どうしても宝くじ高額当選したいから異世界行っても宝くじを買い続ける

たろたろぬ

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一章

宝くじは何かがおかしい

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 ドアを開けるとそこにはマドコの姿があった。

「どうしてここが」
「私にわからないことなどありませんから。ついてきてください」

 表情一つ変えずにマドコがそう告げる。
 俺はこみあげてくる怒りなどあったが、とりあえず今はこらえることにした。
 俺は後ろを振り返り老人に一礼しドアを閉めた。


 それから数十分くらい歩いて、俺が最初に目覚めた家に到着した。
 そして家に入った直後くらいである。
 俺は柄にもなく少し怒り気味に口を開く。
  
「なんであんなこと言ったんだよ」
「さあ、なんででしょう」

 マドコは仏頂面で答える。

「なんででしょうって。こっちは見知らぬ土地で見知らぬ人たちから追いかけられて。謝罪の一つあってもおかしくないんじゃないのか!!」

 思わず荒げた声を出してしまった、と言い終わった後で少し心の中で負い目を感じた。
 こんな小さい子相手に何怒ってんだか。

「では教えてあげましょう。あなたが宝くじに浮かれていたからですよ」
「浮かれていた…………だと?」

 確かに浮かれていた。いや浮かれまくっていた。
 でも、でも、でもよ

「浮かれていてなにが悪いんだ。宝くじを買ったらうきうきが止まらず浮かれるものだろう? その浮かれた時間も宝くじの醍醐味ってやつだと俺は思うが」
「そうですね。これがプライベートでの出来事なら私は何も言いません。があなたは今この世界にいるのは仕事も同然なのです。調査の一環として宝くじを買ったのです。なのにいち買い手と成り下がって何が見えますか?」

 うっ、返す言葉が見当たらない。
 そうだよなあの宝くじだってマドコにもらった金で買ったわけだし。俺の立場的には中立的な目線で見なきゃだめだよな。
 俺はこちらをじっと見つめるマドコから目をそらす。

「そのためのお灸をすえたのです。これで満足ですか?」
「あ、ああ。なんというか…………その…………」

 すっと言葉が出てこない。
 気恥ずかしさというか、あんなこと言った手前今更謝罪できるかという気持ちもある。あとこんな小さい子に自分の非を認め謝るなど………………ぐぬぬ。


「俺が悪かったよ!」 

 俺はそう言い放ちそっぽを向く。

「わかればいいのですよ」

 くっ、むかつく。まあ俺もつまらないことで怒鳴ってしまった責任もある。
 ここは我慢だ。


「それで問題点は見つかりましたか?」
「すまない、さっぱりだ」
 
 自信満々で俺は告げ…………

「ちょっと待て、なぜ拳を構えている!?」
「殺意がわいてきたので。えへっ」

 殴ろうとしていることを除けばなんてあどけなくかわいい少女なのだろうか。ああ、なんていい笑顔だろう。殴られても悪くないと思わないこともなくなってくる。

「じゃあお前は問題点はわかっているのか?」
「問題点はわかっています。新太郎も惨状はみてきてるでしょ?」

 はて? と俺は頭上にクエッションマークを浮かべる。
 頑張って思い出しては見るがなにせここにきてからばたばたとことが進むもので、頭の整理が。

「まったくどうしてネクロマンサー様はこんなのを…………」

 俺に配慮してなのか、小声で言っているが丸聞こえだぞピキピキ。

「いいですか。あなたも見たと思いますが裏路地には宝くじで破産した人たちであふれています。あふれすぎているのですよ。あなたの国では宝くじで破産した人たちがうようよしているのですか?」
「い、いやいない。ゼロとは言い切れないかもしれないが、多くないのは事実だ」
「おかしいとは思いませんか?」

 俺はうんうんとうなづく。

「だけど理由がわからないのです。………………もう時間があまりないというのに」

 最後にマドコが何かをつぶやいたようだが、はっきりとは聞き取れなかった。

「じゃあ俺はその理由を突き止めればいいのか?」
「早い話はそうですね」
「よし。任せろ。何せ俺は元高額当選者だからな!」
「嘘乙です」


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