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第8章 南部動乱編
爆発
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<トゥオヴィ視点>
ドッゴォォォーーーン!!!
鼓膜が破れるほどの轟音!
と共に体の自由が奪われ、浮遊感が?
空を飛んでいるのか?
ドカン!
直後、背中に感じる鈍痛。
地面に落下した?
「うぅ!」
背中が!
息が止まるほどの衝撃だ!
が、それが落ち着くと……。
ひりつくような痛みが全身に?
「っ!」
なぜ?
どうして?
「!?」
衝撃と痛みで頭が真っ白になる。
混乱に陥ってしまう。
けれど。
リヒャルド様は?
イゾリンデ将軍閣下は無事なのか?
「「「「「……」」」」」
もうもうと立ち込める砂煙の中。
倒れ伏す騎士たちの中。
「うぅ……」
数歩先に見えるあの軍服は?
地面にうつ伏せに倒れている姿は?
「リヒャルド様!」
「ぅぅぅ……」
真横に駆け寄り、確認してみると。
脈も呼吸も問題ない。目立つ外傷もない。
もちろん見えない箇所が傷ついている可能性はあるが、大きな問題はないはず。
そう思いたい。
「リヒャルド様、私が分かりますか?」
「ぅぅ……トゥオヴィ?」
「はい、トゥオヴィです」
「な、何が?」
「それは……」
私にもはっきりとは分からない。
ただ、この状況から考えると。
「爆発かと?」
敵の魔道具にやられたとしか思えない。
「……本陣にまで?」
「……」
リヒャルド様同様、私にも信じられないものがある。
それでも、この状況こそが事実だから。
「くっ! 倒れている場合ではない」
朦朧としながらも立ち上がるリヒャルド様。
その姿に、エリシティア様の雄姿が重なってしまう。
「……こちらを」
「ああ」
近くに落ちていた将軍の証である愛剣を手渡し、私もリヒャルド様の傍らの地面を踏みしめる。
砂煙が晴れた後。
あらためて周りを眺めてみると。
この惨状……想像を超えている。
「……」
いや、そもそも本陣が爆撃されること自体想定外。
イリアルも予見できなかったことだ。
っ!
イリアルは無事なのか?
我が小隊は?
先刻までイリアルと私がいたのは本陣のさらに後ろ。
爆発地点よりずっと後方だった。
なら、平気だと思うが……。
「とんでもないな」
惨状の現場に立ち尽くす私の横で、囁くような声を出すリヒャルド様。
「恐ろしい兵器だ」
「……はい」
遠目で見ていた時とは実感が全く違う。
本当に恐ろしい。
寡兵とはいえ、我らはこんな敵と戦っていたのか?
「……」
やはりもう、戦うべきじゃない。
今は撤退すべきだ。
「リヒャルド様、ここは退きま……」
心の奥底から湧き出できた私の声。
それなのに、止まってしまう。
「雷波!」
「雷波!」
「雷撃!」
「雷撃!」
坂の上から聞こえてくる声を聞いて。
体も思考も、固まってしまう。
「どうした、トゥオヴィ?」
「雷撃!」
「雷撃!」
この呪言のような発声。
間違いない。
イリアルから何度も聞かされた凄腕冒険者の魔法だ。
やつが近づいてくる。
決して対峙してはいけないバケモノが本陣にやって来る!
「っ! リヒャルド様、ここは危険です!」
「……」
「ひとまず後ろに!」
「……そう、だな」
後陣に下がろうと足を踏み出した先。
視界に入ってきたのは。
シュン、シュン!
「っ!」
そんな!
バケモノとの遭遇を避けたのに!
シュッ、シュン、ザシュッ!
私たちの前に立ち塞がるのは、鬼神のごとき影。
仮面の剣士が剣を振るっている!
ドッゴォォォーーーン!!!
鼓膜が破れるほどの轟音!
と共に体の自由が奪われ、浮遊感が?
空を飛んでいるのか?
ドカン!
直後、背中に感じる鈍痛。
地面に落下した?
「うぅ!」
背中が!
息が止まるほどの衝撃だ!
が、それが落ち着くと……。
ひりつくような痛みが全身に?
「っ!」
なぜ?
どうして?
「!?」
衝撃と痛みで頭が真っ白になる。
混乱に陥ってしまう。
けれど。
リヒャルド様は?
イゾリンデ将軍閣下は無事なのか?
「「「「「……」」」」」
もうもうと立ち込める砂煙の中。
倒れ伏す騎士たちの中。
「うぅ……」
数歩先に見えるあの軍服は?
地面にうつ伏せに倒れている姿は?
「リヒャルド様!」
「ぅぅぅ……」
真横に駆け寄り、確認してみると。
脈も呼吸も問題ない。目立つ外傷もない。
もちろん見えない箇所が傷ついている可能性はあるが、大きな問題はないはず。
そう思いたい。
「リヒャルド様、私が分かりますか?」
「ぅぅ……トゥオヴィ?」
「はい、トゥオヴィです」
「な、何が?」
「それは……」
私にもはっきりとは分からない。
ただ、この状況から考えると。
「爆発かと?」
敵の魔道具にやられたとしか思えない。
「……本陣にまで?」
「……」
リヒャルド様同様、私にも信じられないものがある。
それでも、この状況こそが事実だから。
「くっ! 倒れている場合ではない」
朦朧としながらも立ち上がるリヒャルド様。
その姿に、エリシティア様の雄姿が重なってしまう。
「……こちらを」
「ああ」
近くに落ちていた将軍の証である愛剣を手渡し、私もリヒャルド様の傍らの地面を踏みしめる。
砂煙が晴れた後。
あらためて周りを眺めてみると。
この惨状……想像を超えている。
「……」
いや、そもそも本陣が爆撃されること自体想定外。
イリアルも予見できなかったことだ。
っ!
イリアルは無事なのか?
我が小隊は?
先刻までイリアルと私がいたのは本陣のさらに後ろ。
爆発地点よりずっと後方だった。
なら、平気だと思うが……。
「とんでもないな」
惨状の現場に立ち尽くす私の横で、囁くような声を出すリヒャルド様。
「恐ろしい兵器だ」
「……はい」
遠目で見ていた時とは実感が全く違う。
本当に恐ろしい。
寡兵とはいえ、我らはこんな敵と戦っていたのか?
「……」
やはりもう、戦うべきじゃない。
今は撤退すべきだ。
「リヒャルド様、ここは退きま……」
心の奥底から湧き出できた私の声。
それなのに、止まってしまう。
「雷波!」
「雷波!」
「雷撃!」
「雷撃!」
坂の上から聞こえてくる声を聞いて。
体も思考も、固まってしまう。
「どうした、トゥオヴィ?」
「雷撃!」
「雷撃!」
この呪言のような発声。
間違いない。
イリアルから何度も聞かされた凄腕冒険者の魔法だ。
やつが近づいてくる。
決して対峙してはいけないバケモノが本陣にやって来る!
「っ! リヒャルド様、ここは危険です!」
「……」
「ひとまず後ろに!」
「……そう、だな」
後陣に下がろうと足を踏み出した先。
視界に入ってきたのは。
シュン、シュン!
「っ!」
そんな!
バケモノとの遭遇を避けたのに!
シュッ、シュン、ザシュッ!
私たちの前に立ち塞がるのは、鬼神のごとき影。
仮面の剣士が剣を振るっている!
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