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第8章 南部動乱編
不穏
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今回の魂替発動は分からないことばかり。
俺やセレス様はもちろん、術者である幸奈も分かっていない。
そんな状態では、俺がどれだけ考えても正解など見つかるわけもない。
やはり今考えることじゃないな。
とはいえ、放置していいとも思えない。
どこかで発動原因を調べておいた方がいいだろう。
今回の件が解決したら、一度調べるとしよう。
*********************
<メルビン視点>
「どうにも、おかしな感じがするわねぇ」
「ああ。宴はいい雰囲気だったのに、おかしいぜ。エレナは何か知らねえのか?」
「知ってたらこんな話しないわよ」
「そりゃ、そうだ」
エレナとランセルの言葉通り。
明らかに空気が変わっている。
初日は和やかで楽し気だったエンノアの雰囲気が部分的に消え失せ、奇妙な緊張感が感じられるのだ。
エンノアの民やワディン騎士が表立って何かをしているわけじゃない。
この地にいる全ての者から緊迫感を感じるということでもない。
それを感じるのは一部の者からのみだが……。
問題なのは、あの者の発する空気が研ぎ澄まされていること。
最も警戒すべき対象であるコーキ・アリマの纏う空気が尋常じゃないことだ。
そう。
彼だけは、宴の席での態度も普通ではなかった。
最初は皆と同じように楽しんでいたのに、一度退出して宴に戻ってきた時の空気は何かを警戒しているように重く張りつめていて……。
本人は隠しているつもりだろうが、俺の目には明らかだった。
「……」
いったい、何があったんだ?
まさか虜囚2人のことか?
いや、彼女たちはまだ動かしていない。
一度伝言を送っただけ。
それを察知したとも思えない、とすると……?
分からない。
それとなく探りを入れてはいるものの、確かなことは何も?
「メルビンさんが何かを仕掛けたんじゃねえの?」
「……何もしていない」
あのアリマの雰囲気を感じていながら、迂闊な行動などとれるわけがないだろ。
「やっぱ、そうだよなぁ」
「あなたと違うんだから、メルビンさんが軽率な行動なんてするわけないでしょ」
すべきことは幾つか存在する。
が、今すぐというものでもない。
何より仕掛けられる状況でもない。
軽挙を慎んで、動くべきだ。
もちろん、好機があれば……。
「メルビンさんでなければ私でもない。だったら、ランセルじゃない?」
「はあ? 俺が何したってんだ?」
「そんなこと、私が知るわけないでしょ」
「ちっ。おまえこそ、何か失敗したんだろ」
「失礼ね。失敗なんてしないわ」
「ほんとかよ?」
「当然でしょ」
「俺も失敗なんてしてねえけどな」
「信じられないわね。でも、ランセルじゃないなら、他の冒険者連中かしら?」
「かもなぁ」
その可能性はある。
とはいえ、軽率な行動をとるような奴らでもない。
俺やセレス様はもちろん、術者である幸奈も分かっていない。
そんな状態では、俺がどれだけ考えても正解など見つかるわけもない。
やはり今考えることじゃないな。
とはいえ、放置していいとも思えない。
どこかで発動原因を調べておいた方がいいだろう。
今回の件が解決したら、一度調べるとしよう。
*********************
<メルビン視点>
「どうにも、おかしな感じがするわねぇ」
「ああ。宴はいい雰囲気だったのに、おかしいぜ。エレナは何か知らねえのか?」
「知ってたらこんな話しないわよ」
「そりゃ、そうだ」
エレナとランセルの言葉通り。
明らかに空気が変わっている。
初日は和やかで楽し気だったエンノアの雰囲気が部分的に消え失せ、奇妙な緊張感が感じられるのだ。
エンノアの民やワディン騎士が表立って何かをしているわけじゃない。
この地にいる全ての者から緊迫感を感じるということでもない。
それを感じるのは一部の者からのみだが……。
問題なのは、あの者の発する空気が研ぎ澄まされていること。
最も警戒すべき対象であるコーキ・アリマの纏う空気が尋常じゃないことだ。
そう。
彼だけは、宴の席での態度も普通ではなかった。
最初は皆と同じように楽しんでいたのに、一度退出して宴に戻ってきた時の空気は何かを警戒しているように重く張りつめていて……。
本人は隠しているつもりだろうが、俺の目には明らかだった。
「……」
いったい、何があったんだ?
まさか虜囚2人のことか?
いや、彼女たちはまだ動かしていない。
一度伝言を送っただけ。
それを察知したとも思えない、とすると……?
分からない。
それとなく探りを入れてはいるものの、確かなことは何も?
「メルビンさんが何かを仕掛けたんじゃねえの?」
「……何もしていない」
あのアリマの雰囲気を感じていながら、迂闊な行動などとれるわけがないだろ。
「やっぱ、そうだよなぁ」
「あなたと違うんだから、メルビンさんが軽率な行動なんてするわけないでしょ」
すべきことは幾つか存在する。
が、今すぐというものでもない。
何より仕掛けられる状況でもない。
軽挙を慎んで、動くべきだ。
もちろん、好機があれば……。
「メルビンさんでなければ私でもない。だったら、ランセルじゃない?」
「はあ? 俺が何したってんだ?」
「そんなこと、私が知るわけないでしょ」
「ちっ。おまえこそ、何か失敗したんだろ」
「失礼ね。失敗なんてしないわ」
「ほんとかよ?」
「当然でしょ」
「俺も失敗なんてしてねえけどな」
「信じられないわね。でも、ランセルじゃないなら、他の冒険者連中かしら?」
「かもなぁ」
その可能性はある。
とはいえ、軽率な行動をとるような奴らでもない。
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