剣と魔法とデスゲーム -転生先の異世界でデスゲーム勃発!?絶対に死にたくねぇ…だったら敵の能力を奪って生き残ってやる!-

泥水すする

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第1章 『俺この異世界ベルハイムで、第二の人生を送る!』-始まりの異世界とジョーカー

9話 俺は今日からたけし!

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 失敗した。
 俺の第一声とは見事なまでにコミュ障全開の、ただただ怪しいだけの、そんな台詞。


『俺の馬鹿!何だよ”今日はいい天気ですね~”って、怪し過ぎんだろ!しかもたったそれだけなのにマトモに言えてねぇし!ヤバい、ヤバいヤバいヤバい…』


 じっとりとした汗が全身から噴き出してくるのを感じていた。
 青年は何も言っちゃくれない、それがまた辛い。
 当たり前だ、いきなり現れた挙動不審の怪しい奴が口を開いたかと思えばやはりといって怪しい台詞を吐いたわけだから、もし俺が青年の立場でもそんなん怪しむに決まってる。


 クソ、今からでも無理やり青年を襲うか?
 …いや、それじゃあ返り討ちにあうのは間違いなく俺の方。それじゃあ駄目だ。相手は明らかに鍛えてそうな体つきだし、そもそも剣の腕を見たばかりじゃねーか。
 かたや俺はどうだ?ヒョロがりの締まりのない体型に、武器もない、魔法もつかえない、せめて優位性を誇るはjokerジョーカーとして与えられたスキルのみ。
 無理だ。いくらスキルを持ってたところで、それを発動できなければ何の意味もねぇ。


 ならどうする?考えろ俺。クールになれ。今一番と必要される最善策をーーーと、無駄な足掻きを考えていた束の間のことだった。


「…く、くくく…あはははははは!」
 それは笑い声。
 見ると、青年の表情は緩まり、何がそんなに可笑しいのかゲラゲラと笑い声をあげていた。
 

「あはは、はは…いや、すまない。いきなり何を言う出すのかと思ったらさ….」
 どうやら俺の怪しい行動と台詞が青年の笑いのツボへと入ってしまったらしい。
 青年は銀色の剣を腰の鞘に収めると、ツカツカとは近づいてきた。
 近づいて、俺を目の前まで来ると、ジロジロと舐め回すようには俺を全身を見ていた。


「うーん、見たことない衣服だ…ということは、つまり君は異国の人かい?」
 

 青年は目を細め、尋ねる。
 ヤバい、何か言わなきゃ。


「あ、ああ…そうそう、そうなんだよ…」


「やはりか、どうも見慣れない姿格好をしていたからね。もしやと思ったんだ。観光…てわけでもなさそうだしな…どうしてここに?」


 見慣れなくて当然。何せこれはこの異世界ベルハイムじゃ絶対に拝めねぇ生前着ていた服だからな。
 転生して何故かそのまま着ていたわけだが…成る程、やはりこんな服はこの世界のどこにも存在してないわけか。
 てか今はそんなことどうでもいい。何て答えようか?当たり障りのない台詞を絞りだせよ、俺。
 


「ちょっと、で…」


?」


 いかん!これじゃあ余計に怪しまれちまう!
 何かないのか!?
 生前に培った、気の利いた台詞ってやつは!?



「…要するに、迷子、なんです」


 違うよ俺!何だよ迷子って!
 馬鹿、つくづく俺の馬鹿!


「迷子?」
 青年の疑いに満ちた視線が飛んできているような、そんな気がした。
 ああ、終わった。今度こそ確実に終わった…そう思った。


「迷子かぁ…そりゃあ大変だなぁ」


 そうそう、そうなんだよ~…って、え?


「1人で来たのかい?だったら心細いだろうな。この国は広い、見ると土地勘もないようだし。昨日からこの森を彷徨っていたのかい?」


「…そ、そうなんですよ」


 あれ、あれ?何か勝手に話進んでる?


「それは可哀想だ。飯はどうしている?」


「飯…は、そういえばこっちに来て一度も食ってないな…」


 てかお腹空いてないし。やっぱりこれって、俺の腹が『空腹状態に陥らない』異世界仕様になったってことだよな。便利なんだか、味気ないんだか…ま、お腹が空かないのは助かるが。これで飢餓状態で死ぬ終わり方は避けれたわけだし。
 と、そんな軽い調子に考える俺とは裏腹に、青年はかなり驚いるようで、「成る程ね…」 
 と、考え込むようには呟いた。
 

 ん、何が成る程なんだ?


「知らない異国の地に来て、しかも飯も食べれなくて住居もなくて森を彷徨っている…確かに相当なとみた」


 大体は正しい。
 ただその残念なやつを見るような哀れむ目だけは止めてくれ、傷つくから。


「…要するに、素性がバレたらいけない身分なのだろう、君は?」


 それも間違っちゃいない。いないが、何か大きな勘違いをさせてしまっているのは俺の気のせいだろうか?


「…これも何かの縁、かもしれないな」
 と、1人に感傷に浸る青年。
 おいおい、何だこの展開!?


「僕はアルテマ・スコットスミス。気軽にアルテマとでも呼んでくれ」


「…お、おう?」


 異世界仕様の名前か…何だかカッコいいなこんちきしょー。


「君は?」


「ん、俺!?」


 ねーよそんなもん!
 でもまぁ、取り敢えず適当に設定でもしとくか…
 名前まで明かせないときたら今度こそ本当に青年ーーーアルテマの信用を失いかねない。


『これはまたとないスキルドレインを試すまたとない転機チャンス。無駄にして堪るか!』



 俺は瞬時に脳へとアクセス、ステータス画面を開いた。




----------------------------


class : jokerジョーカー
【名前を設定して下さい】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0



ATK攻撃 : 5
DEF防御 : 1
MAT魔法攻撃 : 0
MAE魔法防御 : 0




【スキル】
・スキルドレイン LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
・スキルブレイク LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
※一対象に対してスキルドレインとスキルブレイクの併用は不可とする
・なし

【メソッド】
・ LV :2まで残り経験値56 


----------------------------





 よし、ここまでクリア。
 では次に、【名前を設定して下さい】の欄に意識を集中させて…




----------------------------


class : jokerジョーカー
【_】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0


----------------------------





 よしよし、いいぞ俺…
 で、これで名前入力をすればいいのか?



----------------------------


class : jokerジョーカー
【た_】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0


----------------------------




 お?




----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけ_】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0


----------------------------
 


 おお?



----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし_】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0


----------------------------
 



 おおお!出来た!
 何か分からないけど【名前設定】出来た!





----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし_】



【この名前で本当によろしいですか?】
 [はい]
 [いいえ]

----------------------------
 


 もちろん、答えは決まっている。
 俺は今日から…




----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし_】



【この名前で本当によろしいですか?】
→[はい]
 [いいえ]

----------------------------
Now loading…

----------------------------
設定完了しました。

----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし】


LV  : 1
HP : 5/5
MP : 0


【スキル】
・スキルドレイン LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
・スキルブレイク LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
※一対象に対してスキルドレインとスキルブレイクの併用は不可とする
・なし

【メソッド】
・ LV :2まで残り経験値56 


----------------------------



 

 俺は今日から、たけし!



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