魔王さんのガチペット

回路メグル

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第6章 二人の話

第149話 注ぐ(7)

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 なんだろう、これ。
 変。
 おかしい。

 でも、嫌なおかしさじゃなくて……。

「魔王さん、なんか、俺……なんか、ちがう……」
「ん? ……あ」

 魔王さんが抱きしめて撫でまわしていた腕を緩める。
 身体が離れていくの寂しいなと思ったらすぐに、魔王さんが俺の頬をそっと撫でてくれた。

「ライト……もう、俺の魔力で満たせたかもしれない」
「魔力? あ……!」

 これ……そういうこと?
 射精のし過ぎとか、メスイキのせいじゃなくて?
 予定では、魔王さんが魔力を込めた精液を一回中出ししてもらうか、魔力が込められなかったら明日も明後日も……五日くらい連続で中出しするかのどちらかだったんだけど……。

「はぁ……あ、そっか、フェラも併せたら……射精五回目?」
「そうだなおそらく……五回目だな」

 イきすぎて体だるいし、俺の方はもう精液も出ない射精になったけど、魔王さんはちゃんとイクたびにどくどく俺の中に精液を注ぎ込んでくれていて……五回目ってことは……。

「ってことは……もう、できるの?」

 さっき飲んだ分もあるし、俺の体、魔王さんの体液たっぷり入ったよね?
 俺、もう魔王さんのものになれる?

「あぁ、紋、付けて見て良いか?」
「うん」
「ライトを、俺のものにして……いいんだな?」
「うん」

 魔王さん、ここまで来てまだちょっと不安そうというか……誠実だな。
 何も気にしなくていいのにね?

「魔王さん……して、お願い」

 多分、射精のし過ぎで締まりのない顔だけど、「俺が」して欲しいんだよって伝えるために魔王さんの頬にキスをすると、魔王さんはやっと真剣な顔で頷いてくれた。

「ありがとう。いや……」

 魔王さんの指が俺の胸元に触れる。

「愛している、ライト」
「ん!」

 魔王さんが繋がったまま、何かぶつぶつと言いながら胸元で指を滑らせる。
 なんか……なんだろう?
 痛くは無いけど、ただ触れているにしてはあつい。ピリピリする。
 さっきまでのセックスの興奮とは違う熱さが全身に広がる。
 あつい。
 あつくて、全身が、なんか、魔王さんの……魔王さんに……満たされる。

「あぁ、綺麗に付く。俺の魔力でライトの中が満ち足りているんだな」

 魔王さんが嬉しそうにそこを撫でた後、指を離して、おそらくついたばかりの紋に優しくキスをしてくれる。
 セックスでイキまくってふわふわの体が更にふわふわする。
 魔王さんに触れてもらうといつも嬉しいけど、もっと嬉しい気がする。
 よく解らないけど、これ……。

「俺、これで魔王さんの専属?」
「あぁ」
「見た目変わった?」

 魔王さんの外見年齢、三〇代半ばくらいだから俺もそうなる?

「いや。いつも通りのかわいいライトだ」
「よかった……」

 ちょっとは変化があるかもしれないけど、魔王さんが「かわいい」と思うなら別にいいし。
 魔王さんは紋から唇を離して、俺の頬を優しく撫でてくれる。
 うん。いつも通り……いつも以上の「ライト大好き」って視線だ。

「ん……紋、どんな感じ? 似合う?」
「綺麗な体に余計な物がついてしまったなと思う」
「ははっ、もう」
「しかし、ライトが求めてくれて、俺が付けた紋だと思うと……興奮する」
「ん、そっか……」

 自分でも見下ろすと、左胸に……角度的に見えにくいけど黒っぽい角の形の線が入っている。
 思ったより小さいかな?
 
「鏡、用意しておけばよかった。俺も、これが付いた自分を見たら興奮しちゃいそう」

 自分でそこを撫でてみると、肌触りでは紋の場所って解らない。
 もっと付いていることが解りやすくても良いのになぁ。
 だって、魔王さんの専属になったって証拠だよ?
 って、そうか……俺……。

「俺、魔王さんの専属になったんだぁ……」

 改めて自覚するとすごく嬉しくて、思わず自分の紋をうっとりと見つめながら撫でていると……ん?
 なんか、魔王さん……?

「あ、な、そ、そんな……ライト、なんて、かわいい、かわいい!」
「ん、あん、もう、ふふっ」

 俺が喜んでいるだけで喜んじゃうんだ?
 魔王さんが嬉しそうに俺の体をよしよしと撫でまわす。
 セックス中だし、中に埋まったペニスはまた硬くなっているんだけど……。

「俺の専属ペットだと思うと、ますますかわいい。はぁ、よく頑張ったな。ライト、かわいいな、ライト……!」

 エッチな雰囲気のまま、エッチなことをしながら、思い切り「よしよしいいこでちゅね~」のテンションで頭を撫でられる。
 もう、こんなことしながらもペット扱いか~……ペットなんだけど。

「ライト……ライトはどうだ?」
「ん~?」

 魔王さんが、ペニスを硬くしたまま不安そうに俺の顔を覗き込む。
 飼い主は魔王さんなのに、縋りつくような……。

「俺も魔王さん大好きだよ。嬉しいし、ほっとした。これからはずっと、側で一緒にいられると思うとすごく嬉しいよ。ありがとう、魔王さん」

 俺の言葉で魔王さんは不安そうな顔から一瞬で笑顔になる。
 うーん。俺の一言でこの反応。
 やっぱり魔王さんのほうがかわいくない?

「魔王さんもよく頑張ったね? よしよし」
「ん! ライト……んん……ライト」

 俺に抱き着いて甘えるように胸元に……紋の位置に頬を摺り寄せる。
 かわいいなぁ。
 思わず頭を撫でて、背中をポンポンと叩くと一層甘えるように全身で俺をまさぐる。
 これじゃあどっちがペットか解らないな。

「魔王さん……かわいい。大好き。かわいい……」
「はぁ……ライト、俺も好きだ……ライト……!」
「ん、あ、魔王さん……ん!」
「ライト……はぁ……」

 もうお腹いっぱいで充分だと思ったのに。

「ん、魔王さん、奥、奥が良い」
「はぁ、あぁ。入るぞ? 奥に、ライトの深い場所に……っ!」
「んぐっ! あ、あぁ! あ、うれし、そこ、そこにまた、ほし、ほしい……!」

 お互いに「ペットかわいいよしよし」のテンションから、すぐにエッチな触れ合いになって……埋めたままだったペニスにまた精液を注いでもらった。

「あ……あ、せいえき、ん……これ、すき……」

 魔王さんのものになってから注がれる精液は、心も体も震えるくらい嬉しかった。
 気持ちいいセックスはいっぱいしてきたけど……。

 こんなに気持ちが満たされるセックスは、初めてだった。
 
 これからは、ずっとこんな幸せなセックスができるんだ。
 どうしよう。
 幸せすぎる。

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