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一章
大陸宝くじ購入するぜ!!!
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灰色の空。
雲は白というよりどこが濁りのようなものが目立っていた。
そのせいだろうか、どんよりとした雰囲気が体全体に伝わってきた。
本当に昼間なのか? 外に出た瞬間俺はそう感じた。
そしてこんな少し異様な感じは、俺がもはや日本にはいないのだと思わせるのには十分なほどだ。
「なんだか活気がない場所だな」
俺はあたりを見渡す。
ところどころ破れかけの布の服を身にまとった男たちが建物によりかかりながら座り込んでいる。
俺が男たちをみると、そのうちの一人と目があった。
なんというか生気が宿っていないような目だ。まるで生きることに対して希望を持てないような。そんな感じだ。
「ええ、そうですね。基本的には宝くじ落選者である没落者が居つく地区となっていますので」
「没落者? なんだいそりゃ」
「高額当選を夢見、そして破産していった者のことです」
「宝くじに魂売ったやつらってことだな」
「この現状を見てどう思いますか?」
「別にどうも思わん。宝くじだってギャンブルだって自己責任さ。それは本人たちが一番わかってることだろうよ」
「そうですね、私も同意見です。だから本来は彼らを放っておくのが当然の選択なのだけれども、そうもいかないのです」
「と、言うと?」
マドコはじっと目の前を指さす。
マドコが指さす先、それは裏路地を超えた先だった。
ずいぶん明るいような場所だ。
だがここからではまだよくは見えなかった。
動く気配がまったくないマドコ。
先に行きなさい。そう言っているような気がして俺は少しずつ指さす場所を目指し歩き始めた。
十分くらいだろうか? それほどしたらはっきりと裏路地の出口から大通りの様子が目に飛び込んでくる。
少し派手な服装や、黒いしゃきっとしたスーツのようなものを身に着けている人々。さらにその頭には帽子が、手には鞄のようなものを携えた人がうろうろしている。
現代よりも少し遅れた日本が広がっていると言えば伝わるだろうか?
だが俺はさきほどのあの日差しがかからないようなあの雰囲気を体感していただけに、なんだか不思議な気持ちになった。
ただただ先ほどまでの光景とのギャップに言葉を失っていた。
きっとよく映画とかで見る外国とかの裏路地みたいなところ通った人も、同じ気持ちになるのだろうと俺は思った。
「何してるんですか。さっさと歩いてください」
後ろから声と同時に俺は背中を押された。
それで初めて俺は意識を取り戻した。
「どこに行くんだ」
「さっきも言いましたよね。あれです」
マドコが言ったのは、先ほど指さしていた施設。
とても大きな建物で、事情を見上げると大きく文字が書かれている。
「た、大陸宝くじ好評発売中?」
宝くじという単語に俺の胸は躍った。
やはり本能には逆らえないというもんだ。
「まあお金をあげますからこれで少し買ってきてみてください。。とりあえず実際宝くじに触れてみるのが手っ取り早いと思います」
マドコは何かを握った右手をこちらに差し出す。
俺はゆっくりと右手を差し出す。
じゃらん。何枚かの硬貨が俺の掌に乗っかる。
当然だが日本の硬貨じゃない。
「よしわかった任せとけ」
それだけ告げると俺は足早にマドコの指さした建物へと向かう。
外見は西洋風。赤煉瓦で作られていて、入りやすくするためか、ドアが6個設置されている。
まず中に入ると出迎えるのは大きなシャンデリア。
そして塗装がしっかりと隅々まで施されていて、とても高級感を感じられる。
あれは何だ?
そんなに長くはないのだが、行列ができている。
入口付近できょろきょろしている俺に見かねたのか、お店のスタッフらしき人物が近付いてきた。
そしてこちらへどうぞ、と行列の最後尾まで案内してくれた。
俺は案内されるがままに行列に並ぶ。
よく見るといろいろな人が並んでいる。
さきほどの裏路地に見かけたような人から、普通の服装をする人。そしてあからさまにお金持ちそうな人まで。
そして予想よりも早く行列は動き、ほんの一時間くらいしてだろうか? 俺の番がやってきた。
「いらっしゃいませ。何枚お求めでしょうか?」
「と、とりあえず宝くじについていろいろと教えていただけないでしょうか?」
俺がそう告げると受付のお姉さんは表情一つ変えずに「はいかしこまりました」そう告げると俺に一枚の薄い冊子を手渡した。
「ここに詳しく記載されておりますが、軽く説明させていただきますね。まずこちらで大陸宝くじ券をお買い求めいただきます。そこに1~100までの組。そして八桁の数字が書かれておりますので、それが後日発表される数字と組がぴったり合っていれば見事一等100億デルベをお受け取りになれます。大陸宝くじは一枚200デルベ。ここまででわからないことはございますか?」
「いや………………とくには」
話を聞きながら手元の冊子をちらちらと眺めていたし、特に疑問点などは浮かんでこない。
要はジャ○ボみたいなもんだ。細かいところは違うかもしれないが。
「じゃあこれで買えるだけお願いします」
俺は金の単位なぞまったくわからないもんで、右手に握った硬貨すべてを渡す。
「はい、承りました。1000デルベいただきますので、こちらが大陸宝くじ五枚になりますね」
俺はぺこりと頭を下げ、くじを受け取り建物を後にした。
ただ別に変わったところなど見当たらなかったが?
雲は白というよりどこが濁りのようなものが目立っていた。
そのせいだろうか、どんよりとした雰囲気が体全体に伝わってきた。
本当に昼間なのか? 外に出た瞬間俺はそう感じた。
そしてこんな少し異様な感じは、俺がもはや日本にはいないのだと思わせるのには十分なほどだ。
「なんだか活気がない場所だな」
俺はあたりを見渡す。
ところどころ破れかけの布の服を身にまとった男たちが建物によりかかりながら座り込んでいる。
俺が男たちをみると、そのうちの一人と目があった。
なんというか生気が宿っていないような目だ。まるで生きることに対して希望を持てないような。そんな感じだ。
「ええ、そうですね。基本的には宝くじ落選者である没落者が居つく地区となっていますので」
「没落者? なんだいそりゃ」
「高額当選を夢見、そして破産していった者のことです」
「宝くじに魂売ったやつらってことだな」
「この現状を見てどう思いますか?」
「別にどうも思わん。宝くじだってギャンブルだって自己責任さ。それは本人たちが一番わかってることだろうよ」
「そうですね、私も同意見です。だから本来は彼らを放っておくのが当然の選択なのだけれども、そうもいかないのです」
「と、言うと?」
マドコはじっと目の前を指さす。
マドコが指さす先、それは裏路地を超えた先だった。
ずいぶん明るいような場所だ。
だがここからではまだよくは見えなかった。
動く気配がまったくないマドコ。
先に行きなさい。そう言っているような気がして俺は少しずつ指さす場所を目指し歩き始めた。
十分くらいだろうか? それほどしたらはっきりと裏路地の出口から大通りの様子が目に飛び込んでくる。
少し派手な服装や、黒いしゃきっとしたスーツのようなものを身に着けている人々。さらにその頭には帽子が、手には鞄のようなものを携えた人がうろうろしている。
現代よりも少し遅れた日本が広がっていると言えば伝わるだろうか?
だが俺はさきほどのあの日差しがかからないようなあの雰囲気を体感していただけに、なんだか不思議な気持ちになった。
ただただ先ほどまでの光景とのギャップに言葉を失っていた。
きっとよく映画とかで見る外国とかの裏路地みたいなところ通った人も、同じ気持ちになるのだろうと俺は思った。
「何してるんですか。さっさと歩いてください」
後ろから声と同時に俺は背中を押された。
それで初めて俺は意識を取り戻した。
「どこに行くんだ」
「さっきも言いましたよね。あれです」
マドコが言ったのは、先ほど指さしていた施設。
とても大きな建物で、事情を見上げると大きく文字が書かれている。
「た、大陸宝くじ好評発売中?」
宝くじという単語に俺の胸は躍った。
やはり本能には逆らえないというもんだ。
「まあお金をあげますからこれで少し買ってきてみてください。。とりあえず実際宝くじに触れてみるのが手っ取り早いと思います」
マドコは何かを握った右手をこちらに差し出す。
俺はゆっくりと右手を差し出す。
じゃらん。何枚かの硬貨が俺の掌に乗っかる。
当然だが日本の硬貨じゃない。
「よしわかった任せとけ」
それだけ告げると俺は足早にマドコの指さした建物へと向かう。
外見は西洋風。赤煉瓦で作られていて、入りやすくするためか、ドアが6個設置されている。
まず中に入ると出迎えるのは大きなシャンデリア。
そして塗装がしっかりと隅々まで施されていて、とても高級感を感じられる。
あれは何だ?
そんなに長くはないのだが、行列ができている。
入口付近できょろきょろしている俺に見かねたのか、お店のスタッフらしき人物が近付いてきた。
そしてこちらへどうぞ、と行列の最後尾まで案内してくれた。
俺は案内されるがままに行列に並ぶ。
よく見るといろいろな人が並んでいる。
さきほどの裏路地に見かけたような人から、普通の服装をする人。そしてあからさまにお金持ちそうな人まで。
そして予想よりも早く行列は動き、ほんの一時間くらいしてだろうか? 俺の番がやってきた。
「いらっしゃいませ。何枚お求めでしょうか?」
「と、とりあえず宝くじについていろいろと教えていただけないでしょうか?」
俺がそう告げると受付のお姉さんは表情一つ変えずに「はいかしこまりました」そう告げると俺に一枚の薄い冊子を手渡した。
「ここに詳しく記載されておりますが、軽く説明させていただきますね。まずこちらで大陸宝くじ券をお買い求めいただきます。そこに1~100までの組。そして八桁の数字が書かれておりますので、それが後日発表される数字と組がぴったり合っていれば見事一等100億デルベをお受け取りになれます。大陸宝くじは一枚200デルベ。ここまででわからないことはございますか?」
「いや………………とくには」
話を聞きながら手元の冊子をちらちらと眺めていたし、特に疑問点などは浮かんでこない。
要はジャ○ボみたいなもんだ。細かいところは違うかもしれないが。
「じゃあこれで買えるだけお願いします」
俺は金の単位なぞまったくわからないもんで、右手に握った硬貨すべてを渡す。
「はい、承りました。1000デルベいただきますので、こちらが大陸宝くじ五枚になりますね」
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