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第11章 陰謀編
謁見 2
しおりを挟む「ふむ、君が……」
豪奢な装飾が施された椅子に腰掛け、穏やかに口を開く若い男性。
彼がこの国の王太子、キュベリッツの次期国王。
「やっと会うことができた」
輝くような黄金の髪、厳しくも優しくも見える端正な顔立ち、そこに浮かぶ柔らかな表情。それでいて鋭さを窺わせる翠緑の瞳。尋常じゃない存在感。
これが王者の風格というものなのか。
「アリマ君のことは、サヴィアリーナ嬢から色々と聞いている」
「……」
「興味深い話ばかりをな」
そう言って笑みを深める王太子。
親しみを覚えさせるような微笑だ。
ただし、その内容には微笑めない。
「さて」
王太子はどこまで知ってる?
「何から話そう?」
「……」
王太子が一介の冒険者に興味を持つなんて、普通なら考えられないことだ。
が、この好奇心は偽りじゃないだろう。
ということは、つまり……。
剣姫からほぼ全てを聞いていると?
可能な限り秘匿すると言ってくれたのに?
「話題が多すぎるのも困りものだな」
王太子の好奇の目が痛い。
ただでさえ居心地の悪い王宮で、この状況。
ますます気まずくなってしまう。
「殿下、まずは急ぎの案件についてお話を」
「ああ、そうだった」
王太子の視線が剣姫へと移っていく。
ありがたい。
これで一息つける。
「あれをサヴィアリーナ嬢に」
「はっ」
王太子の傍らに控えていた青年が1枚の文を手に持ち、剣姫の前へ。
「サヴィアリーナ様、どうぞ」
この紙に、筆頭秘書官である彼女を急いで呼んだ理由が書かれているのだろうか?
もちろん、俺やリーナ、オズとは関係ないことだろうが。
「……」
受け取った紙面に訝しげな視線を送る剣姫。
無言で読み進めていく。
傍らの青年は控えたまま、顔には何の感情も浮かべてない。
この青年、やっぱりオズに似ているような……。
「殿下!?」
文を読み終えたのであろう剣姫が顔を上げた。
表情が厳しいものに変化している?
「これは確報なのですか?」
「ああ、想定外だろ」
「……はい」
「しかし事実には違いない」
「……」
俯き目を瞑ってしまった。
「頼めるかな?」
「……無論です」
目を見開き頷く剣姫。
「助かるよ」
「いえ」
瞳は強い光を帯び、体からは決然とした空気を発している。
この気配は公爵令嬢サヴィアリーナのものではなく、剣姫のものだ。
「ただ、アリマ殿の件は? どのようにすれば?」
「ふむ……」
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