただ、今回はそこまで作り込むことができなかった。
「まあ、分かるけどさ」
ちなみに、さっき使用した魔法地雷はB地点の浅い地中に埋めていた爆弾をエンノアの念動力で発動させたもの。
つまり、時限形式でも接触形式でもない。
エンノアの念動力による作動を想定して俺が大量に作った爆弾なんだ。
さらに遠隔から操作可能な爆弾を作れれば良かったんだが、この短期間に作るとなると、さすがに……。
「それを贅沢と呼ぶ」
「……」
この爆弾。
当然のことながら、エンノアの力で発動させるためには念動力を行使可能な距離まで近づく必要がある。
爆弾に近づくエンノアの念動力隊を護るのがヴァーン、アル、ディアナ、ユーフィリアたちの仕事というわけだ。
「つまらぬヴァーンの愚痴より次の一手だな」
「そうだぜ。なあ、コーキさん」
「おい、待てよ、ディアナ。俺は愚痴なんて言ってねえぞ」
「さっきのは完全に愚痴だろ」
「……」
「反論できまい」
「ちっ」
しかし、この状況で余裕だな。
まっ、余裕があるのは悪いことじゃないか。
が、そろそろ。
「ゼミアさん、お願いします」
「承知しました!」
俺の言葉を聞くまでもなく準備に入っているエンノアの戦士たち。
「魔道具隊、構えぇ!」
「「「「「「「「「「おお!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」
この魔法矢。
大軍相手の戦いでは数に不安があった。
けれど、それももう改善済み。
既に魔法矢の保有数は前回の残数400を大幅に超えている。
この数日、朝から夜中まで毎日作り続けたからな。
おかげで、魔法矢と魔法地雷は結構な数を揃えることができた。
といっても、1万の敵相手に余裕という数ではない。
やり様次第、ってところだろう。
ヴァーンの気持ちも理解できるが。
「それは許可できないぞ」
「もちろん、分かってるって」
「……」
今回は1万相手の戦闘。
勢いだけではどうにもならない。
ペースを考えて、計画通りに。
それが重要だ。
「しっかし、完璧な爆撃だったよなぁ」
さっきの仕掛けはタイミングも場所も言うことがない。
最高の攻撃になったことに、異論なしだ。
「ただよぉ、念動力隊をつれて前に出るのは簡単じゃねえぞ。こっから長く続くと、ますます難しくなっちまう」
「……」
ヴァーンの言う通り。
戦闘が続くと敵の動きも変わってくる。
初撃のように、ずっと上手くいくとは限らない。
「仕方ねえけどよ」
「爆弾を起動するにはエンノアの念動力が必要だからな」
「もっと遠くから使えれば楽できんのに……厄介なことだぜ」
「ヴァーンさん、それは贅沢だって」
「そうだぞ。このような魔道具を実戦で使えるだけでも奇跡的なことなのだ。コーキ殿だからできた技であることを忘れるな」
「なっ……」
こちらに近づいてきたアルとディアナからの一言に、すぐに言葉が出てこないヴァーン。
「そんなこたぁ、俺も分かってらぁ。けどまあ、ちょっとだけな……分かるだろ、アル、ディアナ」
実際のところ、ヴァーンの考えは間違っていない。
防壁に護られた自陣から動くことなく地雷を作動することができれば、より安全なのだから。
ただ、今回はそこまで作り込むことができなかった。
「まあ、分かるけどさ」
ちなみに、さっき使用した魔法地雷はB地点の浅い地中に埋めていた爆弾をエンノアの念動力で発動させたもの。
つまり、時限形式でも接触形式でもない。
エンノアの念動力による作動を想定して俺が大量に作った爆弾なんだ。
さらに遠隔から操作可能な爆弾を作れれば良かったんだが、この短期間に作るとなると、さすがに……。
「それを贅沢と呼ぶ」
「……」
この爆弾。
当然のことながら、エンノアの力で発動させるためには念動力を行使可能な距離まで近づく必要がある。
爆弾に近づくエンノアの念動力隊を護るのがヴァーン、アル、ディアナ、ユーフィリアたちの仕事というわけだ。
「つまらぬヴァーンの愚痴より次の一手だな」
「そうだぜ。なあ、コーキさん」
「おい、待てよ、ディアナ。俺は愚痴なんて言ってねえぞ」
「さっきのは完全に愚痴だろ」
「……」
「反論できまい」
「ちっ」
しかし、この状況で余裕だな。
まっ、余裕があるのは悪いことじゃないか。
が、そろそろ。
「ゼミアさん、お願いします」
「承知しました!」
俺の言葉を聞くまでもなく準備に入っているエンノアの戦士たち。
「魔道具隊、構えぇ!」
「「「「「「「「「「おお!」」」」」」」」」」
「「「「「「「「「「了解!」」」」」」」」」」
この魔法矢。
大軍相手の戦いでは数に不安があった。
けれど、それももう改善済み。
既に魔法矢の保有数は前回の残数400を大幅に超えている。
この数日、朝から夜中まで毎日作り続けたからな。
おかげで、魔法矢と魔法地雷は結構な数を揃えることができた。
といっても、1万の敵相手に余裕という数ではない。
やり様次第、ってところだろう。
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