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第8章 その後の二人 / 嫉妬と未来の話
昼食(2)
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「お待たせいたしました。こちらクラーケンのイカ墨ソースピザです!」
お店の人もちょっと自慢なのか、テンションの高い声を上げる。
「人数が少ないのでSSサイズにしたんですが……どうですか? すごいでしょう?」
ミチュチュちゃんもちょっと自慢げにテーブルに置かれた直径一メートルほどの木の板を指差す。
……うん。
これは自慢していい。すごい。
直径一メートルくらいの丸いピザ生地の上に、おそらくイカの足を薄~~~~く輪切りにしたものが一枚だけ乗っているピザ。
一枚だけど、その一枚はピザ生地と同じ大きさ……つまり直径一メートル。
ピザ生地を全て覆いつくすイカのスライスには、ところどころ切り込みが入っていて、こんがりした焼き色も付いているし、チーズもまばらにかかっている。身の下にはソースも塗っているようだ。ちゃんと美味しそうでもある。
それにしてもすごい……この切り身ってクラーケンのほんの一部の切れ端くらいなんだろうけど、ちゃんと元の大きさも感じられる料理だ。
俺が感心していると、魔族のウエーターさんが刀かなってサイズの包丁を取り出した。これで切り分けるようだ。
「こちらは三日前に水揚げされ、臭みを抜いたクラーケンの第二腕となります。クラーケンのなかではごく一般的な可食部位ですね。SSサイズなので、足の一番細い先端部分を輪切りにして使用しています。少し身が硬めですが旨味も濃いですよ。ちなみに4Lサイズだと一番太い部分を輪切りにするので、この部屋に入らないですし、窯にも入らないので外の広場で魔法士の監修のもと調理することになります」
大きな包丁なのに、ウエーターさんは軽々と扱って切り分けながら説明をしてくれる。
そうか。そうだよね。船くらい大きいんだから、足が全部この細さではないか。
その大きさも見てみたいけど食べきれる量じゃない。
「どうぞ。手で召し上がっていただいてもよろしいですが、薄く見えて肉厚ですので、ナイフとフォークをお使いいただく方がスムーズです」
切り分けてもらったピザの乗ったお皿が目の前に置かれる。八分の一だけど結構大きいな……しかも確かに肉厚。じゃあ、ナイフフォークで……うわ、俺、今、クラーケン切ってる。
「いただきまーす!」
少し大きめに切ったピザを口に入れる。
うん。
うん。
うん……!
「はぁ……すごいです。この弾力、噛みしめるたびにでてくる旨味、これがクラーケン!」
俺の横でイルズちゃんが、おそらく初めてイカを食べた人として感動しているけど……。
うん。おいしいよ。
おいしいけど……。
クラーケン、味は普通のイカだった。
まぁ、イカなんだから当然か。
なんだ普通か―……とも思うけど……。
「ははっ、やばい。クラーケンを普通に美味しいって思っちゃってる。クラーケンなのになぁ……」
あぁ、俺、異世界にいて、もう異世界の住人なんだな。
そう思うと、楽しくて仕方が無かった。
「ライト様、もしかしてクラーケンがお好きなんですか?」
「好きというか……俺がいた世界ではクラーケンって空想上の生き物だったんだ。いないはずの生き物が実在して、更に口に入れていると思うと……すごく面白いなって」
「そっか、異世界……では、午後に行くギャラリーはもっとお楽しみいただけるかもしれません」
「え?」
ミチュチュちゃんが少しほっとしたようにピザを頬張った。
「希少動物の牙や骨、鱗などを扱う魔動物素材ギャラリーへお連れしようと思っていたんです」
動物の牙、骨、鱗、素材……。
「それも面白そう!」
ますますゲームだな。
一時帰国した時に、課金までして集めていたゲームの武器や素材をゲーム仲間に譲れるだけ譲ってきたんだけど……本物の方に出会うなんて、ビックリだよね。
※流石に食べきれないので、残りのピザは護衛の騎士さん達の昼食になりました
お店の人もちょっと自慢なのか、テンションの高い声を上げる。
「人数が少ないのでSSサイズにしたんですが……どうですか? すごいでしょう?」
ミチュチュちゃんもちょっと自慢げにテーブルに置かれた直径一メートルほどの木の板を指差す。
……うん。
これは自慢していい。すごい。
直径一メートルくらいの丸いピザ生地の上に、おそらくイカの足を薄~~~~く輪切りにしたものが一枚だけ乗っているピザ。
一枚だけど、その一枚はピザ生地と同じ大きさ……つまり直径一メートル。
ピザ生地を全て覆いつくすイカのスライスには、ところどころ切り込みが入っていて、こんがりした焼き色も付いているし、チーズもまばらにかかっている。身の下にはソースも塗っているようだ。ちゃんと美味しそうでもある。
それにしてもすごい……この切り身ってクラーケンのほんの一部の切れ端くらいなんだろうけど、ちゃんと元の大きさも感じられる料理だ。
俺が感心していると、魔族のウエーターさんが刀かなってサイズの包丁を取り出した。これで切り分けるようだ。
「こちらは三日前に水揚げされ、臭みを抜いたクラーケンの第二腕となります。クラーケンのなかではごく一般的な可食部位ですね。SSサイズなので、足の一番細い先端部分を輪切りにして使用しています。少し身が硬めですが旨味も濃いですよ。ちなみに4Lサイズだと一番太い部分を輪切りにするので、この部屋に入らないですし、窯にも入らないので外の広場で魔法士の監修のもと調理することになります」
大きな包丁なのに、ウエーターさんは軽々と扱って切り分けながら説明をしてくれる。
そうか。そうだよね。船くらい大きいんだから、足が全部この細さではないか。
その大きさも見てみたいけど食べきれる量じゃない。
「どうぞ。手で召し上がっていただいてもよろしいですが、薄く見えて肉厚ですので、ナイフとフォークをお使いいただく方がスムーズです」
切り分けてもらったピザの乗ったお皿が目の前に置かれる。八分の一だけど結構大きいな……しかも確かに肉厚。じゃあ、ナイフフォークで……うわ、俺、今、クラーケン切ってる。
「いただきまーす!」
少し大きめに切ったピザを口に入れる。
うん。
うん。
うん……!
「はぁ……すごいです。この弾力、噛みしめるたびにでてくる旨味、これがクラーケン!」
俺の横でイルズちゃんが、おそらく初めてイカを食べた人として感動しているけど……。
うん。おいしいよ。
おいしいけど……。
クラーケン、味は普通のイカだった。
まぁ、イカなんだから当然か。
なんだ普通か―……とも思うけど……。
「ははっ、やばい。クラーケンを普通に美味しいって思っちゃってる。クラーケンなのになぁ……」
あぁ、俺、異世界にいて、もう異世界の住人なんだな。
そう思うと、楽しくて仕方が無かった。
「ライト様、もしかしてクラーケンがお好きなんですか?」
「好きというか……俺がいた世界ではクラーケンって空想上の生き物だったんだ。いないはずの生き物が実在して、更に口に入れていると思うと……すごく面白いなって」
「そっか、異世界……では、午後に行くギャラリーはもっとお楽しみいただけるかもしれません」
「え?」
ミチュチュちゃんが少しほっとしたようにピザを頬張った。
「希少動物の牙や骨、鱗などを扱う魔動物素材ギャラリーへお連れしようと思っていたんです」
動物の牙、骨、鱗、素材……。
「それも面白そう!」
ますますゲームだな。
一時帰国した時に、課金までして集めていたゲームの武器や素材をゲーム仲間に譲れるだけ譲ってきたんだけど……本物の方に出会うなんて、ビックリだよね。
※流石に食べきれないので、残りのピザは護衛の騎士さん達の昼食になりました
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