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第4章
第4話 その冒険者、山賊になる… sideマルシャ
しおりを挟む私の名はマルシャ=クレーヌ。伝説の勇者ハイトリック=エストバーニ様の血を受け継いだ優れた冒険者…だった。
だった、とは、つまりそういう事。
私は冒険者をやめて、山賊になっていた。
「ヘッヘッヘ…姉御ぉお!今日も商人からいっぱい奪ってやったぜぇえええ!?ヒィーハァー!!!」
こいつは私の腹心で、山賊のゼルバ。この山に入って襲われたところを半殺しにしてやったら、何故か私を「姉御ぉ!!」と呼んでいた。別に行くとこもなかったから、私はその「姉御ぉ!!」とやらになって、今ではこうして山賊の頭を張っている。
「おいベルバァ…商人供からちゃ~んと食料奪ったんだろうなぁあああっ!?えぇおい!?」
と、これは私の声だ。喋り方も随分荒々しくなってしまっだか、今ではやけに板についてしまっている。むしろ以前どんな喋り方をしていたのか忘れたぐらいだ。
「グヘへへへッ!!!姉御ぉ!!聞いて驚いちゃあいけねぇぜ?その商人供なぁ…丁度街に肉を届けに行く最中だったらしくてなぁ!?見てくれよ!?」
ジルバはそう言って、背後にいた仲間の山賊A、山賊B、山賊C、山賊Dを指差した。彼らは手に一杯の肉を抱えている。つまりだ、これ全部私たち山賊が食っていいと…そういうこと。
「姉御ぉ!肉ダァ!!」
「ヒィーハァ!!今夜は肉祭りだぁあああああ!」
「タマンねぇぜ!うひっ、うひっ」
「馬鹿野郎テメェら!?これらは全て姉さんの肉!姉さんの胃袋舐めてんじゃぞゴラァッ!!」
山賊達はゲラゲラと汚い笑みを浮かべる。以前の私ならこんな奴等、汚い山賊風情と罵るところだろうが、今の私は違う。今でも彼らの事が愛おしくて仕方ねぇ…こいつら皆んな、私の兄弟であり、家族だ。言っちゃあファミリーってやつよ?
下衆だぁ?知るかよそんな事ぉ…この世はな、楽しんだもの勝ちぃ!!悦という悦を味わった奴がナンバーワンなんだよぉお!ヒィーハァッ!
魔王退治ぃ?そんなん馬鹿馬鹿しくてやってやれっかよ!?
私は以前の私とは違う!最早伝説の勇者の血筋とかどうだっていいッ!!
「マルシャ様からの有難い言葉ぁあああ!!聞けぇえ兄弟!!今夜は…肉祭りだぁ!!!ヒィーハァッ!!ぶははははははははッ!!!」
「「「「「流石ぁ姉御ぉ!!」」」」」
さぁて、今夜も楽しくなりそうだぜぇ…
ぶははははははははははははははははははッ!!!!
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