魔王さんのガチペット

回路メグル

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第9章 その後の世界 / 新しい仲間と遊びの話

帰路(1)

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「まだお城に着かない?」
「あと二〇分はかかる」

 屋上についていた伝声管でローズウェルさんたちを呼んで、馬車に乗り込んで……「膝乗っていい?」って甘えたのは俺から。
 向かい合って乗るだけのつもりだったのに、キスしたり、Tシャツをめくって背中を撫でたり、イチャイチャし始めたのは魔王さんから。

「ん、ふふっ、この馬車、カーテン付きでよかったね?」
「ん……」

 外は見えないけど、おそらく城下町の大通りに入ったかな? 少し騒がしい気がする。

「ライト」

 俺が見えない外を気にすると、魔王さんは頬に手を添えて自分の方へ向くように促してくる。
 かっわいい。ちょっと甘えてる魔王さん、めっちゃかわいい。
 城下町の、大事な国民がいっぱいいる場所なのに、俺しか目に入ってないの、嬉しくなっちゃうな。

「魔王さん……」

 室内灯は明るくて、魔王さんの少し興奮した顔がよく見える。
 マンネリなんてまだまだしていないけど、デートでもっと仲良く、気分が高まるといいなとは思っていて……大成功だな。

「お城に戻ったら、すぐに部屋行こうね?」
「あぁ」
「どっちの部屋にする? 今のうちに決めておこう?」
「……ライトの部屋の方がたった数メートルでも入口から近い。ライトの部屋だ」
「ふふっ、確かにね。そうしようか」

 かわいいことを言いながら、魔王さんは俺の首筋にキスをして、背中や……ズボンにも指先が入って、腰とおしりの微妙な境目を撫でる。
 手つきがやらしい。

「そんなに待てない?」
「ライトが好きでたまらなくて、とてもかわいい」

 魔王さん、返事になってないなぁ。

「ふ、ふふっ、もう」

 楽しい。デートもセックスも楽しいけど、こういうイチャイチャ、すごく好き。

「仕方ないなぁ」
「っ!」

 首に回していた手を、魔王さんのジャケットの中に入れる。

「部屋についたらすぐに脱げるように、何個かボタン外しておこう」
「あ……」

 魔王さんの体は分厚いから、背中側のボタンを外そうと思うとしっかり密着しないといけない。
 上半身を摺り寄せて、あ、届いた。

「全部外しちゃいたいけど、馬車降りて、部屋まで歩くから……何個にしようかな」

 ボタンの位置や数を確かめるように、ちょうど背中の真ん中にあるシャツのボタンを、指先で上からなぞっていく。

「っ!?」

 魔王さんの体がこれだけで跳ねて、腹筋に力が入った気がした。

「一番上は留めておいて、二番目は外そうかな……ん、外れた」

 小さなボタンが外れたのを確認するように、シャツの中に指先を入れて、直接肌をひっかく。
 ちょうど馬車が揺れて、魔王さんの体も揺れる。
 
「三番目はどうしようかな」

 三番目のボタンまで、素肌を撫でるように指をおろして、カリカリと指先でボタンをひっかいた。

「ここも外しちゃおう」

 三番目のボタンを外すと、二番目を外してできた隙間が大きくなった。

「んー……」

 右手は背中に回したまま、左手を離して少しだけ体を離す。

「うん。後ろにこんなに隙間ができているなんて、前からはわからないね」
「ッ!」

 大きな隙間に指だけでなく手首あたりまで入れて背中を撫でる。
 掌に触れる肌の体温が、一気に上がった。

「あともう一カ所にしておこう。五番目と六番目、どっちのボタンにしようかなぁ」

 また魔王さんに抱き着いて、ズボンに入れられていたシャツの裾を引っ張りだす。

「六番目。一番下にしよう」

 抱き着いて、密着しながら一番下のボタンを外す。
 このままだと裾が広がってボタンが外れているのがバレバレだから……

「バレないように裾、戻しておかないとね?」
 
 魔王さんがぎゅっと唇を閉じて何も言えなくなってしまっているから、俺の独り言みたいで間抜けだけど、正直、楽しい。
 魔王さん、俺が煽る分だけ、煽られてくれる。

「ベルト緩めて……」
「ッ!」
「フロントボタンも一番上だけ外して……」
「んっ!」
「裾入れて……もうちょっと奥まで、ちゃんと」
「う……!」

 ズボンの中に、シャツの裾を入れているだけなのにね?
 魔王さん、顔真っ赤にしていい反応してくれるな。
 ……まぁ、ちょっといやらしく、おしり触りながらしているけど。

「前も」
「あ、まっ……!」

 抱き着いた体勢でシャツの後ろ部分を入れた後、腰を撫でながらウエスト部分に沿って掌を前に回すと……あぁ、これで?
 
「もう、こんなになっちゃうんだ?」
「あ……そ、それは……」

 硬くなっていなくても存在感のあるズボンの前が、わかりやすく膨らんでいる。いつもより薄いズボンだから目立つ。
 このイチャイチャだけで勃起しちゃうんだ?
 俺のこと大好きすぎるな、魔王さん。

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