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第12章 激闘編
野営
しおりを挟む<ギリオン視点>
「うぅ……」
「目が覚めたのか?」
何だ?
どこだ、ここは?
オレはどうなって?
「ギリオン、痛みは?」
姫さんが見下ろしてる?
心配そうに。
「ギリオン?」
「ああ、痛みはねえ」
「そうか!」
目から不安が消え、安堵がこぼれ出している。
なぜ、そこまで……っ!
オレは意識を失ってたのか?
皆が戦ってんのに?
って、それより。
「ダブルヘッドはどうなった、姫さん!」
「既に討伐済みだ」
もう倒しただと?
「だから、今はゆっくり休めばいい」
姫さんの言葉が頭におさまると同時に、周りの光景が目に入ってきた。
「……」
オレがいんのは草が刈り取られた空き地の上。
傍らには姫さん。その後ろには3人の衛生兵。
他のやつらは、少し離れて横になってる者もいれば歩哨に立つ者もいるようだ。
って、この状況……ダブルヘッドを討伐し、野営の準備を終え、夕食までも済んでんじゃねえかよ。
「……随分と眠っちまったんだな」
「うむ、痛みと治療の影響であろう」
まあ、皆の戦闘中に意識を手放したんだから、そういうことになるか。
「特に問題は起こっておらぬゆえ、気に病むことはないぞ」
「……」
状況は理解できた。
できたんだが……情けねえ。
「わりぃ、約束を破っちまったな」
「……ギリオンにはこれまで散々世話になっておる」
「それでもだ」
「なら、今夜は身体を休めて明日からまた守ってくれ」
「……」
「どうした? まだ難しいのか?」
「違う、そういうんじゃねえ」
「ん?」
「……わあったよ、明日からは任せとけ」
「うむ」
きっちり汚名を返上してやらぁ。
「ところで、本当に痛みはないのだな?」
「おう、まったく問題ねえぜ」
「さきほども同じことを言っていたが?」
「なっ……今度はほんとだ」
「信じても?」
「いいに決まってんだろ」
「……ふむ」
おい、何だその目は?
「ほら、見てくれ。鱗も消えかけてる。これで痛みが引かなきゃ嘘ってもんだぞ」
「……ふむ」
まだ完全には信じちゃいねえな。
「……」
つってもまあ、これまでのことがあんだ。
しょうがねえか。
「痛みが消えたとのことですので、ギリオン殿、こちらを口に入れてください」
衛生兵が差し出してきたのは、魔法薬と少量の保存食。
「薬は仕舞ってくれ」
「いえ、今夜は念のため」
「そうだぞ、ギリオン」
ちっ。
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