血染めの復讐劇

第4話 始まる。

彼女は嗤う。

「皆さん、今晩は。今夜は私の為に集まってくれてありがとう。」

上機嫌で口にする彼女。
その言葉にどよめきが増す。

「どういう事だ！」

「私達なんでこんな所に！？」

「説明しろ！」

「内容によっちゃ、ただじゃおかねえぞ！」

家で寝ていたはずが気付けば学校。
その不気味な出来事に、怯えるもの、怒りを露にするもの、困惑するもの、様々な人がいた。
しかし彼女は、静かに怒りを込め言葉を紡ぐ。

「ただじゃおかない…？私にあんな酷い事をしておいて、よくもそんな事を…！」

そんな彼女のただならぬ雰囲気に、一同は唖然とし静かになった。
それも当然だ。彼女は耐え難い苦痛を目の前にいる人間達から受けたのだ、その憎しみは到底図り知れるものでは無いだろう。

「…今日此処に集まってもらったのは、他でもない。私の復讐の為…此処にいる皆さんを殺します。」

気持ちを落ち着かせ、静かに告げる。
当然どよめきが再び起きた。

そんな生徒達を差し置いて、綴は指を鳴らす。
すると何処かで大きな音がする。扉が大きく開く音、何かが大量に落ちる音。
その二つはどちらも体育館の方から聞こえた。

「…後は、妾が説明しよう。簡単に言えば今から貴様等にバトルロイヤルなるものをしてもらう。まぁ…、最後の一人にならずとも此奴を殺せば終わりじゃから少し語弊があるがのぅ…今体育館に武器を用意した。此奴は貴様等を殺しにかかる故、好きなものを持ち各々逃げるなり戦うなりするが良い。校外には出られんようにしてある…下手に出ようとすれば死ぬぞ？」

その音は綴の力によるもので、この力も彼女への手助けとして挙げた四つのうちの一つだ。


楽しそうに笑う綴に恐怖を感じ何も言えなくなる生徒達。
その笑みは不気味で恐ろしく、ただ同時に酷く美しいものだった。

「開始は午前0時、終了は夜明けじゃ…因みに夜明けまでに殺せなければ貴様等の負け。妾が直々に全員葬り去るでの、覚悟せい。まぁ、何…人一人殺す程度じゃ。明らかに多勢に無勢、簡単じゃろう？」

綴が告げると、時計の針は丁度午前０時とる。
先程迄気にならなかった筈の音が、カチッと大きく聞こえた気がした。
その音をその場にいた全員が聞き、そして数名を残し一斉に我先にと体育館へ掛けていく。

彼女と綴は其の様子をただ後ろから眺めて居た。