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第12章 激闘編
任せとけ!
しおりを挟む<エリシティア視点>
「ええ、ここはギリオンと2人で何とかします」
力強い言葉に頷くウォーライルとリリニュス。
私も。
「……任せた」
「おう、任せとけ!」
やはり、ギリオンは自信満々だ。
ただ、だからといって、安心はできない。
敵は超常の防御力と攻撃力を誇る怪竜。
ギリオンとヴァルターがいかに凄腕でも簡単に倒せる相手ではないはず。
それどころか……。
いや、今は2人を信じよう。
「まずは、エリシティア様のもとからあいつを引き離すぞ」
「了解だ」
「グルゥ……」
「おい、ドラゴン野郎、かかってきやがれ」
「グルゥ……」
完全に臨戦態勢に入っている2人とは対照的に怪竜はまたあの謎の仕草を繰り返している。
「てめえ、何してんだ?」
ギリオンの挑発を受けても動かない。
「ちっ、やる気あんのかよ?」
「……」
「ざけんじゃ……ん? オレ様が怖えってか?」
敵は大龍すら凌駕する力の持ち主。
恐怖で動けないとは思えないが。
「油断するな、ギリオン」
「はっ、分かってらぁ」
「グル」
「けどよ、こりゃ、どういうこった?」
「この個体特有の性質かもしれない」
性質?
本当に?
「何にしても、悪いことではないだろ」
「いんや、闘気のないやつはつまらねえ」
「……」
「つっても、やるしかねえけどな。とりあえず、一撃いっとくか?」
「ギリオン殿、ヴァルター殿、敵の蒼鱗はとんでもなく硬いです。通常の剣撃では刃が通りません。ですので、弱点に剣を集めて下さい」
「弱点ってどこだ?」
「首と眼が弱いと思われます」
「よし、まずは眼を狙うぞ、ギリオン」」
「おう」
2人が揃って剣を構えたところで。
「ちょっと待て!」
「ん?」
「ドラゴンが動き出す」
ヴァルターの言葉通り。
足を踏み出そうとしている。
「ちったぁ戦う気になったみてえだな」
「グルルゥ!」
「なら、こっち来いよ」
ゆっくりとギリオンの前に歩いていく。
つまり、我らの元から離れていくと。
「エリシティア様、バケモノが離れていきます」
ウォーライルの口調には、さっきまでなかった活力が戻っている。
「そろそろ動けますか?」
「まだだ、が、もう少し待てば」
動けるはず。
咆哮による四肢の痺れも幾分か和らいできた。
こうなるともう、時間の問題だろう。
「では、動けるようになり次第、森に入りましょう」
「……待機と言われたが?」
「エリシティア様の安全が最優先です」
「……」
「エリシティア様!」
「2人の援護は?」
「もうすぐ部下が到着します。彼らに任せれば良いかと」
確かに、駆ける騎士たちがすぐそこに見える。
「ふむ……」
これも命の使い所。
そう考えるしかない、か。
が、いずれにしても、動けるようになるまではギリオンとヴァルター頼り。彼らの奮闘を祈るだけだ。
そんな戦いが始まった。
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