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第14話 真実
しおりを挟む状況は理解した。謎はまだまだ多いが、別に辻褄の合わない話ではないとも思う。
だがそれとは別に、とある感情が沸き立ってくる。それは言わば、怒りというやつだ。
俺は女神アクマに、激しい怒りをぶつけていた。
「てめぇ…まさか、仕組んだのか?」
「仕組んだ!?とんでもない!私はただ、『銀行強盗の乗った車が暴走している』という事象を、世界と、そしてあなた方お三方の思考に植え付け加えただけです。そこであなた方が何を思い、何をしたかなんて、私には関係ありません♪」
と、アクマはクスクスと悪戯な笑みを浮かべた。
「でもそれにしたって…ぷーくすくす!銀行強盗の乗った車、なんて私おふざけが過ぎましたかね!?ウケますよね!?銀行強盗の乗った、車ですよ!?ぷーくすくすくすくす!!ただでさえ法の行き届いた日本で、セキュリティだって万全な銀行を、リスクだってクッソ高いのに、強盗が襲う?Why?何故ww今時あり得ますかぁ~そんな冗談みたいな話?あっほ臭ぁああああwwwwwマジ草生えるwwwwwwもうそれ、異世界転生よりファンタジーしてますよねwwwww」
アクマが、俺を、いや俺たちを、ことごとく馬鹿にしていることは間違いなかった。
ただアクマが言ってる事の、話の接合生は完璧過ぎて、文句の言いようがない。
では、これが真実ということなのか?
俺たち三人はそれぞれ、実は死んでいて、各々が異世界転生を果たして、その異世界で、俺たちは再開して、殺しあった、と。
「き、貴様ぁああああ!!!」
俺は最早、怒りを抑えることができなかった。
だから、アクマを殺してやろうと、何故か手に握られていたアルティメットソードを構え、突進する。
殺してやろうと、本気でそう思っていた。
なのに、
「で、出たwwwアルティメットソードwwwwスバル、あなたはつくづく面白い人間ですねwwwwそれが何なのかも知らないでwwww」
はぁ?この野郎、何を言っている?
「それはかつて、私がタケヒコに与えたもの。スバルに超絶な能力を与えたように、タケヒコにはそのアルティメットソードを授けたのです♪でもまぁ、その剣の実態を知って、どこかに捨てていたようですけどwwww」
なん、だと?
「その刀身に秘められた、強大すぎる力の代償として、所有者の寿命を食う劔、アルティメットソード」
「!??」
じゃあタケヒコ、まさか、お前がえらく老け込んで見えた理由ってーーー
「別名、愚者の劔。スバル、あなた、自分の顔を見ましたか?見てないですよね?だって…見る暇なかったでしょうしねwwww」
と、アクマがいきなり、どこからともなく、手鏡を取り出していた。
そして、アクマに突進していく俺に、その手鏡を向ける。
知らないジジイが、そこに映っていた。歳は大体、50歳ぐらいだろうか?皺の多い、白髪頭の、見知らぬ男性。手には、アルティメットソードが握られている。
つまり、それは、
俺自身。
「う、うわぁああああああああああ!?」
俺はアルティメットソードを、投げ捨てた。
「ぷーくすくすwwwwwwwあひゃひゃひゃひゃひゃwwwwwwwスバル最高wwwww超最高wwwwww」
「う、ううう嘘だ、認めないぞ、こんなの!?」
「だから、言ってるでしょう?認める認めないは、あなたの勝手。私には関係、ない♪」
「畜生ぉおおおおッ!!!!」
俺は、もう何も信じられなくなっていた。
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