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第8章 南部動乱編
それはない
このエンノアに殺人犯がいる。
それも魔落後と同じ犯人が。
もちろん今も分からないことだらけで確定的な証拠なんて存在しないけれど、なぜかそう思えてしまう。
ただ、そんな不可思議な確信とは裏腹に、拭い切れない疑問が……。
いったい、誰がそんなことをしたというんだ?
エンノアの民がセレス様を害する理由なんてない。
これまで苦楽を共にしてきたワディン騎士たちもそんなことをするはずがない。
もちろん、シアやアル、ヴァーンもだ。
捕虜の2人は……あやしいとはいえ今も監禁されたまま。
とすると、残っているのは……メルビンさんたち冒険者一行。
あり得るのか?
王軍との戦いで、危険を顧みず俺たちを助けてくれたあの冒険者連中が?
「……」
本来は彼らを疑うこと自体が失礼なことだろう。
それでも現状は他に嫌疑をかける相手なんていない。
ならば、冒険者の中に犯人がいると考えるべき?
セレス様を害する目的でエンノアに入ってきた冒険者が存在する可能性を……。
いや、それもおかしいのか?
メルビンさんたちがエンノアでセレス様に出会ったのは偶然にすぎない。
そもそもテポレン山にやって来たのは調査のためなんだ。あらかじめセレス様の所在を知っていたわけじゃない。
つまり、最初からセレス様を狙っていたと考えるのは無理があるってことだ。
だとしたら、エンノアで偶然セレス様を見つけ、その後に殺意を抱いたと?
分からない。
ただ、犯人が冒険者の中にいると断定できる状況じゃないことだけは確かだろう。
「……」
そもそも、今のこの状況自体が予測できるものではない。
とても狙って作り出せる状況じゃない。
偶然と必然が入り混じっている、そういうことか?
でも、それなら、誰が犯人なんだ?
まさか、ワディンに裏切り者がいる?
あるいは、エンノアの民に犯人が紛れ込んでいる?
だめだ。
やっぱり、そうは考えられない。
ずっと生死を共にしてきたワディン騎士の中にセレス様に害意を抱く者がいるとは思えないし、これまでセレス様と接点のなかったエンノアに犯人がいるとも思えない。
けど、それなら……。
ここは違う方向から考えた方がいいか?
まずはアリバイだ。
今回については地下にいる誰にもアリバイはない。
ないというか、今さら調べることができないと言った方が正しいかな。
なら前回の魔落後は?
仮に今回と前回の凶行が同一犯によるものだとすると、今ここにいる犯人は魔落脱出後のテポレン山にいたことになる。
あの時、テポレン山にいたのは俺とセレス様。
オルドウ側の麓にはシア、アル、ヴァーン。メルビンさんの姿はなかったと思うが冒険者の一部は麓にいたかもしれない。ワディン側の麓には、数人のワディン騎士たちもいたはず。
そして当然、テポレン山の地下にはエンノアの民。
セレス様の傍にいたのは俺だけだが、可能性としては近くにいた多くの者が容疑者として残ってしまう。
ただし、アリバイから推理を進めると、一番あやしいのは俺自身だろうな。
常にセレス様の傍らにいたのだから。
まっ、あり得ないことだけれど。
「……」
そうとも限らないのか?
俺が強烈な精神操作を受けていたとか?
全てを忘れてしまったとか?
一度経験があるだけに……。
いや、いや、さすがにそれはないだろ。
俺が犯人だなんて、考えられない。
考えられないよな??
それも魔落後と同じ犯人が。
もちろん今も分からないことだらけで確定的な証拠なんて存在しないけれど、なぜかそう思えてしまう。
ただ、そんな不可思議な確信とは裏腹に、拭い切れない疑問が……。
いったい、誰がそんなことをしたというんだ?
エンノアの民がセレス様を害する理由なんてない。
これまで苦楽を共にしてきたワディン騎士たちもそんなことをするはずがない。
もちろん、シアやアル、ヴァーンもだ。
捕虜の2人は……あやしいとはいえ今も監禁されたまま。
とすると、残っているのは……メルビンさんたち冒険者一行。
あり得るのか?
王軍との戦いで、危険を顧みず俺たちを助けてくれたあの冒険者連中が?
「……」
本来は彼らを疑うこと自体が失礼なことだろう。
それでも現状は他に嫌疑をかける相手なんていない。
ならば、冒険者の中に犯人がいると考えるべき?
セレス様を害する目的でエンノアに入ってきた冒険者が存在する可能性を……。
いや、それもおかしいのか?
メルビンさんたちがエンノアでセレス様に出会ったのは偶然にすぎない。
そもそもテポレン山にやって来たのは調査のためなんだ。あらかじめセレス様の所在を知っていたわけじゃない。
つまり、最初からセレス様を狙っていたと考えるのは無理があるってことだ。
だとしたら、エンノアで偶然セレス様を見つけ、その後に殺意を抱いたと?
分からない。
ただ、犯人が冒険者の中にいると断定できる状況じゃないことだけは確かだろう。
「……」
そもそも、今のこの状況自体が予測できるものではない。
とても狙って作り出せる状況じゃない。
偶然と必然が入り混じっている、そういうことか?
でも、それなら、誰が犯人なんだ?
まさか、ワディンに裏切り者がいる?
あるいは、エンノアの民に犯人が紛れ込んでいる?
だめだ。
やっぱり、そうは考えられない。
ずっと生死を共にしてきたワディン騎士の中にセレス様に害意を抱く者がいるとは思えないし、これまでセレス様と接点のなかったエンノアに犯人がいるとも思えない。
けど、それなら……。
ここは違う方向から考えた方がいいか?
まずはアリバイだ。
今回については地下にいる誰にもアリバイはない。
ないというか、今さら調べることができないと言った方が正しいかな。
なら前回の魔落後は?
仮に今回と前回の凶行が同一犯によるものだとすると、今ここにいる犯人は魔落脱出後のテポレン山にいたことになる。
あの時、テポレン山にいたのは俺とセレス様。
オルドウ側の麓にはシア、アル、ヴァーン。メルビンさんの姿はなかったと思うが冒険者の一部は麓にいたかもしれない。ワディン側の麓には、数人のワディン騎士たちもいたはず。
そして当然、テポレン山の地下にはエンノアの民。
セレス様の傍にいたのは俺だけだが、可能性としては近くにいた多くの者が容疑者として残ってしまう。
ただし、アリバイから推理を進めると、一番あやしいのは俺自身だろうな。
常にセレス様の傍らにいたのだから。
まっ、あり得ないことだけれど。
「……」
そうとも限らないのか?
俺が強烈な精神操作を受けていたとか?
全てを忘れてしまったとか?
一度経験があるだけに……。
いや、いや、さすがにそれはないだろ。
俺が犯人だなんて、考えられない。
考えられないよな??
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※2017/8/29 連載再開しました!