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第4章
第6話 その冒険者、アイドルとなる side ガイル
しおりを挟むあれから、私は色々考えた。生きるってどういうことなのか、どういう生き方が正しいのか、ただひたすらに考えた。
そうして至った結論とは、自分に正直になる生き方こそ正しい生き方なのではないかと、その答えに行き着いたのだった。
人生は一度きり。私が魔王の妹だというその出生はどうしようもできないが、どう生きていくかは選択できる。
言って、これは選択の自由ってやつだ。
だからこそ、私は…
「みんなぁあああ!今日は思いっきり、楽しむぞーい☆」
「「「「ぞーい!!!」」」」
街のアイドルとなって、生きる事を決めた。
今宵も私の超絶的可愛さに魅了された男達が、私の神々しい姿を一目見ようとは集まってきていた。
鳴り止まぬオーディエンスとは、私の圧倒的アイドルオーラを高ぶらせ、今宵、私の栄えあるアイドルロードを導いてくれる。
私がアイドルとして活動して1ヶ月が過ぎた。その経緯について、私が冒険者を辞めて直ぐにも、スラッとして老紳士がやってきのが始まりだった…
「なぁ嬢ちゃん、ワシと一緒に…テッペン、目指さんか?」
「テ、テッペン!?」
「そう、テッペン。嬢ちゃんには人にはない、キラキラぴかぴかした眩しいオーラがある!何億人もの娘達を見てきたワシには分かる!嬢ちゃんは…人間を超越した、魔王的可愛さを秘めておる!」
「ま、魔王的!?」
「勘違いするでないぞ?言葉のあやじゃ…魔王とはこの世の覇者、そして嬢ちゃんは、そんな魔王に続くのじゃ…アイドルとして!」
「ア、アイドル!?」
「そうじゃ!嬢ちゃんにはアイドルとしての輝かしい未来が約束されておる!これは運命じゃ、天の啓示じゃ!だからどうじゃ…テッペン、目指さんか?」
こうして、私の伝説は始まった…
今ではすっかり売れっ子アイドルとして、アイドル界の席捲を担っている。
確かに以前の生き方とはまるで世界が違うが、これはこれでアリなんじゃないかと、最近では開き直っている自分がいる。
「右から~?」
「「「「ぞーい!!」」」」
「左から~?」
「「「「ぞーい!!」」」」
「あなたと私で~?」
「「「「ソイヤッ!ソイヤッ!ぞいぞいぞいぞい!!」」」」
「ぞーい☆」
「「「「うぉおおお!!ガイルちゃん最高ぉお!!!」」」」
とまぁこんな感じに、いい感じにフロアをあっためている感じぞい。
「ガイルちゃん!今日のライブ最高だったよ!?」
「ありがとぞーい☆」
「ガイルちゃん!マジ神!!」
「ありがとぞーい☆」
「ガイルちゃん!結婚して!?」
「お断りぞーい☆」
今宵のライブも最高の形で幕を下ろした。正直、ニヤニヤが止まらない。めちゃクソ可愛い衣装を見に纏い、人々を見下ろす恍惚は何事にも変えられない至福の一時である。
私は多分、この日の為に生まれてきたのではないかと、そう思う。
そして、
「お空の上にいるバンキス殿にも、私の声が聞こえているのかな?」
かつて仲間を思う。
私達仲間を守る為に散った、私のお兄ちゃん的存在へ…私の鎮魂歌で届いていたらいいなって、そう思うわけですよ。
「バンキス殿、私…頑張るぞい…アイドルとして☆」
見ていてください、私、いつか最強のアイドルとなります!そしていつの日か、私のカリスマ的アイドル力でこの世から争いの種が根絶できる日が来ることを、切に願います!また、いつの日か…
「私がそちらに行く時…その時は…一緒になりましょうね、バンキスお兄ちゃん☆」
敬愛なる、私の大好きだった人へ、
私は今日も、元気です。
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