血染めの復讐劇

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第3話 企てる。

彼女は笑う。

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「…なんて、素晴らしいの…!」

なんと彼女は笑ったのだ。それも、とても楽しそうに。
口許は大きく弧を描き、目元もそれに合わせて形をかえた。

そんな彼女を見て綴もまた笑った。
そう来なくては。その思いを胸に、ただ笑った。
そうして、綴はとても彼女を気に入ったのだった。

「では、早速始めましょう?今夜にでも、いける?」

うきうきと、まるで遠足前の子供のような様子で彼女は綴に問いかける。

「嗚呼、勿論…可能じゃよ。では、早速。」

綴がそう口にすると、空に手を伸ばした。
その掌に光が集まっていき、ある程度円状に膨らむとそれは弾け飛び、幾つかに散り散りになって飛んでいった。

「さぁ、。妾達も早う向かうとしよう。」

そう言って綴は彼女の手を取り、月明かりに照らされながら薄暗い路地裏から、歩みを勧めた。

美しく見とれるほどの容姿を持った綴と手を繋ぎ歩く学生服を着たボロボロの女の子。
それはとても異様な光景ではあったものの、夜も更けているせいか誰1人としてその2人の傍を通る者はいなかった。
そしてただ2人は静かに、笑みを浮かべながら歩くのだった。

その足元は泥沼の如く、もう戻ることの出来ないほど深く嵌りこんでしまったことにも気づかずに、これから起こる悲劇を待ちわびて…
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