とある男に惚れた女の末路

プロローグ

叶わない恋をした。
叶えられない恋を、した。

どこに住んでいるのかも分からない。
名前も知らない女の子に。
見惚れてしまった。



「ずーっと一緒にいてね。」
「うん。」
「いつか、私をお嫁さんにしてね。」
「うん。」
「約束よ？」
「うん、約束する。」



僕らは指切りをした。
喉が張り付いてしまいそうなほど暑い暑い夏の空の下で。
僕が君に愛を誓ったんだ。あの場所で…。





～私の愛する君へ～

ずっと前から君が好き。
だから、ずっと後になっても、君が好き。
この手紙が貴方に届くとき、私はずっと遠くに行っているんだろうね。
でも、泣かないで。
私はずっと君のお嫁さん。
そして君はずっと私の好きな人。

また逢えたらいっぱい話そうね。
ハルくん。


追伸
この手紙を貴方に渡すとき、まだ小学生にもなっていないから読めないと思う、そう言ったことを覚えていますか。