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第9章 推理編
失血
寝台に横たわるディアナ。
その顔は、ニレキリの毒で亡くなったとは思えないほど穏やかなもの。
今にも起き出してきそうなほど。
けれど、もう起きることはない。
動いてはくれない。
永遠に……。
その傍らで、沈黙だけが流れていく。
「「……」」
「「……」」
俺は……。
気が緩んでいたのか?
何度も危機を乗り越えて、警戒感が薄れていた?
だから、防ぐことができなかった?
あの時、水桶を持って寝室を出なければこんなことにならなかったのに。
もっと注意していれば、ディアナの微妙な変化に気付けたはずなのに。
今はもう時間遡行で戻ることはできないのに。
次から次へと後悔が押し寄せてくる。
慚愧の念が膨れ上がっていく。
皆が動きを止めたまま、どれくらい時間が経過しただろう。
5分か10分か?
分からない。
そんな重い沈黙が破られたのは。
「っ!? 姉さん!!」
アルの叫び声。
「姉さん、姉さん!!」
その声に皆の視線がシアへと向かう。
「「シア!」」
顔面蒼白で息も荒い。
容態がまた悪化している!
「コーキ、治癒だ。治癒魔法だ!」
「ああ」
分かってる。
「はあ、はあ……」
「シア、しっかりして、シア! あなたまで、そんな!」
悲壮な表情を見せるセレス様。
アルもヴァーンも尋常じゃない。
今はディアナを失ったばかり。
最悪の事態が頭を過るのも当然だから。
けど、そんなことは起こさせない。
必ず防いでやる。
「はあ、はあ……さむい……」
「シア、シア!」
今のシアの状態が大量の失血によるものなら、治癒魔法ですぐに完治させることは難しいだろう。が、さっきと同様に症状を和らげることはできるはず。ただし、時間が経てばまた悪化する可能性も。
なら、繰り返すだけ。
何度でも治癒魔法を使えばいい。
それに今は使えないセレス様の祝福も使えるようになる。
そうすれば、きっと。
「シア、おまえは絶対いかせねえぞ」
「コーキさん、魔法薬も」
「アル、ヴァーン、ゆっくり飲ますんだ」
収納から取り出した低級魔法薬を2人に。
「セレスさん、祝福は?」
「祝福はまだ……ごめんなさい」
しばらく使えないのは想定済み。
「大丈夫です。ここは任せてください」
「コーキさん……」
「ですが、使えるようになったら、すぐお願いします」
「はい、もちろんです!」
よし。
ここからは治癒魔法に集中するのみ。
さっきと同様に最高、最良の魔法を。
いや、それ以上の魔法治療を。
「はあ、はあ……」
「シア」
「姉さん」
「……セ、レス様。アル」
苦しそうに呼吸を続けるシア。
ただ、その瞳には強い光が見える。
この状態なら。
「シア、まだ魔法薬を飲めるな?」
「う、うん」
魔法薬も治癒魔法も万全。
問題はない。
大丈夫なはず。
この後、治癒を続けることで今回の症状悪化は無事に抑えることができた。
が、俺の想像通り、しばらくは悪化と回復を繰り返すことに……。
その顔は、ニレキリの毒で亡くなったとは思えないほど穏やかなもの。
今にも起き出してきそうなほど。
けれど、もう起きることはない。
動いてはくれない。
永遠に……。
その傍らで、沈黙だけが流れていく。
「「……」」
「「……」」
俺は……。
気が緩んでいたのか?
何度も危機を乗り越えて、警戒感が薄れていた?
だから、防ぐことができなかった?
あの時、水桶を持って寝室を出なければこんなことにならなかったのに。
もっと注意していれば、ディアナの微妙な変化に気付けたはずなのに。
今はもう時間遡行で戻ることはできないのに。
次から次へと後悔が押し寄せてくる。
慚愧の念が膨れ上がっていく。
皆が動きを止めたまま、どれくらい時間が経過しただろう。
5分か10分か?
分からない。
そんな重い沈黙が破られたのは。
「っ!? 姉さん!!」
アルの叫び声。
「姉さん、姉さん!!」
その声に皆の視線がシアへと向かう。
「「シア!」」
顔面蒼白で息も荒い。
容態がまた悪化している!
「コーキ、治癒だ。治癒魔法だ!」
「ああ」
分かってる。
「はあ、はあ……」
「シア、しっかりして、シア! あなたまで、そんな!」
悲壮な表情を見せるセレス様。
アルもヴァーンも尋常じゃない。
今はディアナを失ったばかり。
最悪の事態が頭を過るのも当然だから。
けど、そんなことは起こさせない。
必ず防いでやる。
「はあ、はあ……さむい……」
「シア、シア!」
今のシアの状態が大量の失血によるものなら、治癒魔法ですぐに完治させることは難しいだろう。が、さっきと同様に症状を和らげることはできるはず。ただし、時間が経てばまた悪化する可能性も。
なら、繰り返すだけ。
何度でも治癒魔法を使えばいい。
それに今は使えないセレス様の祝福も使えるようになる。
そうすれば、きっと。
「シア、おまえは絶対いかせねえぞ」
「コーキさん、魔法薬も」
「アル、ヴァーン、ゆっくり飲ますんだ」
収納から取り出した低級魔法薬を2人に。
「セレスさん、祝福は?」
「祝福はまだ……ごめんなさい」
しばらく使えないのは想定済み。
「大丈夫です。ここは任せてください」
「コーキさん……」
「ですが、使えるようになったら、すぐお願いします」
「はい、もちろんです!」
よし。
ここからは治癒魔法に集中するのみ。
さっきと同様に最高、最良の魔法を。
いや、それ以上の魔法治療を。
「はあ、はあ……」
「シア」
「姉さん」
「……セ、レス様。アル」
苦しそうに呼吸を続けるシア。
ただ、その瞳には強い光が見える。
この状態なら。
「シア、まだ魔法薬を飲めるな?」
「う、うん」
魔法薬も治癒魔法も万全。
問題はない。
大丈夫なはず。
この後、治癒を続けることで今回の症状悪化は無事に抑えることができた。
が、俺の想像通り、しばらくは悪化と回復を繰り返すことに……。
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