30年待たされた異世界転移

明之 想

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第12章 激闘編

不発

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「では、いきますよ」

「ああ」

 2人同時に加速を敢行、と同時に視界も風も一変。

「……」

 これまでの2倍とはいかないが、1,5倍以上の速度は出ているはず。
 マラソンペースから短距離走ペースに変えたようなものか。

「しばらくこのまま進みたいのですが?」

「……努力しよう」

 そう言いながらも、顔には余裕が残っている。
 何度見ても、素晴らしい魔力運用だよ。

 さて、追走者はというと……。

 あちらも速度を上げた?
 引き離せていない?
 この速度にも対応できるのか?

 いや、それどころじゃない。
 さらに高速に!

「信じがたいな」

 このままでは追いつかれてしまう。
 であれば。

「仕方ない。迎え撃つとしよう」

「……」

 撃つかどうかは状況次第。
 ただ、ここで迎えること自体は賛成だ。

「ちょうどいい場所がある。あそこで待つぞ」

「了解」

 追走者がこちらに仇なす者なのか?
 あるいは、それ以外の何らかの目的を持っているのか?
 まずは見極めが大切になる。


「来たな」

 待つこと数十秒。
 もう完全に視認できる状態だ。

「アリマ、知っている者か?」

「いえ」

 気配にも姿形にも覚えはない。

「シャリエルンさんは?」

「……分からぬな」

 やはり、2人ともに覚えがない相手。

「この速度で走れる者を忘れることもないでしょうし、追手である可能性が高いですね」

「ああ、戦闘は避けられぬと考えた方がいい」

 確かにそうかもしれない、が、まだ敵だと断定はできない。
 単にこちらを追っているだけという可能性もある。
 ならば、ここは鑑定に頼るべき。

 発動範囲内までは、あと僅か。

 よし、鑑定発動!

 どうだ?
 レザンジュの手の者か?


 ???

レベル ??

??歳 ? ??

HP  ???
MP  ???
STR ???
AGI ???
INT ???

<スキル>
??  ??


 なっ!
 鑑定ができない?
 そんな……。

 いや、誤発動かもしれない。
 なら、もう一度鑑定を!

「……」

 急いで再発動するも、結果は同じ。
 すべてが?で覆われたまま。

「うん?」

 有効範囲に入っていることは確実だから彼我の距離は問題じゃない。
 発動ミスでもない。
 だったら、なぜ?

「アリマ?」

「……」

「何を驚いている?」

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